「宛名なし」「上様」と書いた領収書の問題点と注意点

2017年7月6日宛名, 領収書

領収書の名前欄は「上様」や無記名の宛名なしでもいいのか?

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コンビニや飲食店などの小売業では、領収書での名前は宛名なしのものも認められますが、そのほかの領収書の宛名が、上様名義や、宛名なしでも認められるのでしょうか?

経費としての判定は宛名でなく事業との関連性で判定される

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経費としての判定は、領収書の宛名ではなく事業との関連性です。その為、仮に領収書の名前欄で、宛名なしで無記名・空欄であったり「上様」となっていたとしても、領収書の役割に変わりはありません。

特定の業種「だけ」が無記名・空欄を法律で認められている

消費税法第30条及び施行令49条で「書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称」は、その記載金額が3万円未満である場合や小売業、飲食店業、写真業および旅行業などの特定の業種では、3万円以上でも宛名なし、無記名・空欄でも良い事になっています。ですから、慣習的に上様や、無記名・空欄の「宛名なし」でも効力があるそうです。

領収書で「上様」や宛名なし・名前なしにする際の問題点

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以上見てきたように、領収書の宛名を、無記名・空欄で出したり、上様にするのは、特定の業界でのみ可能な事が分かりました。では、もし本当に「上様」や無記名・空欄の「宛名なし」にした場合、どんなデメリットがあるのでしょうか。

支払った側が特定できない場合がある

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法令上「○○でなければならない」という規定はありません。ただし、宛名で所謂「上様」領収証や、無記名・空欄の領収書は好ましいものではありません。というのも、領収金額を支払った側が特定できない事で、

■「二重の支払いの請求防止」ができない

■税務調査などで否認されるなど先方に迷惑のかかる恐れがある

■紛失した際に悪用される恐れがある

これら3つのデメリットが生じるからです。

会社の経営姿勢を問題視される場合もある

社会通念上からも「上様」の領収証や、他にも宛名なし・自分の名前や社名なし、無記名・空欄の領収書が経常的に発行されていたとなると、御社の経営姿勢も問題とされかねません。領収証を受け取る場合も、無記名・空欄ではなく社名や自分の名前がきちんと記載されているかどうかを確認しましょう。

領収書はなしでも大丈夫なのか?

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最近では、インターネットで商品を購入する事も珍しい事ではなく、ネットショッピングでは領収証が手に入らないケースも多々あります。その場合は、購入した事が仕事に関係しているという書類を用意して、説明する事ができれば経費になる事もあります。

領収書でなくてもレシートなら一目瞭然

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いまや証憑の王様は領収書ではなく、レシートです。レジが普及した結果、レシートが出ないお店が極端に少なくなりました。その上、POS(Point of saleの略)レジといって、金額だけでなく、どういった種類の商品を買ったのかまで表示される事も多くなってきました。

領収書に「お品代」と書いてあっても何を購入したのか見当がつきませんが、レシートなら一目瞭然です。空欄の領収書よりも、詳細が分かりますね。

レシートの方が情報が多く優れた証拠になる

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経費精算を行う時、基本的には「取引の書類は残さなければいけない」とされています。しかし、取引の書類が領収書でなければいけないというルールはありません。そもそも、世の中には領収書が発行されないケースは多々あります。 近所のスーパーで文房具を購入したときはレシートが発行されるだけです。電車やバスなどの公共交通機関を利用したときなどでは、切符は回収されるので記録すら残りません。そのため、実際には領収書なしでも経費は認められるのです。

領収書の宛名は自分で書いてもいいのか?

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それでは最後に、宛名を自分で書いていいのか、という点を見てみましょう。お店で「領収書を下さい」と言って、「自分の名前(宛名)は、自分(私)が書きます」と言うと、そのまま宛名を書かずに渡すお店、「ここで書いて下さい(ペンを渡す)」と言うお店、「ではこちらに書いて下さい(メモ用紙)」と言う3パターンがあります。どれが正しいのでしょうか?

領収書は正式な書類だから自分で書くのはNG

原則はNGです。しかし、領収書をもらう際、店側が最初から「上様」と書いてきてしまう場合が稀にあります。こうしたやむを得ないケースでは(積極的には言えませんが)、経費としてギリギリ認められる事もあります。

ただし、金額的に大きい領収書については宛名を書いてもらうよう注意しましょう。宛名なしにしてもらって、後から自分で書き込むのは駄目です。

自分の名前や社名をメモで渡して書いてもらおう

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領収書は正式な書類ですので「もらう側が自分で書く」なんてのは論外です。そんなのOKして未記入で渡したらいくらでも偽造できてしまいます。 領収書の控えに名前だって残りませんし、本来は渡す側が書かないといけませんので「上様」でもらうか、 「メモ」に書いたのを渡して書いてもらうかどちらかでしょう。

領収書の「宛名なし」は原則NGなので経費申請のためには空欄・無記名はやめよう

本ページでは、領収書が宛名なしや「上様」でも経費申請は問題ないかどうかについて見てきました。

社名や自分の名前なしの領収書でも、経費扱いになる事はありますが、不適当な宛名を書かれ、領収書を悪用されると店側がトラブルに巻き込まれる可能性があります。無記名・空欄を避けるとともに、会社名称や自分の名前は、具体的に書いてメモで渡すようにしましょう。

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2017年7月6日ビジネス

Posted by BiZPARK