「悪しからずご容赦ください」を使う際の注意点
「悪しからずご容赦ください」は「あしからず」として使うのが主流
謝罪のメールやホームページなどで目にする、「悪しからずご容赦ください」という一文。この言葉には、「どうか悪く思わないでください」という意味が込められています。簡易的には、この「悪しからず」をひらがなにして「あしからず」とも書けます。また、使われ方としては、「あしからず」の一言だけを用いるのが主流です。締めの挨拶として使われているケースもよく目にするでしょう。
クレームを回避するための対処法
「悪く思わないで」という意味で使われる「悪しからずご容赦ください」は、「悪気はないのです」という気持ちが根底にあるのです。多くの場合が、商品の欠品を予測しているとき、予定したイベントが雨などで中止になる場合があるなど、あらかじめ起こりうる事象が予測できる際、注意の意味で用いるという使われ方がされています。「悪しからずご容赦ください」は、クレーム対処の一環とも言えるでしょう。
「悪しからずご容赦ください」はクレーム発生後には使わない
「悪しからずご容赦ください」は、クレームに発展した際は使うべきではないという見方がされています。その理由は、「悪く思わないで」という意味合いにあるのです。「悪く思わないでください」と言われて、悪く思ってしまったら、クレームを言う側に落ち度が無い場合でも、なぜか「悪いと思った方が悪い」ということになってしまいます。相手は責められている気になり、逆撫でしてしまう可能性があるのです。
許しをお願いする言葉はきちんとした謝罪の場には適さない
予測できなかったケース、もしくは予測できていたけれど注意書きをしていなかった際など、こちら側の明らかな失態に対して謝罪をする際、反省の意やストレートな謝罪を伝えたいと思うはずです。「ご容赦ください」は相手に許しをお願いする言葉なので、反省やきちんとした謝罪の前には使うべきではないと言えます。
「悪しからずご容赦ください」は責任を逃れるために使わない
謝罪の際に使うのは良くないという見方のほかに、かしこまったやり取りの際には使うべきではないという見方もあります。それは、「あしからず」の一言で済ませてしまう場合になるのですが、例えば日時の調整をする際など「○○日は夕方を過ぎてしまうかも知れません。悪しからずご容赦ください。」というようにすると、連絡を受取る方が調整を丸投げされている気になるでしょう。
相手のことを考えた対処法を伝える必要がある
あらかじめ予測ができる出来事に対し、お詫びの一環として「悪しからずご容赦ください」と使われます。注意しなければならないのが、それを言われた相手が何をすべきなのかを考えることです。「予定が狂うかもしれないけど、悪しからずご容赦ください」と言われた相手は、悪いとは思わないけれど、どうしたらよいか?と悩みます。「悪く思わないで」と許しを乞うのではなく、きちんとした対処法を伝えることも重要です。
クレーム対処の一環である「悪しからずご容赦ください」は責任逃れで使わずに対処法を伝えることが大切
ここでは、「悪しからずご容赦ください」を使う際の注意点をご紹介しました。「悪しからずご容赦ください」は一見丁寧な言い回しですが、使い方を間違えると責任逃れに感じられたり、失礼に値することになってしまいます。相手を困らせないよう先手で使うことが適切な使われ方ですが、場合によっては言ったままにせず、その後の対処も加えてあると良いですね。
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