ビジネスシーンで【できない】と断る時の言い方や言い回し
「できない」と断る時の言い方や言い回しとは?
仕事上で「できない」と断らなければならない時は多々あります。しかし、角が立つとその後のやり取りが上手くいかなくなるため、断る時にもプライベート以上に気を付けなければいけません。そこで、断る時のより良い言い方や言い回しについてご紹介いたします。
関係性を意識した柔らかい言い回しをする
あくまで『仕事の付き合い』といえど、人間関係は仕事に大きな影響をもたらします。「いつもお世話になっている人だから断りづらい」と思う経験は、誰しもあるでしょう。そういった時のため、できるだけ今後に影響のない柔らかい断り方を身に付けておきましょう。
関係性重視の柔らかい言い回し
- 「大変心苦しいのですが、今回は見送らせていただきたいと考えております」
- 「申し訳ないのですが、遠慮させていただきます」
- 「恐縮ですが、ご希望に添いかねます」
- 「残念ですが、またの機会にさせていただきたいと思います」
関係性を意識した柔らかい言い回しは次回に期待を残す
関係性を意識した柔らかい言い回し「見送る・遠慮する・またの機会にする」は、ハッキリとダメだとは言っていないため、相手にとっては強い印象は受けにくいでしょう。しかし、曖昧さがあるため、「また今度はいけるかも?」と次回に期待を残してしまう可能性があります。柔らかい言い方は、相手によっては曲解されてしまう可能性がある事を知ったうえで、人を選んで使いましょう。
曲解を避けるには【ダメな理由】を付け加える
関係性上、柔らかい言い回しをしたいけど、次回に期待を持たれても困る、という複雑な状況の場合は、【ダメな理由】と付け加えることで、遠回しにその期待を防ぐことができます。また、理由を付け加えて断ることで、断る相手も理不尽さを感じずに納得してくれる場合もあります。ただし、理由によっては相手を逆上させてしまうこともありますので、理由を伝えるかどうかは慎重に検討しましょう。
値下げできません!
- いつもお世話になっております、◯◯の××でございます。このたびお問い合わせいただいた商品番号◇◇の商品の複数購入による値下げについてなのですが、大変恐縮なのですが、今回は生産数の問題で材料費を押さえることができず、原価ぎりぎりの価格設定となっているため、ご希望に添いかねます。
採用できません!
- ご応募いただいております、株式会社◯◯の採用担当××でございます。先日は弊社の面接にお越しいただきありがとうございました。社内にて検討をさせていただいた結果、大変心苦しいのですが、今回の採用は見送らせていただきたいと存じます。理由といたしましては、応募いただいた■■職の業務には、現在◇◇の資格を持ったもののみが就いており、◇◇の資格がなければ業務についていくことが困難であるためです。
意志を伝えるハッキリとした言い回しとは?
どうしてもできないことや、不可能であること印象付けたい場合は、ハッキリダメであることを伝えられる言葉で断るのも良いでしょう。ただし、その後の関係に支障の残らないように、相手と場面を読んで使用してください。
意志を伝えるハッキリとした言い回し
- 「そのご要望に関しましては、弊社では対応いたしかねます」
- 「お気持ちはお察しいたしますが、ご容赦願います」
- 「仰ることはごもっともでございますが、ご勘弁願います」
ハッキリとした言い回しでもクッション言葉を使えば柔らかくなる
ハッキリとした言い回しでも、その前にクッション言葉を使えばある程度柔らかくすることができます。あまりにぶっきらぼうに断ることにならないよう、こちらのフレーズも使ってみましょう。
注目ポイント
- • 恐縮ですが
- • 残念ですが
- • 申し訳ないのですが
- • 心苦しいのですが
- • せっかくのお話ですが
- • 検討させていただきましたが
- • お気持ちはお察しいたしますが
- • 仰ることはごもっともでございますが
- • そのご要望に関しましては
- • 今回の件に限りましては
ただし、「お気持ちはお察しいたしますが」「仰ることはごもっともでございますが」など、相手の意見に一旦共感するクッション言葉は、会話内容によっては逆効果になることもあります。例えば、クレームなどの相手の感情が原因での要望に関しては、共感する内容のクッション言葉は避けた方がよいでしょう。
断りを入れるまでの話の流れも重要
断りを入れるまでの話の流れも、スムーズな理解を得るために必要な手順です。具体的には、【期待や希望に感謝を述べる】→【できないと断る】→【理由を述べる】→【フォローを入れる】のような流れが相手にも伝わりやすいでしょう。文脈によっては、理由が先に来てもかまいません。また、フォローについては、「◯◯は無理だが××はできる」と言った代替え案がある場合に提案して見てください。
流れを使った断りの例文
例文①
- 先日はお足元の悪い中、弊社にお越しいただきありがとうございました。私といたしましても、誠に残念ではございますが、今回は貴社の製品使用を見送らせていただきたいと考えております。このたびの経営悪化により、新たな商品の販売より、従来品を
例文②
- この度は〇〇に関しての提案、誠にありがとうございました。弊社の特徴をご理解いただいた上で提案してくださったことが伝わってくる素晴らしいプレゼンテーションでした。しかしながら、今回は顧客を絞る目的で、貴社とご一緒するのは難しいと判断いたしました。現在はまだ若年層へのアプローチを想定していないため、貴社のアプローチされている年齢層への広告を検討するには時期尚早であると感じております。大変申し訳ございません。高齢者層へのアプローチを行われる際にはご連絡頂けますと幸いです。
ビジネスシーンで「できない」と断る際には言い回しやクッション言葉に注意を配る
ビジネスで「できない」と断る時の言い方や言い回しについてみてきましたが、いかがでしたか。日本人ははっきり「できない」と言えない傾向にあります。なので、「できない」という言葉がいろんな形に変化し、存在しています。ビジネスシーンではそのどれが一番良いのか、葛藤する場面もあるかと存じますが、場面や相手によって巧みに使い分けていただければ幸いです。
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