「皆様方」という言葉の意味と正しい使い方
「皆様方」は「皆様」をていねいに表現した言葉
「皆様方」という言葉は、「皆様」さらにていねいに「方」を付け加えた表現です。普通に「皆様」と言うよりも、丁寧さを強調する意味があります。似たような言葉で「各々方」という表現もあるでしょう。時代劇や時代小説で出てくる古い表現ですが、「皆様方」と同じように多人数を敬う意味をもつ表現ですので、間違った使い方ではないと言えるでしょう。
類義語の「各々方」は現代ではほとんど使われない
「皆様方」と違い、「各々方」という表現は、意味は同じですがほとんど使われません。演劇をするときなどに使う程度でしょう。「皆様方」と「各々方」は、言葉を重ねている意味でやや冗長な表現という点では共通しています。若者の中で「ら」ぬき言葉が常識となりつつあるように、冗長な表現は消えつつあるので、「皆様方」という表現も「各々方」と同様、使われなくなっていく可能性もあるでしょう。
「皆様方」は二重敬語だと誤解されている
「皆様方」は、「皆様」に「方」が付いて、より丁寧になっているので、二重敬語ではないかと勘違いされますが、そうではありません。「皆様」は尊敬語ですが、「方」は尊敬語の意味では使われていないからです。そういった意味で、「皆様方」はやや冗長な表現ではあっても、敬語の原則的な使い方からいって間違いではないと言えます。「あなた方」というような使い方と一緒だと覚えておきましょう。
「方(がた)」はビジネス上多く用いられる
「皆様方」の「方(がた)」は、ビジネスマンとしては意味を理解すると共に、自分も使いこなせるようにすべきでしょう。人数を数えるときに「おひと方、おふた方」というようにも使いますし、他人の住居に住んでいる人への手紙などに「○○様方」という使い方もします。貸借対照表における「借方、貸方」という意味もありますし、皆様方のように複数の人に敬意を表す場合もある、いろいろな意味をもつ言葉なのです。
「ご一同様」は「皆様方」と同じ意味をもつ言葉
「各々方」という表現はビジネスではまず使いませんが、「皆様方」と同じ意味をもつ言葉は他にも多くあります。公式の場で同じ意味としてよく用いられるのが、「ご一同様」でしょう。これも「ご一同」でも良いのですが、「様」をあえてつけることで丁寧さを増しています。ただし、「様」が敬語にあたるので、正確に言うと二重敬語になってしまうので注意が必要です。
「皆様方」と「各位」の使い分けも大切
また、「各位」も「皆様方」と似たような意味を持ちますし、よく使われる表現でしょう。ただし、意味が少し違うので使い分けをすべきです。「皆様方」は、不特定多数を指す表現という意味が強いです。それに対し各位は「関係者各位」など、ある程度対象を絞った意味で用いられます。また、「各位」は主に手紙等の文章表現で用いられますが、話し言葉としては「皆様方」の方が意味合いといしてもよく使われるでしょう。
「皆様方」は二重敬語ではなく「皆様」より丁寧な意味になるので適切な場面で使用しよう
皆様方という表現を使うと、単に「皆様」というより、丁寧な意味を持ちます。ですので、集まってくれた人への感謝の気持ちを強調したいような場面でぜひ皆様方という表現を用いましょう。あらたまった場面や手紙などでは「ご一同」や「各位」の方がふさわしい場合もありますが、それよりも少しくだけた意味で皆様方を使うと親しみのある表現になります。
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