会社への裏切り行為?転職による退職=悪という古い考え方
転職理由に退職する事をどう捉えれば良いのか!?
転職は会社への裏切りなのか。これを考える上で、転職というのがどういうものなのかおさえておきましょう。
会社は利益を追求する存在ですから、どういう理由であれ損害を与えるのは良しとしないもの。
でも社員個人にとっては、転職は人生における大切な選択です。
とはいえ、転職は組織の人員に大きな穴を開けるだけでなく、同僚・上司に少なからずショックを与えてしまいます。
その点で、日本の社会では転職=裏切りのように受け取られる場合はまだ多く、退職日までにお互い嫌な思いをするケースもあります。
良い転職と悪い転職の違いとは…
転職には「良い転職」と「悪い転職」があると知っておきましょう。
具体的には
・目的観がはっきりしないままの「何となく転職」
・上司や環境でも変えれば何とかなるだろうという「安直転職」
・自分の居場所はここじゃないと短気を起こす「逃避転職」
・漫然と自分探しに出たいという「青い鳥転職」
・次に進むべき展望が明確な場合の「クリア・ビジョン転職」
・現職・現環境でやるべきことをやり尽くしてもっと大きな舞台を求める「成長転職」
・抗し難い情熱があり、ハイリスク覚悟でも飛び込みたいという「清水の舞台転職」
といった内容です。 良い転職でないと、自分にとっての引け目が大きくなりますし、悪い転職であれば転職が会社への裏切りと受け取られる可能性は高くなり、不要なトラブルを招く要因になります。
転職は自分で背負うリスクを決める行為
転職の捉え方は人それぞれですが、どの転職にとっても共通しているのは、自分で背負うリスクを決定する行為だという点です。
内定をもらった会社に転職したとして、新しい環境で一からコミュニティを作りあげる訳ですから、大きなエネルギーを消耗します。
そこまでしても、あなたにとって満足いく会社かどうかはわかりませんし、これからというときに「やっぱり違う」と思う可能性だってあります。
そういったリスクを自分で背負えるのが、転職を行う最低条件です。
転職では辞められると困る会社側の思惑も絡む
厳しい雇用情勢が続く日本社会では、会社を辞めたくても辞めさせてくれないという問題が大きくなっています。
なぜ、社員を辞めさせない企業が増えているのでしょう?
退職を巡るトラブルの相談に応じてきた専門家は、長期化する景気の低迷で、企業がゆとりを失っていることが原因だと指摘しています。
転職をされると企業も痛手を負う
転職が前向きなものであれば、個人にとって大きな飛躍になる可能性がありますので、是非次の目標に向かって進みたいものです。
しかし、会社の雇用状態などによっては、どうしても退職者が出ると業務に支障がでるところがあります。
労働者に退職されると、当然ながら雇用側は損失をこうむるわけですから、あまり快くは思わないでしょう。
そういった点から、転職には労働者側の強い気持ちや覚悟が問われると思ってください。
裏切りの定義とは…
転職は会社への裏切りなのかを考えるうえで、何をもって裏切りとなるのかについて、考えてみましょう。
裏切りとは、約束や同盟関係を捨て相手に寝返る等の行為や、想像とは違った、もしくは期待外れな事象に対し用いられる言葉です。
裏切り行為は、老若男女・古今東西を問わず最も怒りをかきたてるものとして知られている。 刑法においても、あらゆる国家において国家への裏切りは最高刑かそれに準ずる刑を課される。
とあります。企業が裏切りと感じる可能性があるのであれば、期待外れな事象であったかどうか、で考えるのが妥当かも知れませんが、そうはいかないのが日本の慣習なのです。
転職=悪という意識は日本型雇用の悪癖
転職が、会社への裏切り行為のようなネガティブなイメージが付きまとっているのは、戦後の高度経済成長期から慣行としてきた終身雇用制の下で、労使間が暗黙のうちに結婚にも似た“永遠の誓い”関係を前提にしてきたからでしょう。
つまりそこでは「別れは約束破りであり、悪である」という意識が芽生えるわけです。
そう考えると、転職の理由がどうであれ、会社は労働者に裏切られたと捉えてしまうと考えた方が良いかも知れません。
転職は会社への裏切りか否か考える
何か法律をおかしているわけではないのに、退職を考えて、転職活動中はなぜか凄く後ろめたく、罪悪感を感じている人も多いようです。
もちろん、会社には事情があり、なかなか胸を張って動けないのが日本の現状というのはありますが、結論として、転職は会社にとって裏切りになるのでしょうか。そして私たちは、どうすれば後ろめたさを乗り越えられるのでしょうか。
転職は“巣立ち”と考えよう
任された仕事をこなし、ルールを守るのは会社員として大切な意識ですが、別の仕事を探す、或いは別の仕事と現在の仕事を比べるのは、会社員の当然の権利です。
転職活動は通常秘密に行うべきものですが、それで決して後ろめたさを感じる必要はありません。
良い転職は、会社への裏切りではなく巣立ちなのです。転職後も、もとの会社やもとの上司・仲間たちと良好な関係を維持するのは、全く可能なものです。そのことで、会社に恩返しできるケースもたくさんあるでしょうから、結果的に良い転職であるならば、転職に罪悪感は不要です。
転職は会社への裏切りではなく自分の巣立ちの時と考えよう!
転職は会社への裏切り行為!?退職する事のリスクと心構えを、今回は紹介してきました。
転職が会社への裏切りになるかと考えたとき、常識範囲外での転職活動や、同業者間での転職の場合なら、会社は裏切りだと思うでしょう。
ですが、きちんとルールに則り、転職するのであれば、自分自身のステップアップのためのものです。あくまでも自分のために、より良い道を選択するのは裏切りには当たらないと割り切り、巣立ちに向けて覚悟を決めましょう。
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