春闘ほど知られてない「秋闘」も実は労働組合の重要な活動!
春闘ともうひとつの労働組合の活動「秋闘」
労働組合の活動である春闘はよく耳にしているかと思います。もうひとつ、秋闘という活動については知らない人の方が多いでしょう。春闘に比べて秋闘が注目されないのは、はっきり言って給料面での交渉をしていなからです。ほとんどの労働組合の組合員は、熱心に労働組合の活動に参加しているわけではありません。
そのような組合員にとって、現在の労働環境の改善はほとんど微々たるものでしかなく、春闘のような給料面で劇的に影響がなければ、気にかけるようなものでもないからです。また、専従職員がいる労働組合のしっかりしている企業以外では、秋闘すら行わないことがほとんどです。
春闘以上に労働組合も興味を持たない秋闘
春闘は給与面での交渉を行います。それに対して秋闘では、労働環境や福利厚生面での交渉を行いますが、現在では各種の法整備によってほぼすべて一定の法規制がされています。労働組合を持っているような企業であれば、法に則った労働環境の整備は既に済んでいるところがほとんどです。
そのため、労働組合自体、秋闘の時期に労使交渉をしようと考えるところも少ないのです。春闘が知れていて秋闘が知られていないのはこのためですね。
春闘とは色の違う秋闘でのストライキ
春闘や通常の労使交渉でストライキとなることもありますが、秋闘でもストライキになる例もあります。特に、今でも労働組合の活動が活発である鉄道系や医療系では労働環境の改善を求めてのストライキを行う例もあります。春闘のストライキとは少し色が異なります。
秋闘では春闘と比べて細かな要求をする場合が多いので、企業側との対立が生まれやすかったり溝が埋まらず交渉が決裂するこケースもあるからです。
春闘ではなく秋闘だからできる要求も
秋闘では、春闘の際には後回しにされがちな、福利厚生などの細かな要求を行うのが通例です。これらの要求の中には、職場の細かいルールや労働場所といった企業側には受け入れがたい要求も含まれる事が多くあります。場合によっては冬季ボーナスを要求することもあり、春闘にはない秋闘ならではの要求を労働組合が行います。
労働組合自体が形骸化
このように秋闘でも労働組合の出番はありますが、近年では労働組合そのものが形骸化しつつあるところが多く機能を十分に果たしているとは言えません。労働環境の整備などでは交渉するような余地が少ないのも理由の一つです。
労働組合への不信感
労働組合という存在そのものに不信感を抱いている組合員や社内外の人間が多くなっているのも労働組合が形骸化した理由に挙げられます。秋闘で交渉内容に挙げられるものの多くは組合員にとって大きな利益となるものが少ないにもかかわらず、労働組合に協力する必要があったりストライキを行うなど理解を得にくいためです。
労働組合そのものが弱体化した理由も、過激化や暴徒化を経て社内外の人間に愛想をつかされ理解を得られなかったためでもあるのです。
春闘ほど知られていない労働組合の活動「秋闘」も意外と重要!
秋闘の時期になって労働組合の会報などで秋闘をしていたということを初めて知る人も少なくありません。それどころか、秋闘をやって得られた成果はほとんどないということもしばしば。現在ではやる意味があるのかすら怪しい労使交渉に見えてしまうこともあります。ですが、労働環境を改善したり福利厚生面の要求をしたり、といった意味があるのだと考えて、春闘だけではなく秋闘を見守ってみてはいかがですか。
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