お電話という言葉は敬語?正しい使い方とテクニック
お電話は正しい敬語なの?
目上の人や、立場が上の人の行動を説明するときに使うのが尊敬語であり、直接目上の人や取引先と連絡を取る際に相手を立てる意味で自分の立場を一歩引いたものにするのが謙譲語です。双方とも同じ敬語ですが、誤用が多く、正しい使い方が難しいため混同しがちなものです。特に、「お電話」や「ご連絡」のように頭に「お」や、「ご」をつける場合、あまり多用すると二重敬語になって正しい敬語とは言えず、かえって失礼になってしまうケースもあります。
時代の流れで誤用が広まるため敬語は使い方が難しい
「お考え」や、「ご意見」のように謙譲語では良く使う表現であっても、自分から電話をするのに「お電話差し上げます」等と表現するのは違和感があると言う人もいます。逆に、「お電話いただく」と言った形ならしっくりくる人も多いかと思います。時代の流れによっては誤用が広まり意味合いが変化する場合もありますが、今回は「お電話」はどのような場合に適しているか探っていきます。
お電話は尊敬語と謙譲語の両方を兼ねている
実は、「お電話」と言う表現は、尊敬語と謙譲語の両方を兼ね備えているのです。先ほどの例で挙げれば、先方が取引先や上司の場合、「お電話いただく」は尊敬語に当たります。また、こちらから電話をする際でも、相手が尊敬の対象であれば「お電話差し上げます」の「お」は相手に敬意を表してのものとなり、謙譲語に分類されるのです。
お電話は言葉を丁寧にするための美化語でもある
また、言葉を丁寧にするための美化語と言う分類も存在し、語感を柔らかくするためにも使われています。ただ単語として電話を指す時も、単に電話というよりもお電話と表現した方が響きが良く、丁寧な印象を受けます。「お」や「ご」は汎用性が高く、色々な範囲で使われているのです。そのため、単純に謙譲語か尊敬語かと分類するのが難しく、文脈や状況によって使い分けるのが正しい用法と言えます。
大切なのは正しい敬語を使うことだけでなく気持ちが伝わること
日本語として正しいか、ということを追求した場合も、「お電話」は非常に広い範囲で使えるのですが、すべての人が正しい敬語を覚えているわけでもないのも社会の難しさです。書類などの文面ではもちろん正しい日本語を使う事が大切になりますが、敬語の重要な部分を取り違えて覚えている人も多いのが実情で、実社会に出ると正しい敬語を使っていても、会話が食い違う事やすれ違う事はどうしても出てきます。「お電話」と言う表現に違和感を覚える人もいるかもしれません。
相手の会話の個性を見極め適切なコミュニケーションを
会話の癖はその人の個性であり、正しい正しくないではなく、気持ち良くコミュニケーションを取ることが重要な場面もあるのです。また、多少敬語が崩れていた方が、フランクで親しみやすいと言う方もいます。初対面ではもちろん相手の事がわからないので、なるべく正しい敬語を使うのが好ましいのですが、良くお話する取引先の相手とは、意図的に正しい敬語を使わずに、崩した会話をするということも心をつかむ重要なテクニックです。
「お電話」は正しい敬語だけど相手によって使い方を考えよう
言葉の重要性は相手と自分との関係性や、個性によっても左右される部分があります。その中でも「お電話」は比較的メジャーで、自由度が高い言葉であり、日本語や敬語として間違いになる事は比較的少ない表現です。第一印象が大切なこともあるため、正しい敬語を使う事も大切ですが、親しみを込めてあえて崩す関係もあります。発音の仕方によって、同じ言葉でも印象が変わるものなので、コミュニケーションの1つとしてお電話という言葉に感情を込めるのも好感を得るポイントになります。
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