健康診断の結果を会社に知らせないといけない決まりと理由
健康診断の結果は会社に提出しなければならないのか
会社で従業員として働きだすと、年に一度健康診断を受けます。以前でしたら、その診断結果は自動的に会社に送られて、会社の管理部が目を通してという流れになっていましたが、近年は個人情報に厳しくなったので、会社を通さずに病院から直接従業員の元へ診断書が郵送されるというケースが増えてきました。
診断結果は個人情報ではないのか
その際、従業員本人が診断結果に目を通した後、会社側が診断書を回収するようになります。その時に、健康診断書は個人情報だから会社に提出したくないと考える人がいてもおかしくありません。
確かに個人情報を公開しない権利が従業員にはありそうですが、会社が行った健康診断の結果を会社が知りたいという思いも当然だと言えますよね。
会社と労働者との契約上、健康診断の開示は当然
一般的な個人情報の問題の場合とは違い、会社側と従業員の場合は「労働契約を結んだ関係」です。会社側としては、従業員の健康は仕事上重要な問題なので結果を知っておきたいと思うのは当然です。
それは病気だからクビにするという問題ではなく、事前に知り、入院が必要になった際などに、素早く対応できるからです。
健康診断は一般的なプライバシーとは取り扱いが違う
そもそも、会社が年に一回、健康診断を行うのは労働安全衛生法という法律で決まっています。そしてその法律には会社への「健康診断の実施の義務」と「健康診断の結果を従業員に伝える義務」が記されています。
すなわち、「会社側が健康診断の結果を知ることを前提」とした法律であるとわかります。
法定項目以外の健康診断結果はプライバシー範囲内
ただし、労働安全衛生法で決まっている法定項目以外の健康診断である婦人科の健診などの結果はグレーゾーンで、会社がその診断を実施する義務がありません。
それは逆に言えば、従業員がその診断結果を知らせる必要がない検査と言えるでしょう。
健康診断の結果報告について事前に確認する
会社の健康診断を受ける前に考えを整理しておきましょう。健康診断の法定項目の受診と結果報告は従業員として認めること、そして法定項目以外の特別検診を受けるかどうかは自分次第です。
受診をした場合は、会社に報告する必要が生じる可能性が高くなります。そのため、会社の健康診断で特別検診を受けて結果も会社に報告するか、特別検診に関しては自分で個人的に検査するかを考えて、会社側にも事前にその旨を確認しておくといいでしょう。
会社に健康診断の結果を報告するのは当然!事前に認識しておこう
健康診断の結果は、もちろん個人情報なので大切なものです。しかし、会社と従業員という契約を結んだ関係であり、そもそも会社側も法律に従って健康診断を実施していると考えれば、検査報告を会社に報告するのは仕方がないと言わざるを得ません。
ただし、特別検診など法律で決まっていないものに関しては自分の判断で診断を受けないのも可能ですので、ぜひ会社側に確認をとってみましょう。
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