意外と簡単?キャパオーバーを上手に解決する方法&注意点
1、キャパオーバーの意味
許容範囲を著しく超えた状態
キャパオーバーとは、「キャパシティー・オーバー(capacity-over)」という言葉の略で、自分の許容量を著しく越えてしまった状態のことを意味します。ちなみに英語では「over capacity」という表現が正しいです。 職場のデスクに書類が山積している人、残業しても仕事が終わらない人は、まさにキャパオーバーに陥っていると言えるでしょう。
テンパってますます悪循環に
キャパオーバーになると、目の前の仕事が片付かないのはもちろん、次々に新しい問題が訪れるようになります。ほとんどの人は何から手をつけていいのか分からなくなるので、効率もどんどん悪化。 このように、やることが増え続け、先がまったく見えないのがキャパオーバーの恐ろしいところです。
2、キャパオーバーが許される場面
キャパオーバーはなるべく避けたいもの。ただ、キャパオーバーになるのがやむを得ない場面もあります。以下の2シーンでは、キャパオーバーが許されます。
妥当なキャパオーバー①:新人時代
新人時代は、何も分からない状態からスタートする人が大半で、たった1日が1週間とも1ヶ月とも感じられる日があるでしょう。ひたすらインプットと試行錯誤に専念するべき新人時代は、キャパオーバーが起こるのも無理はありません。 今後のキャリアのためだと割り切って、がむしゃらに闘いましょう。
妥当なキャパオーバー②:繁忙期
また、繁忙期には物理的に処理不可能と思えるほどの業務が降ってきます。深夜残業をしなくてはいけないケースも、往々にしてあるでしょう。 ただ、この場合のキャパオーバーは、職場の皆が一斉に陥るキャパオーバーです。声を掛けあいながら立ち向かえるので、意外と良い思い出になったりもします。
これ以外のキャパオーバーは問題
問題は、新人時代でも繁忙期でもないのにやってくるキャパオーバーです。いつまでも新人扱い、常に繁忙期……なんてことはあり得ませんよね。心当たりがある人は、なんとかキャパオーバーの状態から脱しましょう。
3、キャパオーバーを招きやすい人
同じ業務をしていても、キャパオーバーになる人とならない人がいます。能力によっても差が出ますが、それ以上に”マインド面”が大きく関系しています。一体どんな人がキャパオーバーを招いてしまうのでしょうか?
ノーが言えない
人から仕事を頼まれたときに「ノー」を断れない人は、知らず知らずのうちにキャパオーバーになってしまいます。クライアントや上司からの依頼には何としても応えたいと思うかもしれませんが、なかには”無茶振り”も多数あるはずです。 無茶振りされる仕事はたいてい面倒なものが多く、見かけ以上に容量が食われてしまいます。
責任感が強い
仕事では、手を抜いてもいい場面があります。バレると印象が悪くなるかもしれませんが、仮に成果に何らの違いがなければ、執拗に責め立てられることもないでしょう。 しかし、責任感が強い人は、どうしても「うまく手を抜く」という発想ができません。常に100%のクオリティを求めると、タスクは増えていくばかりです。
周囲への気配りができる
頼まれてもいないのに周囲の仕事を手伝う人、気を遣ってペースを落とす人は、キャパオーバーの沼に自分から入ってしまっています。気配りや助け合いの精神は、ビジネスシーンで欠かせない資質ですが、おせっかいは必要ありません。 気配りを通り越しておせっかいになっている人は、常に他人のペースでしか働けず、キャパオーバーになるのも無理ないでしょう。
真面目な人ほど招きやすい
ここまで見てきた通り、実は真面目な人ほどキャパオーバーを招きやすいのです。真面目で誠実なのはいいことですが、真面目すぎると自分が損をしてしまうリスクがあります。 無理して不真面目を装う必要はありませんが、肩の力を抜いた方が順調に仕事が進むかもしれません。
4、キャパオーバーを予防する方法
イエスマンにならない
仕事を依頼してくる相手は「これはさすがに無理かな」と半ば諦めているケースもあり、断ってもけろっとしているもの。無茶振りの場合は特にそうですね。ノーと言ったからといって自分の評価はそれほど落ちないのです。 ところが出来もしない仕事を引き受けて、後から「やっぱり無理です」というのは自分の評価を落としてしまう行為に他なりません。時にはノーを言う勇気を身に付けましょう。
やるべき仕事を明確化
職場での責任を果たしたければ、常に「これは必要か」とPDCAを繰り返す姿勢が欠かせません。やった方がいい仕事にはそれほど時間をかけず、やるべき仕事にだけ集中しましょう。そうすればキャパオーバーにならずに済むほか、肝心な場面での評価も高くなります。 また、心得として持っておきたいのはKISSの原則です。これは「Keep it simple, stupid(シンプルにしておけ、この間抜け)」の頭文字を取った言葉で、不必要な複雑性は避けるべきだということ。生産性を上げるには欠かせない考え方です。
他人に気を遣い過ぎない
自分本位で働く人は印象が悪いですが、だからといって他人のペースで働いてしまっては本末転倒。自分の軸をしっかり持って仕事に打ち込みましょう。 仕事の頼み方や断り方で頭を悩ませている人は、果たしてそれは必要な悩みなのか、再考してみてはいかがでしょうか。
“線"を意識して業務を行う
一つ一つの仕事を単体で捉えることは、いわば”点”の状態です。今いる点から次の点に移る際、どうしても空白期間(ロス)が生まれてしまいます。キャパオーバーを予防するには、点ではなく”線”で捉えなくてはいけません。全体の流れをつかめるほか、線からかけ離れた位置にある点を捨てるという選択も可能になります。 何かを選ぶには何かを捨てなければいけないというのは、ビジネスの鉄則です。このトレードオフの考え方を徹底すれば、キャパオーバーは驚くほど回避できます。
5、キャパオーバーになったら
事前にキャパオーバーを防ぐ対策法をご紹介しましたが、キャパオーバーになってしまったあとにできる事後対処法もあります。今まさにキャパオーバーの人は、早速試してみてください。
いったんその場から立ち去る
キャパオーバーになっているときは、頭がまともに働いていません。リセットするために、一度その場を離れるのがオススメです。 ちょっとティータイムを取るだけでもいいですし、仮眠を取るのもあり。ネガティブな気持ちを切り替える効果も期待できます。一度冷静になってみると、仕事スピードが劇的に上がります。
生活リズムを変えてみる
仕事に追われているからといって、残業しなくてはならないと思い込んでいませんか?残業続きで夜型の生活リズムになってしまうと、集中力はガクッと落ちてしまいます。3時間の残業よりも、1時間早く出社する方が大きな成果が出ます。 何らかの言い訳を取り繕って、一度定時で帰る日を設けてみましょう。そこから早寝早起きの生活リズムへシフトしていくのが理想的。実際、成功者で早寝早起きを徹底している人はたくさんいます。
どれだけ仕事量が多いのか訴える
上司や同僚に、自分がどれだけタスクを抱えているのか相談したことはありますか?同じ職場でも、他人の忙しさには意外と無頓着な人が多いのが現実です。 どれだけ仕事量が多いのか訴えれば、業務の再配分があるかもしれませんし、評価の見直しが入るかもしれません。たとえ大きな変化が難しそうでも、「これはできるが、これはできない」といったトレードオフの提示をすれば、説得力が増すのでオススメです。
職場環境を見直す
キャパオーバーになった時は、社内には助け合いの精神があるかどうか、仕事に対する考え方は健全かなど、職場環境を見直してみるきっかけになります。 同じチームの人とランチへ行ってみたりして、雰囲気を変える工夫をしてみましょう。自分の力ではどうしようもないと感じるのであれば、転職を視野に入れてもいいかもしれません。
真面目でいい人ほど要注意でキャパオーバー対処は"割り切り"が大切
最後まで読んでいただきありがとうございます。キャパオーバーになると、次から次へと課題を引き寄せてしまう”負のスパイラル”が待っています。仕事の取組み方を見直して、キャパオーバーを招かない工夫をしましょう。 とはいえ、どれだけ予防策を張っても、キャパオーバーを100%防ぐのはかなり難しいもの。割り切って考えると、意外と問題がさらっと解決する場合もあります。キャパオーバーに陥った人は、自分を責めず、課題解決の策を練ってみてください。
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