「万障お繰り合わせのうえ」の意味と使う際の注意点
「万障お繰り合わせのうえ」はいろいろあっても都合をつけてという意味
「万障お繰り合わせのうえ」の意味について見ていきましょう。「万障」とは、不都合な事情や種々雑多の障害、差し支えを意味する言葉です。「繰り合わせる」とは、時間などを工夫して都合をつける、上手にやり繰りすることを意味します。これらを合わせて、「万障お繰り合わせのうえ」とは、「いろいろと不都合なことはあるとは思いますが、うまく都合をつけてください」という意味です。
参加をお願いしたいときに使う言葉
「万障お繰り合わせのうえ」の意味を理解したところで、使用するシチュエーションを紹介します。主に使われる場面は、パーティーや発表会などの催し物などで、お客様などを招待するときです。「万障お繰り合わせのうえ、ご出席ください」や「万障お繰り合わせのうえ、ご参加ください」というように、参加をお願いする際の丁寧な表現として使われるのが一般的です。しかし、使用に当たっては注意点があります。
「万障お繰り合わせのうえ」は目上の方に使うべきではない
参加や出席を丁寧にお願いするつもりで使用した「万障お繰り合わせのうえ」という表現が、お客様や目上の方には失礼に当たってしまう可能性があります。出席等のお願いをしたときに、既に他の用事があった場合には、その用事を「万障」すなわち不都合な事情、障害として扱う意味になってしまうため、強制的な印象を与えてしまい、失礼だと思わせてしまうかもしれません。
強制的な意味に捉えられる可能性がある
「万障お繰り合わせのうえご参加ください」という表現は、単に招待するという意味です。丁寧に述べるという意味で使われる、決まり文句として受け入れられつつありますが、時と場合によっては使用を控える方が望ましい場合もあります。例えば参加の意思表示をされた方などに送付する書状等であれば問題になることはあまりありません。一方で、自由参加でお願いする場合には、強制的だと思わせてしまい不快な思いをさせてしまう可能性があるのです。
「万障お繰り合わせのうえ」を「是非」に言い換える
大事なお客様などに不快な思いをさせてしまう可能性があるのであれば、使用しないのが礼儀でしょう。出席をお願いしたい、という意思を表す「万障お繰り合わせのうえ」を使用する部分では、「ご都合がつくようでしたら」や「是非とも」などが好ましい表現であるといえます。
意味合いは同じでも「ご多忙」は使わない方が良い
「万障お繰り合わせのうえ」に代る言葉として、「お忙しいところ申し訳ございませんが」などを使用することがあるかもしれません。これに類似する言葉で「ご多忙のところ申し訳ございませんが」の「ご多忙」の使用には注意が必要です。「忙」の漢字が「こころをなくす」という意味で捉える方がいるため、使用を控えて「ご多用」を使用する方が無難という話があります。実際のところ「忙」を問題にされるケースは少なく、神経質かもしれません。しかし、少しの配慮で評価が上がることもありますので、知っておいて損はないでしょう。
「都合をつけて」を意味する「万障お繰り合わせのうえ」は強制的なイメージになるため「是非」などを使うべき
「万障お繰り合わせのうえ」の意味について説明しました。「万障お繰り合わせのうえ」は、丁寧で、格調高く感じられ、耳障りも良いことから、出席や参加をお願いする文書の中でも多くみられる文言となっています。しかし、その意味をよくよく考えていくと、出席を強制するような意味が含まれていることになります。安易に使用することで、不要なトラブルを起こすことの無いように気をつけていきましょう。
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