退職勧奨に合意した場合に得られる失業保険でのメリット
退職勧奨とは合意のうえで退職を勧めること
退職勧奨とは、経営方針の転換や人件費削減を目的として、企業側から解雇という方法ではなく、従業員自らの意思を反映させて「退職してくれませんか」と仕向ける事を意味します。
退職勧奨においては労働者との合意が成立しない限り、強制的に退職を迫る解雇という措置は取れません。
会社都合退職のため失業保険の申請の際に有利
退職勧奨に合意して退社する場合、自己都合退職ではなく、会社都合退職として処理されますので、失業保険を申請する際にもメリットがあります。
また、企業も解雇という形での退職にはあたりませんので、解雇通知を告げた日数で決まる30日分の解雇予告金を払う必要もなく、双方にとってトラブルが起きない円満な退職制度です。
退職勧奨の合意によって、失業保険などで得られるメリットについて考えてみましょう。
退職勧奨を合意した後の失業保険におけるメリット
退職勧奨による合意で退社して失業保険の申請を行う場合、退職勧奨は会社都合による退職になります。自主都合退職とは違い、会社都合退職になると、失業保険においては大きなメリットがあります。
待機期間・支給額・失業保険の給付日数が長くなるなどのメリットがある
失業保険が支給される開始日までの待機期間、毎月支給される支給額、給付日数などで大きなメリットがあります。待機期間においては、自主都合退職と比べると3ヶ月も差があります。
退職勧奨で退職した場合は、基本的な退職金の計算方法で算出された額に、退職金を上乗せして支給する企業もあり、特別に支給される退職勧奨退職金があります。言わば退職勧奨で退職を決断してくれた労働者に対する、雇用主からのお礼の気持ち分が少し上乗せされての支給です。
また、助成金制度を受けている企業でも、退職推奨による合意の退職は解雇と見なされず、ペナルティーはありませんので即解雇ではなく、退職勧奨から始める企業が多い傾向があります。
企業が退職勧奨を行う理由
退職勧奨に合意し、失業保険の給付を受けながら他の仕事を探そうと考えるに至った労働者にも、様々な思いが見られます。自分の実務経験や資格、免許を活かしてキャリアアップを計るため、ただ職場環境に馴染めなかったり遅刻や欠勤が多くて周りの目を気にして退職勧奨に合意したなど、その理由は様々です。
退職勧奨の目的は人件費の削減から再構築を図るため
退職勧奨の最大の目標は、企業が掲げた募集定員全ての方が退職されて、まず人件費から削り経営方針の見直しや再構築を計るためです。多くの大手企業でも実施されています。
退職金の上乗せと、失業保険で受ける待遇は好条件ではありますが、退職しないといけない法律も義務もありませんので、当然拒否することも可能となります。
退職勧奨に合意すると失業保険で支給額と期間に関する大きなメリットがある
退職勧奨は企業側が人件費削減、労働者側は失業保険の優遇など、双方にメリットがありますが、合意が成立しない限りは退職を強要される事は決してありません。
また、退職勧奨で退職された場合は会社都合退職となるため、失業保険でもメリットがあり、次の就職先が見つかるまでの活動資金として利用することが出来ます。企業の現状を知り得る事にもなりますので、何の目的で退職勧奨が行われるのかを十分理解した上で後悔しない退職勧奨となる事が望ましいです。
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