【本質を知ろう!】 労働組合の現状から見られる問題点と将来像
労働組合の意義を見直す時期に来ている
日本の企業の特徴として昔からいわれていた年功序列制や終身雇用制は、以前の日本企業の典型的な姿であったとともに、労働組合の存在意義にも直接つながる、日本独特の特徴でもありました。会社側と労働者側は、企業としての目標を達成するために、調整・交渉しつつ、折り合いをつけて協調していく必要があり、交渉することで一緒に前に進める=企業として前進することができていたのです。もちろん現在でもそれはいえることではありますが、これだけ社会情勢が変化している今、その意義を見直す時期に来ているのではないでしょうか。
現在の労働組合は機能しているのか
以前は交渉決裂による労働者側のストライキも頻繁にありましたが、現在はほとんどないような印象が見受けられます。労働条件も、かつての交渉結果を維持することはできても、企業自体の体力が落ちてきているといわれている現在、権利ばかりを主張することははばかれていて、結果的に労働組合は形骸化しつつあるようです。
労働組合の問題点
現時点の労働組合の問題点として、「形骸化しているのではないか」という仮説をたてたとして、その原因(根本的な問題点)を探ってみると、やはり昨今言われ続けている「企業自体の弱体化」にいきあたります。これを解決しないことには、副次的に発生している「労働組合の形骸化」も解決できないといえるでしょう。
問題解決への糸口
会社側と、労働者側は、それぞれの立場で「企業自体の経営状態の向上」、すなわち「利益向上」を目指せるよう、共通の目標を持つことがまず先決です。利益の向上を実現したうえで、利益の分配について両者が交渉していくのが正常な姿であり、形骸化を改善する第一歩になるのではないでしょうか。
労働組合の将来の姿は?
現在の不況においては、労働者の精神的なよりどころや、安心して暮らせるための権利主張というところは、経営者側も労働者側と一緒になって考慮しなければならない共通課題であり、この考え方がなければ利益向上もままならないのではないか、と考えられます。
プロジェクトとして機能していく
こういった背景をもとに、労働組合の将来の姿を考えてみると、企業におけるプロジェクト的な位置づけが望ましいのではないか、と考えられます。利益向上のための案件について、達成すべき目標を具体的に経営者側と合意しつつ、プロジェクトメンバー全体(労働者全体)を牽引していくような存在として機能させる、といった方向で進めていくべきです。
現状の問題点を解決し労働組合も変化していく必要がある!
現在の不況下、経営者側も労働者側も、「利益向上」という共通の目標に向かって歩いていかなければ、企業自体の存続もままなりません。企業あっての経営者であり、労働者でもあるので、両者は、現状のような硬直した関係ではない姿に変わっていく必要があると考えられます。労働組合が抱える問題点の本質は、まさにここにあるのです。
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