セクハラを受けて辞めたいと思った時の転職準備

2016年11月29日2020年3月31日セクハラ, 退職

セクハラがあっても退職には1～2ヵ月かかるのが一般的

法律では退職すると宣言してから、2週間で退職できると定められています。しかし、就業規則で1ヵ月前に申し出ること、などと決められていればそちらが優先される可能性があります。

また、セクハラ被害を受けてすぐに辞めたいといっても、自分がいきなり辞めて困るのは、セクハラをしてきた社員ではなく、新しい担当になった同僚や取引先となると罪悪感を持ってしまいますよね。セクハラで辞めたいと、すぐに転職を考えても、引継ぎなどで最低1～2ヵ月はかかる例が多いようです。

民法によればやむを得ない理由がある場合は即座に退職できる

民法第628条によると、期間の定めのある労働契約であれば、セクハラやパワハラといったやむを得ない理由がある場合があれば辞めたいと思えばすぐに辞められるとされています。正社員にはすぐに辞められると決まりの法律はないのですが、セクハラなどの心身に悪い影響がでる場合は、緊急避難や公序良俗といった法律の一般原則から、辞めたいと思ったらすぐに退職できる可能性もあります。

いきなり辞めると後処理が大変

可能であれば、引継ぎなどをしてから辞めた方がいいですが、どうしても耐えられず、すぐに辞めたい場合もこの法律によってあなたが責められることはありません。 しかし、事務手続きなどは面倒になってしまう可能性はあります。セクハラをしてくる社員がいる会社が悪いとはいえ、いきなり辞めると後処理が大変になるのは覚悟しておいた方がいいでしょう。

勤務期間が短い退職の場合は転職の際に注意が必要

セクハラが嫌で辞めたいと思うのなら、転職についても同時に考えなければいけません。辞めたいという気持ちが抑えきれず、突発的に辞めてから転職活動をした場合、うまくいかなかったときに金銭的にも精神的にもかなり辛くなってしまうでしょう。退職理由がなんであれ、すぐに辞めてしまったのであれば、退職を繰り返すのではないかと転職先からのチェックも厳しくなります。こういった点も覚悟が必要です。

転職市場で「3年間の経験」が目安になっている

求人内容をみていると、応募条件に「〇〇の経験3年以上」と書かれているものが多くあります。それは、「3年その仕事をしていれば、一通りの業務は身についていて、一人でこなせるだろう」と企業が判断するからです。

入社してからセクハラを受け始めた時期はそれぞれでしょうから、転職時期まで我慢するわけにはいきませんよね。もし、勤続年数が短いときに辞めたいと思ったのであれば、その後の転職で勤続年数がウィークポイントになり、フォローする必要があることは意識しておかないといけません。

転職の面接で退職理由がセクハラだと正直に伝えるべき？

セクハラが原因で辞めたいと思い転職する場合、その転職理由を正直に伝えるのか、というところもしっかり決めておいた方がいいでしょう。転職活動では、前の会社を辞めた理由をスキルアップのためなど、前向きに伝えるのが基本とされています。しかし、セクハラが原因で辞めるのにその事に触れないのは腑に落ちないという気持ちもあるでしょう。自分に非があるわけではないのですから、その気持ちは当然ですし、面接官によっては退職理由を気にしないという人もいます。転職理由は正直に伝えるべきなのでしょうか？

転職先でどう貢献できるか伝えられれば正直に言うのもアリ

転職では退職理由よりも「これからどう会社に貢献してくれるか」ということのほうが重要視されます。そのため、セクハラが理由だと正直に伝えても、会社にとって有益であると判断されれば、そうマイナスにはなりません。転職理由はポジティブが基本ですが、このように、例外的に正直に話すのもアリでしょう。

セクハラを受けて辞めたいと思ったら退職時期を決めてマイナス印象にならない転職対策を進めよう

セクハラを受けて辞めたい、転職したいと思ったらまずは退職時期を決めましょう。セクハラを受けている状態は人それぞれだと思いますが、可能であれば、引継ぎや事務手続きなどを終わらせて普通に退職するのがベストです。しかし、即座に辞めたいと思っている状態なのであれば辞めてしまったほうがいいでしょう。転職にはスキルがあり、会社にとって有益な人、トラブルを起こさない人が求められます。セクハラの被害者であっても所によっては色眼鏡で見てくるところもあるので、気持ちで負けないよう、自分がどんなスタンスで転職活動をするのか決めて、貫く覚悟をもつことも重要です。