企画・マーケティングの違いと関係性
企画とマーケティングの違いとは
企画もマーケティングも対象となる商品について練っていくものですが、当然のように使用している人の中には、このふたつを混同してしまっている人も少なくありません。まずは、企画とはどういうものか。マーケティングとは何のために行うものなのか。明確な違いを理解するところからはじめていくべきです。
企画は「商品化するためのプランニング」
企画とは、一般的なイメージの通り「商品化」をゴールとして設定するものです。
もう少し深堀りして考えるのであれば、消費者の動向や関連した製品の動向から予測・調査し、売れるであろう新しい商品を考えていくアクションを企画と言います。マーケティングとは違い、まったくのゼロから考えていくケースが多いのも違いのひとつです。
マーケティングは「商品を売る仕組みづくり」
マーケティングを語る上で外してはならないのが、マーケティングの権威でもあるフィリップ・コトラー氏でしょう。彼の提唱するマーケティングとは、「新しい顧客を見つけること」「商品の魅力や性能を改善すること」「既存の顧客を逃がさないようにすること」、そして「商品の売り上げ結果を検討すること」としています。
これらを総じて考察してみると、つまりマーケティングとは「売るための仕組みづくり」だと言えます。
「予測」「調査」などからなる不透明な企画との違いとして、マーケティングには、はっきりとしたその商品の市場での動向・情報があるのです。
企画とマーケティングは切り離して考えない
着地点としての違いは大きくは変わらない企画とマーケティング。はっきりとした違いを提示するのなら「情報のソース」にあります。しかしだからと言って切り離して考える事ができないのがこのふたつの関係性でもあります。なぜ切り離せないのか?その答えを探っていきましょう。
企画する段階からマーケティングは始まっている
マーケティングとは和訳で「市場調査」。対象の商品がどういったターゲットに売れ、どんなタイミングで顧客のニーズに答えているのかを調査していくものです。実は、企画を行う段階で、こういった「先読み」をして予測をかけておくのも大事なポイントとなってきます。ただ企画を行えばいいわけではなく、着地点のその先までしっかりと考えておかなくてはなりません。
マーケティングには企画段階の再発掘が必要
一方でマーケティングとは、その商品を爆発的に売り出していくための戦略的な思考を繰り返す必要があります。「さらに売り出すためにはどうアプローチしていけばいいのか」を、現在の売り上げなどの実際の数値から検討していくのです。そのためには、企画段階でどういう意図を図っていたのか・・・などの、企画段階の情報を改めて再発掘していかなくてはなりません。
また、次の新商品の企画立案のためのフィードバックも兼ねているので、「企画」と「マーケティング」は、必然的に密接な関係性を保ち続ける事になるのです。
企画とマーケティングの「核」の違い
大枠で捉えてみると、企画からマーケティングの流れとして見れます。それぞれに一番必要なポイント、「核」となるものの違いを最後にまとめてみましょう。この核となる部分を念頭に置いておかない限り、商品開発・マーケティング戦略の成功はありえないとも言える部分です。
企画の成功には「先読み」が不可欠
消費者のニーズを捉え、新商品を生み出すのが商品企画の仕事です。そのため、企画をする上で一番の核となる部分は「この商品を気に入った!」と顧客の高い満足度をイメージできるかどうかにかかってきます。企画を成功させようと思ったら、こういった先読みができるかどうかが重要となってくるのです。
マーケティングは「今」も大切
同様に、マーケティングにも先読みが重要です。しかし、ここまでで述べてきたように、マーケティングには確かな情報がすでに数値として表せるのです。そのため、「今どのような結果を生んでいるか」「もっと改善、向上する余地はないのか」といった、『今』をしっかりと見つめなくてはならないのです。マーケティングとは、「いかにして今の商品に価値を見出してもらうか」ということなのです。
企画とマーケティングは密接ゆえに違いを見出せない
企画もマーケティングも「どう商品を売り出していけばいいのか」という点で考えると、違いを見つけることはできません。「商品の価値を見出させる」ことで、「対価」を顧客からいただくのが、企画・マーケティングの本質です。また、ここで見てきたように、企画とマーケティングの密接すぎる関係が、ふたつの違いを不透明にしてしまっている主な理由となってしまっているようです。
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