労働組合におけるスローガンと春闘の意義
労働組合が会社と交渉するのが春闘
二月から三月にかけて全国的に「春闘」が行われます。翌年度を前にして、労働者の環境改善を求めて労働組合が会社と交渉を行います。もともとは各企業がバラバラに行っていましたが、全国全業種の会社が一丸になり戦う事で、交渉がうまくいきやすくなるという考えから一斉に行われるようになりました。
労働組合は業績の良い会社を最初の交渉対象とする!
春闘の交渉はまずは、その年の業績が良かった業種の中の大企業から行われていきます。最初の会社の交渉の結果が、その年の春闘のトレンドを決めるので企業からも労働者からも注目されます。そのため交渉が通りやすい、業績の良い会社からスタートするのです。
スローガンの意義は企業の理念等を「簡潔」に表す点にある
春闘で会社と争うに当たり、労働組合は「スローガン」を決めて戦います。スローガン意義は、企業の理念、運動の目的などを「簡潔に」表現する点にあります。この簡潔さは政治活動上でも意義があります。例えば小泉政権時代の「改革なくして成長なし」など、スローガンは人々に訴えやすく、「簡潔さ」にはとても意義があるのです。
スローガンがあると活動が盛り上がる!
例えば関西合同組合のスローガンにはこんなものがありました。「最低賃金の大幅アップを!」、「生活防衛・大幅賃上げ勝ち取れ!」、「1%の利益でなく99%の利益と幸福を!」、などです。このようなスローガンは盛り上がりの点でも有意義です。また労働組合が春闘で何を勝ち取りたいのかがよくわかる点でも当然意義があります。
同じ会社でも労働組合は一つとは限らない
一つの会社に一つの労働組合の場合は、このスローガンを旗印に一致団結して頑張ろうとなるのですが、大企業の場合は労働組合は一つとは限りません。ある労働組合は「会社の利益を守ろう」と叫びますし、もうひとつの労働組合は「大幅賃金アップを勝ち取れ!」と叫ぶ場合は、目的がまるで違ってきます。まさに選挙の時の駅前のロータローのような状態になります。を
スローガンでどこの労働組合員になるか選ぼう!
政治の世界の保守派と改革派のように、会社擁護派と労働者擁護派などが入り混じっているのが大きな企業の労働組合なので、一筋縄ではいきません。なので、自分はどの労働組合を支持するのか、またはどの労働組合員になるのかなどを選ぶためにも、スローガンをしっかりと聞いて判断材料にしたほうがいいでしょう。
労働組合のスローガンは主張を一瞬で共有する点に意義がある!
労働組合のスローガンは主張を一瞬で共有する点に意義があります。春闘の季節に、会社側から労働者の権利を勝ち取るために戦おうと意気込んでいても、途中で何を勝ち取るのかわからなくなっては意味がありません。だから労働組合はスローガンを作ります。スローガンの意義とはそこにあるのです。今自分たちは何のために戦っているのか、具体的には何を勝ち取ろうとしているのかを声高に叫ぶことで一体感が生まれ、交渉も有利になるというものです。自分たちが所属している労働組合のスローガンを一度きちんと聞いて理解してから春闘に臨みましょう。
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