信用のバロメーター『有言実行』のやり方と注意点
1、有言実行は大きな信用につながる
口に出したことを何としてでもやり遂げることを「有言実行」といいます。言葉と行動がピタッと一致する言行一致は、周囲から見ても実に気持ちがいいものです。 野球のバッターが行う予告ホームランも、まさに有言実行そのもの。関係者やファンが歓喜するのは間違いないでしょう。仕事で有言実行を徹底すれば、社内外問わず大きな信用を得られます。
やりがいのある仕事を任されるかも
有言実行できるかどうは、まさに信用のバロメーター。信用されるようになれば、やりがいのある仕事を任せてもらえるチャンスも劇的に増えていきます。 そうすれば、自ずとポジションや待遇にも変化が出るかもしれません。現状打破したい人は、今まで以上に有言実行を意識してみるといいでしょう。
2、有言実行が評価される理由
有言実行がいいことなのはもはや”当たり前”になっていますが、なぜ有言実行はそんなにも評価につながるのでしょうか?周りにいる人が「いいな」と感じる理由を確かめてみましょう。その理由(本質)を知らなければば、コンスタントに有言実行できません。
高評価の理由①:責任感
言ったことを何としてでもやり遂げようとする姿勢は、責任感の表れに他なりません。半端な責任感では到底無理でしょう。周囲の人は、まさにこの責任感にぐっとくるのです。 しばしば有言実行と比較される”不言実行タイプ”は、ひょっとしたら自分の発言に対しての責任を取りたくないだけかもしれませんね。社会人としての責任感を持つべし、というのは誰もが分かっていますが、実践するとなると意外と難しいものです。
高評価の理由②:根性
発言内容を実現するまでには、たいてい時差が生まれます。結果が出るまで耐え忍べるかどうかが、周囲へ与える印象を大きく分けます。「あーやっぱり無理だ」とすぐに投げ出すようでは、おそらく評価もガタ落ち。 その点、有言実行できる人は、簡単には諦めない根性と粘り強さを持ち合わせています。周りにいる上司は、難しい仕事も任せようかなと考えるようになるでしょう。
高評価の理由③:行動力
思いついたことを言葉にするのはとても簡単です。大事なのは、それを実現できるかどうか。どれだけアイデアをたくさん思いついても、実務に落とし込めなければ机上の空論で終わってしまいます。 斬新なアイデアを考えるだけよりも、平凡なアイデアを愚直にこなす方が利益に直結しやすいです。もちろん地頭で考える能力も必要ですが、「やるかやらないか」には雲泥の差があることは絶対に忘れてはいけません。
高評価の理由④:計画性
有言実行と聞くと、気合と根性でどうにかなると考える人もいるかもしれません。根性が必要なのは先述の通りですが、実際には気合と根性だけでは有言実行は不可能です。特に重要なのが計画性。実行するまでの道筋を明確にしておかないと、常に”運任せ”になってしまいます。 有言実行する人には、スケジュール管理能力や段取り力に長けた人が多く、長期決戦になるような大きな仕事も任されやすいです。
3、ただし仕事上のトラブルは不可避
想定外の邪魔が入るのは日常茶飯事
どんなポジションに就いている人も、急な用件が入ることは珍しくありません。上司から頼まれごとをする場合もあれば、部下の失敗をフォローしなければならない場合もあるはず。あるいはクライアントからの急な問い合わせであれば、真っ先に対応するでしょう。 このように、「自分のやりたいことができない」なんて事態は、社会人なら日常茶飯事です。
不言実行の方が簡単と言われることも
有言実行の最大の壁は、やる気があるのに取り掛かれないことです。どんな事情があろうと、言ったことをやれなければ、周囲にも自分にもモヤモヤが残ります。そのため、有言実行よりも不言実行の方が現実的だと言われることが頻繁にあります。 不言実行スタンスなら発言に責任を持たなくてもいいため、「下手なことは言わない方が自分の身を守れる」と考える人を中心に、一定の支持を得ているのかもしれません。
4、有言実行するときの心構え
でもやっぱり、みんなが黙々と不言実行を貫いているなか、一人だけ有言実行すれば存在感が際立ちます。はじめは「運でしょ」なんてやっかみを言われるかもしれませんが、何度も繰り返すうちにどんどん味方が増えます。以下の3つの心構えを持てば、有言実行が”ぐんと”果たしやすくなります。
①実現可能性が見えてから宣言
「有言」にばかり注目がいきがちですが、「実行」もやはり大事です。実現できないことを言っても意味はありません。たとえば毎月の平均売上高1,000万円の営業マンが、突然売上高1億円を目標に掲げたらどうでしょうか?注目度は高いですが、現実的には難しいはずです。 いきなり大型契約を狙うのではなく、プロセスを細分化してコツコツ努力した方が賢明ですね。1億円の目途が立ってから、後出しじゃんけんにならないギリギリのところで目標宣言するのが理想的です。
②報連相をマメにする
仕事ではイレギュラーな業務も山ほど出てくるため、言ったことをやっているのかやっていないのか、周囲にはよく分かりません。自分が計画的に取り組んでいるつもりでも、周りに「結局やってないじゃないか」と思われたら悔しいですよね。 そうならないための布石として効果抜群なのが、マメな報連相。どんな進捗状況なのか、どういった壁に当たっているのか、いつ頃達成できそうなのかなど、実行していることをアピールしましょう。
③必ず代替案を用意しておく
万が一言ったことが実現できない場合に備えて、何かしらの代替案を用意しておくのがベスト。ただ単に「やっぱりできませんでした」となってはブーイングの嵐ですが、「代わりにこんな発見をしました、こんなことができました」と伝えれば、信用低下に歯止めがかかります。 ただし、はじめに発言した内容と関係のない代替案では意味がありません。形は違えど、「やっぱりちゃんと実現したな」と思ってもらえるアイデアを練ってください。
5、有言実行以前に大切なコト
頑張るぞという意欲
有言実行が信用のバロメーターとはいえ、そもそも簡単な「有言」しかしていなければ、実行できて当たり前です。簡単な有言実行には、魅力は皆無。たとえ有言不実行に終わったとしても、困難な課題に立ち向かう姿勢が垣間見えれば、周囲もそれほど責め立てたりはしないでしょう。 実行できることだけをするのではなく、「どうしたら実行できるか」を考えて頑張る意欲(向上心)が大事です。
成長できる環境
どれだけ意欲があっても、有言も実行もできない雰囲気の悪い職場ではダメ。職場によっては、出る杭が打たれる社風のところもあるのでは? 自分から積極的にアイデアを発信し、実現のために切磋琢磨する。そんな環境でないと、有言実行できないのも無理ありません。
自分に最適な課題
物事に没頭し、完全にのめり込んでいる状態を”フロー”と呼びます。そしてフロー体験は、課題の難易度によって実現できるかどうか決まります。有言実行する本人が最も達成感を味わえるのは、易しすぎない課題を何とか乗り越えた瞬間でしょう。 もしも最近「やりがいがない」と感じているなら、改めて自分の力を発揮できる仕事・課題を考えることをおすすめします。
リスク回避するのが有言実行の正しいやり方
最後まで読んでいただきありがとうございます。有言実行ができると絶大な信用信頼を勝ち取れますが、難易度が高いのも事実。多くの人が「不言実行」に逃げがちです。 しかし、ちょっとした心構えとやり方をつかめば、有言実行のハードルは想像以上に低くなります。むやみやたらに「有言」するのではなく、確実に「実行」するための工夫をしましょう。もちろん、自分が身を置く環境からも影響を受けますので、視野を広く持つことが欠かせません。
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