避難訓練の講評で押さえておきたい重要なポイント
冒頭では避難訓練の「目的」に触れる
避難訓練は建物や周りの状況などによって規模は異なりますが、講評で話す際のポイントは同じです。講評の冒頭では、避難訓練の目的について話さねければなりません。災害が起きたときどのような動きをするのか、消防計画などにも明記はされた点を押さえつつ、環境に合わせてその重要さについて述べましょう。
避難訓練の講評例①:備えの重要性について
「備え有れば憂なし」という言葉があります。避難するときに廊下や階段に邪魔になるものはなかったでしょうか。また、誘導状況や消火器に不備は無かったでしょうか。災害は忘れた頃にやってくるとも言います。火事や地震などの災害が起きた時の備えが重要です。本日の避難訓練は、まさにそれを目的としているのです。
避難の早さの大切さ
次に触れるべきは、避難の早さの重要性です。非常ベルが鳴って、避難を行う場所までどれぐらいの時間がかかったのか。避難訓練が定期的に行われている学校の場合は、前回と比べてどうであったかということも含めて話すといいでしょう。ビル全体で行う場合などは、早さとともに、各班での人数把握のために行う点呼の時間も重要になります。
避難訓練の講評例②:点呼の重要性
避難訓練では、1秒遅れることが命取りです。ビルから降りてくるのは、皆さんスムーズでした。ただ、点呼に時間がかかり過ぎだと感じました。一人の命も落としてはいけない状況で、万一、人数が足りなければ、消防の人にいち早く知らせなければなりません。そういう意味で点呼も重要な取り組みです。各リーダーは今後心して臨むようにしてください。
具体的なエピソードを交える
また、最近の避難訓練では、火事もそうですが、地震などの天災時の話を講評の入れることも重要です。実際に体験したこと、被災者から聞いたエピソードなどを具体的に取り入れ、聞いている人が「自分ごと」として捉えられるような話を心がけましょう。「東日本大震災」では、避難誘導一つが生死を分けたとも言われています。災害というものが、いつ起こってもここには備えがあるのだと自信をもって言えるように、講評をする自分も含めて心したいという意味の講評にしましょう。
避難訓練の講評例③:経験を踏まえた災害への取り組みの重要性
東日本大震災の被害者数は、死者○名、行方不明者○名、避難生活を余儀なくされている方は今でも相当な数に上っています。私は、震災後に○市を訪問しました。自分の目で見たとき、その被害の大きさには言葉も出ませんでした。木造家屋は土台だけ、鉄道のレールは曲がり、安全と思われていた学校も1階部分が全滅でした。私たちはこの大震災を永遠に忘れてはいけないのです。私たちに重要なのは、災害がいつ来ても大丈夫な備えをすることです。以上で講評を終わります。
まとめ
避難訓練は、その真剣な取組みが大切で、万一のときを想定しておくことが重要です。学校、ビル、マンションなど、それぞれで行いますが、それぞれの人がもつ意識の違いは、まだまだ大きいのが現状です。だからこそ経営者や防火管理者が行う講評は重要な意味をもちます。備えの重要性、点呼の早さ、災害経験での学びを踏まえて、それぞれの場所で何を話すことがタイムリーなのかをよく吟味して講評をするといいでしょう。
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