セメント業界の動向と大手企業でもらえる平均年収
セメント業界はオリンピック・再開の恩恵を受け好調
セメント業界の動向を見ていきましょう。まず国内セメント業界のシェア35%を占めている太平洋セメントを筆頭に、宇部三菱セメント、住友大阪セメントの上位3社で国内シェア約8割、5社で約9割を占めている典型的な寡占業界だと言えます。セメント業界は、2020年の東京オリンピックに向けたインフラ整備、インバウンド影響による観光施設建築や豊洲などの都市再開発の恩恵を受け、活況に沸いている動向がわかるでしょう。セメント業界での就職を希望するなら、この動向からもわかるように期待が持てると言えます。
収益が向上した要因の1つはコスト構造の改革
セメント業界の動向を見てみると、オリンピック需要に関わらず好調な様子がうかがえます。地区別セメント販売数量は九州・東北地方などの各地で、業界の活況ぶりが全国規模で広がっているセメント業界の動向を表しています。需要の増加・成長性・収益性を向上させた背景には、リーマンショック後の低迷期に、複数の工場閉鎖と人員合理化という大リストラを断行し、固定費を削減するコスト構造改革があったからだと言えるでしょう。それにこの需要の増加が重なり、セメント業界の動向は好調だと言えるのです。
セメント業界における大手企業の平均年収788万円程度
セメント業界の動向を見ていると好調な様子がわかりますが、セメント業界で働く社員はどれくらいの年収を貰っているのでしょうか。セメント業界の大手2社と言えば、太平洋セメントと住友大阪セメントが挙げられます。まず、太平洋セメントですが、平均年収は788万円(平成年26年)です。平均年収の推移を見てみると昨年よりも上がっており、これは業界の動向に比例して収入も高くなっていると言えるでしょう。20代のうちは400万円程度ですが、年齢とともに上がっていくのでセメント業界の今後の動向にも注目して見ておくのがおすすめです。
住友大阪では年収480~600万円が期待できる
セメント業界の動向をもう少し知るためにも、住友大阪セメントの年収なども確認しておきましょう。住友大阪セメントの30歳の平均年収は480万円程度となっています。やや平均的だと思うかもしれませんが、何かしらの役職についていれば年収600万円程度が期待できるのです。業界の動向からもわかるように、活況ぶりは年収にも反映されると言えるでしょう。
セメント業界の課題は生産・物流設備の巨額な更新・改修費用
セメント業界の動向や平均年収を見てみると、好調な印象を持つでしょう。しかし、課題が多いのも事実です。リストラなどにより構造改革、収益率の増加は実現されましたが、セメントの材料を供給するメーカーの生産・物流設備などに巨額な更新・改修の費用が必要となっている課題があります。この課題に対しても向き合っていかなければ、業界の動向が良いとしてもついていけない可能性があるでしょう。
オリンピック後は需要が落ち込むと予想されている
オリンピックや国内の大きな地震に向けての改修工事、震災の復興などセメント業界の動向は需要が高まると期待できるでしょう。しかし、オリンピックなどが終わった際には国内需要が大きく落ち込むとのも予想されています。プラス要因は多いと言われていますが、その後を考えなくては業界の本当の動向はわからないでしょう。セメント業界の動向は今の視点だけでなく、課題を踏まえて上で判断するのが賢明です。
大手の年収も高く好調なセメント業界だがオリンピック後は需要が落ち込む動向がある
セメント業界の動向、課題、大手企業の平均年収について紹介してきました。国内シェアや最近の成長性・収益性が期待できる業界ですが、それでもなお体質改善には残された課題が残ります。装置産業であるセメント業は、生産・物流設備の更新や改修を行う巨額の原資を生み出し続けなければなりません。大手の平均年収は高い傾向がありますが、今後の需要をしっかりと考慮した上で業界の動向を判断しましょう。
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