給与から諸費用を天引きする際に必要な同意書とは

2019年8月7日天引き

給与からは社会保険料などが天引きされる

Document 428335 1280

労働法では、給与は全額支給する事が定められています。例外として健康保険料などの社会保険料や所得税などの税金があります。他に天引きが必要となるケースが生じた場合には、それなりの手続きが必要となってきます。たとえ本人の同意があり同意書を作成したとしても、法的な手続きが必要となる場合も出てきます。

給与から天引きする際には同意書を取っておく事がおすすめ

例えば会社から従業員に貸し付けを行うケースを見てみます。従業員は返済の義務が生じるわけですが、これを本人の承諾を得ずに給与から天引きするのは問題が生じます。本人としては、給与を受け取った後で返済する事を望む場合があるからです。けれども、不払いをするリスクもある事から、賃金規定では天引きを認めています。このような場合でも念のために、天引きの同意書は取っておくと無難とされています。

労働者の代表と労使協定を締結すれば個人に対して同意書を取る必要が無くなる

例えば親睦費や積立金といったものを徴収する場合に、給与から天引きする場合には労使協定の締結が必要となります。労働者の代表と取り交わす事になるわけです。これを行っておく事により、個別の社員全ての同意書を作成する手間を省く事ができるわけです。この労使協定は労働局へ提出する必要は無く、会社で保管しておけば良いものとされています。

同意書はあくまで個人のもの労使協定は全体的なものになる

同意書は個人に署名してもらうものです。基本的には個人的な事由によって給与から天引きが必要となるケースが生じた時に作成するものとなります。対して積立金などのように、全社員が対象とはならなくても、希望により申し込みがあるものに対しては労使協定を結んでおけば、あとで個別に申し込みがあった際にもその度に同意書を作成するような手間を省く事ができるわけです。

同意書や労使協定は社員と会社どちらも守るものになる

労使協定も同意書も、給与から諸費用を天引きするために作成するものですが、これは将来訴訟などが起きた時への備えとしての意味合いがあります。そのために、たとえ口頭で本人の同意が得られているとしても、作成しておく事が行政から指導されるものです。その旨を従業員にも伝えておく事は必要となります。

同意書で済まされるケースは資格の費用の徴収など

例えば個人で資格を取る場合に、宅建のように会社から申し込みを行う事で費用を安く抑える事ができるものがあります。この場合には、会社から費用を支払うので従業員からその費用を徴収する必要があります。けれども後日払いという事で、その支払いがされないリスクもあるわけです。この場合、従業員数が少ないのであれば、個別に同意書を作成しておくのも良いものです。リスク回避としての効力を考えると、効果的なものとされています。

給与から天引きする際には基本的に労使協定や同意書が必要になる

給与から何かしらの費用を天引きする必要が出た場合には、本人との口頭での同意が得られているとしても同意書は必要となります。これは給与は基本的に全額支給する事と定められているからです。とはいえ、例えば会社からの借り入れがあるなど支払いをしないリスクがある場合には例外が認められています。とはいえ、後々訴訟問題などが発生した時に備えて、同意書あるいは労使協定を結んだ上で天引きする事を行政からは推奨されています。

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2019年8月7日転職

Posted by BiZPARK