「あられる」という敬語の意味と使い方のポイント
「あられる」は「いる」尊敬語
「あられる」というのは、「いる」の敬語です。敬語は大きく分けて尊敬語と謙譲語に分けられるのですが、「あられる」は尊敬語となります。尊敬語とは、相手を立てる言葉です。謙譲語は、自分を低める言葉になります。つまり、「あられる」は相手の存在を高める言葉となるでしょう。簡単な言葉ですが、その意味するものは複雑と言えます。
とても尊敬すべき相手に対して使う表現
具体的にどういったときに使うかというと、例えば「こちらは哲学の分野で著名な先生であられる」や、「王様にはお子が2人あられる」というように使います。その存在自体に対して価値を高めるような言葉であるため、とても尊敬すべき相手に対して特に使うことができます。こうした性質を持つため、普段使う敬語としてはあまり耳にする機会が無いかもしれません。
「おられる」の敬語は謙譲語と尊敬語の両方で使われる
「あられる」に似た言葉に、「おられる」があります。こちらも同じように存在の価値に関する言葉ですが、さらに事情は複雑なものになっているのです。「おられる」の元の言葉である「おる」は、自分の存在を低める謙譲語として使われる場合があります。そして、地方によっては尊敬語として使われるのです。敬語の分類が混同しているため、「あられる」よりもやや曖昧な意味合いになると言えるでしょう。
「あられる」に似ているため混同しないように注意する
一般的な使い方としては、「わたくしがおります」や「弊社には部下が待機しております」といったものとなります。この使い方は、自分側の価値を低めていると言えるでしょう。ただ、地方においては「○○様はおられますか」や「海外におられます」などの用法も正しいものとなります。敬語の使い方としては間違っているわけではないのですが、言い換えた方が良いかもしれません。「あられる」に似た表現であるため、混同しないようにもしましょう。
「あられる」は「ございます」などに言い換えられる
尊敬表現として強い敬語「あられる」は、王様や天皇、高名な学者といった人物に相応しい表現です。しかし、普段はそういった方たちとは出会う機会がありません。そのため、言い換えてみると良いでしょう。例えば、「こちらは高名な学者様であられる」を「こちらは高名な学者様でございます」と言い換えられます。また、「こちらは高名な学者様でいらっしゃいます」という表現も可能です。
過剰な尊敬語と捉えられてしまう可能性が高い
また、敬語の「あられる」は、「ご不便な点はあられますか」や「ご入り用はあられますか」という風にも使われる場合があります。こちらも、相手が貴族でもない限り「ご不便な点はありますか」や「ご入り用はございますか」と言い換えましょう。普段使う敬語としては過剰な尊敬語と捉えられてしまう可能性が高いため、色々と言い換えて使うと良いのです。
「いる」という意味がある敬語の「あられる」は過剰な尊敬語と捉えられてしまうため適宜言い換えよう
いかがでしたか。敬語「あられる」の意味と、その使い方について見てきました。「あられる」は、存在を示す「いる」の尊敬語です。その意味合いは強いものと言えるため、高貴なお方が相手の場合ぐらいにしか使わない方が良いでしょう。似た表現に「おられる」があるため、混同に注意が必要です。普段使いそうになったなら、適宜「ございます」や「あります」のように言い換えるのが無難と言えます。
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