このままでは『自己実現』できないと思ったときの対処法
1、自己実現とは?
自己実現とは、自分がなりたい「理想の姿」に向かって努力し、見事それを実現することです。人生や仕事を通して実現されるもので、自分の持てる力を最大限発揮することでもあります。
マズローの自己実現理論も確認
心理学者アブラハム・マズローは、自己実現理論を提唱したことで大変有名です。その理論では「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定され、5段階の欲求が細かに定義されています。
注目ポイント
1、生理的欲求
2、安全欲求
3、社会的欲求
4、承認欲求
5、自己実現欲求
各段階の欲求は、下位の欲求が満たされて初めて生まれるのですが、自己実現欲求は最上位に位置しています。最上位の欲求だけ本質が少し異なり、下位4つを欠乏欲求、自己実現欲求を存在欲求とまとめるケースもあるようです。それだけ自己実現というのは、人間の普遍的な欲求だといえるでしょう。
2、自己実現は簡単じゃない
しかし現実には、思うように自己実現できる人はそれほど多くありません。人生の大きな目的であるにもかかわらず、自己実現を達成できないというのは悔しいでしょう。どうして自己実現はそんなにも難しいのでしょうか?欠乏欲求が満たされないこと以外にも原因が隠れています。自己実現できないリアルな原因を見てみましょう。
忙しさにかまけて…
第一に挙げられるのは、日々の忙しさです。忙しさにかまけて、夢や目標を見て見ぬふりする人はたくさんいるのではないでしょうか?誰かを見て「羨ましいな」と思うのは簡単ですが、なりたい姿を決めるのは意外と難しいものです。もちろん、時間をかけて考える必要も出てきますが、忙しいからといってそもそも理想の自分像を明確にしていなければ、自己実現できないのも無理はありません。
やりたいことをやるだけでもダメ
かといって好き勝手すればいいわけではありません。仕事に限らず、スポーツや勉強でも、一生懸命努力してから自己実現するまでには、たいてい時差が生まれます。納得いく結果が出るまでの過程で、ぐっと耐え忍ぶことが求められるのです。やりたいことに取り組むだけではなく、ふわっとした期間をいかに効率的に過ごすかも自己実現の成否を決めるでしょう。
自己実現には"基本"が欠かせない
自己実現できない人は、もう一度日々の基本的な心構えから見直してください。一つ一つの基本が時間を生み出し、曖昧な時間を効率的に活用するチャンスを生んでくれます。土台が必要なのは、まさにマズローが唱える自己実現理論と同じといえるでしょう。
3、自己実現に必要なもの5つ
①勤勉さ
仕事や勉強に一生懸命取り組む勤勉さは、自己実現に絶対に欠かせません。サミュエル・スマイルズの名著『自助論』でも、勤勉さの重要性は繰り返し述べられています。自己実現するために、ちょっとでも近道を通りたいと思うのは危険です。いい加減な気持ちで取り組めば、目的や目標が叶わないのも自然なことでしょう。ニュートンもウェリントンも、偉大な功績を残した人物は例外なく勤勉だったようです。
②感謝の気持ち
自己実現という文字からは、いかにも自分との戦いというイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし、自己実現のためには周囲の協力が欠かせません。たとえ自分一人の力で達成したように思える功績も、必ず陰で支えてくれた人の存在があるはずです。感謝の気持ちを忘れなければ、人間関係が良好になるほか、フィードバックからたくさんの発見ができます。
③時間厳守
もしも時間に遅れるようなことがあれば、「他人を適当に見ているから」と捉えられても反論の余地はないでしょう。感謝の気持ちを持っていれば、自然と相手の時間を尊重できるはずです。 逆に時間に厳しくなると、相手に迷惑をかけないばかりか、限られた時間の中で最大限の成果を出せるように工夫が生まれます。要するに、時間厳守によってユーモアセンスや創造性が培われるということです。時間厳守を徹底するだけで、棚からぼた餅のごとくメリットが手に入るといえるでしょう。
④観察力
周囲には単なる失敗に見える出来事も、注意深く観察すると、ひょっとしたら大きなヒントを隠し持っているかもしれません。このように、物事をどれだけ注意深く観察するかは非常に大切です。 また、色々なところにアンテナを張っておけば視野が広がります。視野が広がれば、自分の課題を正確に把握できるでしょう。結果的に、観察眼が鋭い人ほど、目の前の課題も速くかつ高精度に仕上げられるようになります。
⑤高め合う仲間
自己実現のあり方は人それぞれ、まさに十人十色ですが、人と高め合うことは双方にとってメリットがあります。高い目標に向かって努力する仲間がいれば、モチベーションも保たれるでしょう。 ただし、相手に気を遣って成長エンジンを緩めるのは不適切です。あくまでも自分は自分、他人は他人と考えてください。妥協し合ったり傷をなめ合ったりする関係ではなく、率直なフィードバックし合える環境が理想的です。もちろん、プライベートでの友人でも問題ありません。
4、とはいえ「環境」もやっぱり大事
ご紹介してきたように、自己実現のためには、自分自身の意識をどれだけ高められるかが大事になります。とはいえ、自分の意識だけでは足りないのも事実です。やはり環境にも大きく左右されます。 観察力があれば、自分の環境が適所なのかどうか見抜けると思います。是非、定期的に自分のいる環境を見つめ直してみましょう。
目的意識を持って働こう
何の目的も抱けないようなら環境では、どれだけ時間をかけても自己実現は一向にかないません。企業理念や事業ビジョンに共感できるのは大前提で、目の前の仕事に意欲を刺激されることが大事です。
切磋琢磨する仲間が大切
また、職場に切磋琢磨できる仲間がいないというのも考えものです。高め合う仲間は、プライベートにだけいればいいわけではありません。日々の仕事を通じて刺激し合える仲間(同僚や上司)がいなければ、ちょっと油断しただけで後退していまいます。
自分を犠牲にしすぎない
自己実現を果たす上で、奉仕の精神は重要な役どころを担いますが、決して自分を犠牲にしすぎてはいけません。他人に犠牲を強いるような環境では、ストレスが溜まり、人当たりも悪くなってしまうでしょう。ちなみに、ベストセラー『嫌われる勇気』のなかでも、他者貢献と自己犠牲は明確に分けられています。一度、他業種・他業界、他社を観察してみてください。自分のやりたい仕事ができないのは、ひょっとしたら不健全な社風のせいかもしれません。
自己実現を目指す人は改めて「意識」と「環境」を見直してみよう
自己実現と聞くと「やりたいことをやるだけ」とイメージする人もいるかもしれませんが、それは不適切といえます。日々の鍛錬が必要不可欠なのです。当たり前に思えることも、いざ実践しようとすると案外難しいでしょう。自己実現を目指すなら、改めて仕事に取り組む際の意識を見直してください。また、環境の重要性は意外と知られていません。観察力を磨いている人は、環境が適所かどうかも常に気にしているようです。
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