「感心する」と目上の人に伝える際の正しい敬語の使い方
「感心する」は人の言動に心を突き動かされることを表す
「感心する」というのは、言動に心を深く突き動かされる気持ちを表現し、敬語云々以前にそれ自体は非常に素晴らしいことです。それだけ言動を注意深く見聞きしているということですし、感受性も豊かであると言えます。またそうした言動に触れて、自分も参考にしたりして、人間的な面でのさらなる成長にもつながるでしょう。
目下に対しては「感心する」でも構わない
「感心する」については、目上の人から目下に対する場合は、使っても特に問題はありません。例えば、仕事で誰もが諦めそうになるほど難しい局面に立たされた時に、ある部下があらゆる手段を尽くして問題解決に全力で取り組んでいたとします。その姿勢を見て、目上である上司が目下の部下に対し、「彼の姿勢は感心するな」等と言った場合、特に問題はありません。また上司が部下に敬語を使わなくても、それも問題ないわけです。
目上の方に対しては「感心する」は失礼にあたる
一方、目下から目上の人に対し「感心する」と言うのは失礼にあたります。その言動に心を突き動かされた気持ち自体はよいのですが、それをそのまま「感心する」と表現すると、上から評価を下すような言い方に聞こえてしまいます。例えば、部下が上司の顧客対応の仕方を見て、「さすが、部長の顧客への接し方には感心しました」等と言ったとします。すると部長は、良く見られたこと自体は嬉しいものの、その言い方に不快になり、「敬語も使えないのか」と思うでしょう。
目上の人には「感服する」「感銘を受ける」と敬語で表す
このように目上の人に対して「感心する」を敬語で表す場合は、「感服する」「感銘を受ける」等と言うとよいでしょう。上記の例で言えば、部下は上司に対して「さすが、部長の顧客への接し方には感服しました」等と伝えるのです。そうすれば、部長としても、部下の発言内容を嬉しく思うと同時に、きちんと敬語を使われて、その嬉しさをそのまま受け入れられるはずです。
目上の人に対しては敬意と憧れを敬語で示すことが重要
上記のように、目上の人に「感心する」気持ちを伝える際には、とにかく敬意と憧れを含んだ言い方がポイントです。目上の人の言動に心を深く突き動かされたということは、それだけ相手が自分に好影響を与えられるだけの人格や才能を持った人である証拠でしょう。だからこそ、敬うに値しますし、そうなりたいと憧れるはずです。その気持ちを上手く敬語で表現すればよいのです。
敬語がすぐに出て来ない場合はとにかく気持ちを素直に伝える
仮に「感心する」の敬語を忘れてしまって、すぐに出て来ない場合には、とにかく敬意と憧れの気持ちを素直に伝えるようにしましょう。前述の例で言えば、部下は上司に対し「部長の顧客への接し方を拝見して、自分がいかに勉強不足か実感しました。自分も部長のようになれるように精進します」等と表現します。そうすれば、部長を敬う気持ちと部長のようになりたいという憧れを伝えられ、敬語を用いたのと同じ効果があるでしょう。
目上の人に「感心する」気持ちを伝える場合の敬語は「感服する」「感銘を受ける」
「感心する」とは、人の言動に心を深く突き動かされる気持ちを意味し、それ自体は素晴らしいことです。しかし、目上の人に「感心する」と用いると、評価を下すようで失礼にあたります。そこで、「感服する」「感銘を受ける」等と敬語で表すようにしましょう。仮にそうした敬語がすぐに出て来なかった場合でも、相手に対する敬意と憧れの気持ちを上手く伝えれば、相手を不快にさせることもないでしょう。
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