決断力を高めるために必要不可欠な5つの『ない』
1、決断力と似た言葉
周囲に流されず、自分の納得できる人生・キャリアを歩むためには「決断力」が欠かせません。一般的に、決断力とは「自分自身の判断・責任で物事を決める能力」という意味の言葉です。 ただし、決して衝動的に何かを決定するものではありません。衝動的な判断が完全な思い付きなのに対し、万全の対策をしたうえで「えい!」と決めるのが決断力です。 決断力にはいくつか似た言葉がありますので、その違いについてもチェックしましょう。
判断力との違い
決断力と似た言葉として、よく混同されるのが判断力。決断力には「ひらめき」に近いニュアンスがありますが、判断力には「適切かどうか」といった意味合いしか込められていません。「論理的」「正誤性」がベースになっています。 要するに、決断力が「瞬間的」に発揮される能力であるのに対し、判断力はじっくり時間をかけて発揮される能力ということ。そのスピード感が大きな違いです。
直感力との違い
判断力とは別に、直感力もよく決断力の類義語として挙がります。どちらも瞬間的な力という意味では似ていますが、その結論に至るまでのプロセスに違いがあります。 決断力は、そこに至るまでのいくつもの判断によって成り立つ一方、直感力はその場で感覚的に捉える能力です。辞書でも「直感力とは理性ではなく感覚で捉える能力」だと説明されています。直感力は、ふと降りてくるものだといえるでしょう。
決断力には両方が求められる
判断力とも直感力とも異なる決断力ですが、実は両方が備わっていないと十分な決断力は発揮できません。まず、日頃のロジカルな分析、つまり判断力が磨かれていないと、衝動に任せたままの誤った決断(衝動的な決断)ばかり下されしまいます。 とはいえ、論理性ばかり重視していると瞬時の決断もできません。直感に近い感覚的な決断が役に立つ場面がたくさんあるのも事実。結果として、判断力も直感力も備えている人が高い決断力を身に付けられているのです。
2、決断力がないと困る
そうはいっても、大小様々な悩みを抱えているのが人間です。瞬時に物事を判断しろと言われても、そう簡単には行かないもの。「ああでもない」「こうでもない」と決断を後回しにしたくなる瞬間はたくさんあると思います。にもかかわらず、決断力は人生・キャリアで必要不可欠のスキルだという事実は変わりありません。決断力がないとどんなデメリットがあるのでしょうか。
優柔不断な人はモテない
決断力がない=優柔不断というイメージは広く浸透していると思います。優柔不断に対していいイメージを抱く人は少ないのではないでしょうか。恋愛シーンにおいてもその傾向は顕著で、決断力に欠ける優柔不断な男性は「頼りない」「物足りない」といった辛口評価をされやすいです。
仕事も任せてもらえない
もちろん仕事現場においても、決断力に欠ける人は損をしてしまいます。「頼りない」「物足りない」といったイメージが定着すると、思うように仕事を任せてもらえなくなるでしょう。 そうするとますます自信を失い、いざという時の決断力が弱まり……という負のスパイラルに。決断力は、納得のいくキャリアないし、人生をつかみ取るための必要不可欠の能力なのです。
3、決断力を高めるための『ない』
いきなり大きな決断力を身に付けようとしても、そう簡単にはいきません。小さな決断力からちょっとずつ大きくする必要があります。そこで欠かせないのが5つの「ない」を意識すること。「~~する」ではなく、「~~ない」を徹底するのがコツです。
ない①:日々の判断を怠らない
決断の際に迷うのは、自信がないからです。さらに言えば、普段からあらゆる物事について考える時間が足りていないということ。繰り返しになりますが、判断力がないと決断力があるとは言えません。日頃の判断を地道に繰り替えていけば、いざという時に簡単な二択(あるいはそれ以上の選択肢)で迷わなくなります。
ない②:振り返らない
大事なのは、たとえ決断が満足のいく結果につながらなかったと思える時も、振り返ってくよくよしないことです。デール・カーネギーは著書『道は開ける』で、過去のことで落ち込んでも仕方がないと述べています。決断後に頭を思い悩ませるのは、”オガクズ”、つまり過去の出来事について悩んでいる典型例です。
ない③:他人のせいにしない
決断力は、「自分自身の判断・責任で物事を決める能力」だと最初にご紹介しました。他人のせいにする習慣がある人は、いつまでも決断力が身につきません。 たとえ自分に決定権のない物事でも、「自分ならどうするか」「いまはこれが最善だ」と納得する姿勢を培っておけば、自分が何かを決定しないといけない場面で思いもよらぬ決断力が発揮されるでしょう。
ない④:完璧を求めない
決断力があるからといって、いつでも100%正しい選択が出来るわけではありません。正しい選択をしたければ判断力のみを磨けば済む話です。完璧主義の人は、大事な一歩を踏み出す前に二の足を踏んでしまい、スピード感に欠けてしまいます。決断力に重要なのは正誤ではなくスピード感ですから、完璧を求めないようにしましょう。
ない⑤:諦めない
これまで決断力に自信が持てないまま過ごしてきた人は、ひょっとしたら「もう決断力は身につかない」と思うかもしれません。ところが、その自信のなさこそが、決断力が身につかない最大の原因になりかねないので要注意。 プライベートのちょっとした瞬間でも、決断力を磨けるチャンスは無数にあります。諦めないで、ちょっとずつ決断力を高めましょう。
4、プライベートでも出来る3ステップ
仕事やキャリアに関する選択は、緊張するのも無理はありません。ところがプライベートでの選択ならどうでしょうか。たいていは周囲にとってどうでもいいことかもしれませんし、取り返しも付きやすいです。それほど緊張の伴わないプライベートでの即決即断を脳に定着させると、大事な場面でもそれほど時間を要さず決断が出来るようになります。
ステップ①:洋服を即決
普段洋服を選ぶのにどれくらいの時間を要しているでしょうか。一瞬で決める人もいれば、10分近く悩むと言う人もいると思います。まずは洋服を即決即断で選べるようにしてみましょう。毎日欠かさず出来る訓練なので、一日あたりたった数分の違いでも、毎日繰り返せば半年後には大きな効果が期待できます。
ステップ②:食事を即決
着る服の次は、食事を即決できるようにしましょう。誰かと一緒に食事に行くときほど、即決を意識するのがコツです。相手をせかす必要はありませんが、相手にせかされるのは絶対NG。食事一つとっても、優柔不断な人はマイナスイメージを与えてしまいますよ。お店に入った瞬間に選択肢を絞っておくのがコツです。
ステップ③:趣味を即決
何か趣味を始めようとするとき、「○○をしてみようと思う」と相談する人はとても多いでしょう。ところが、この「してみよう」と「思う」はかなりのタイムロスを生んでしまっています。決断力のある人は、基本的に「○○する」だからです。 相談する時も「○○始めた」になるようです。大した問題にならない趣味だからこそ、徹底的に即決即断を意識しましょう。
いきなり決断力を付けるのは難しいので少しずつ訓練していこう
最後まで読んでいただきありがとうございます。決断力の有無で、自分を取り巻く環境は驚くほど変わってしまうので、決断力は早いうちに身に付けるのがベストです。決断力がない人は、仕事でも恋愛でも「頼りない」というマイナスの印象を持たれてしまいます。 似た言葉として混同しがちな判断力とは異なり、決断力には思い切りの良さが欠かせません。とはいえ、直感だけに頼るものでもありません。優柔不断な人は、日常の些細な部分から即決即断の習慣を身につけていきましょう。
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