究極のリーダーシップ!考え方が180度変わるSL理論とは?

リーダーシップ

リーダーシップとは、指導者としての力量・統率力のこと

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何がリーダーシップであるかについては様々な捉え方ができます。チームを牽引する力、チーム内の意見をまとめる力、メンバーの模範となる行動、メンバーのポテンシャルを最大限引き出す管理能力などです。これらは大きな意味で考えると、「指導者としての力量」であるといえるでしょう。

あるべきリーダーシップについて議論が繰り返されている

上記のように、リーダーシップの意味について様々な意見が挙げられるのは、どういったリーダーシップがチームの力を引き出せるのか、多種多様な議論が繰り返されてきたからです。リーダーシップを取るためにどんな人間になるべきなのか、どんな行動を心掛けるべきなのか、その考え方も多岐に渡り、いざリーダーシップを習得しようとしても迷ってしまうかもしれません。本記事では、様々なリーダーシップ論の中で確固たる特徴を持つ、SL理論についてご紹介していきます。

リーダーシップに関わる様々な考え方

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あるべきリーダーシップについて考えるにあたって、まずはこれまでどのようなリーダーシップの理論が生み出されてきたかをご紹介します。中には現代では否定されている考え方もありますが、かつてどんなものがリーダーシップだと考えられ、それが淘汰されてきたかは、あるべきリーダーシップを考える上で参考になるはずです。

古い考え方であるとされる「支配型リーダーシップ」

まずは、支配型リーダーシップです。高い地位で権力を握り、明確な価値観のもと部下に指示を出してチームを引っ張っていく、文字通り支配するリーダーシップです。しかし、この理論はしばしば悪いイメージで語られます。リーダーの能力が高ければこのリーダーシップも有効に働きますが、指示が具体的でない、それでいて責任を押し付けるといった悪いリーダーになってしまうケースもあるようです。

思いやりや協調の精神を重要視する「サーバントリーダーシップ」

支配型リーダーシップと対比して押し出されるのが、「支援型リーダー」とも呼ばれる「サーバントリーダーシップ」です。支配のように上からの命令によってチームを引っ張るのではなく、メンバーに思いやりを持ち、協調して仲間を支援し、個々の主体性を活かしてチームを動かしていくというものです。

リーダーに共通して備わっている資質を考える「特性理論」

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リーダーシップについては様々な研究がなされてきましたが、その最初となるのが「特性理論」です。これは「公平・公正」「実行力」「意思」など、優れたリーダー全てが持つ共通点があるのではないかとする立場です。しかし、優れたリーダーの間に何らかの共通点となる特性を見出すことができず、この理論は破たんしました。リーダーの特性に依拠するこの考え方は現代でも根強いですが、リーダーシップを身につけようという人にとっては参考にできるものではないかもしれません。

リーダーの行動に着目する「行動理論」

特性理論に代わって論じられたのが、リーダーの特性ではなく行動に着目する「行動理論」です。組織に向けた行動、人間に向けた行動というようにリーダーの行動を分けて考え、どのような行動がリーダーシップとしてあるべき姿であるかを検証しました。しかし今では、リーダーのどんな姿勢も、ビジネスにおけるすべての場面で有効であるとは限らないと考えられています。

ビジョンを提示して組織を変えていく「変革型リーダーシップ」

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1980年代以降、変化の激しい社会でチームを牽引する能力として考えられているのが「変革型リーダーシップ」です。かつてのリーダー像が「チームをまとげあげる調整役」とされていたのに対して、変革型のリーダーは自ら目指すべきビジョンを明確にし、それをチームで共有して実行に移していきます。スピードが求められる現代のリーダーとして、価値ある姿勢であると考えられています。

「目標達成能力」と「集団維持能力」でリーダーを測る「PM理論」

リーダーに必要なのは目標達成能力と集団維持能力であるとし、この2つの能力の長短によってリーダーを測る考え方がPM理論です。リーダーシップとは、成果をあげるだけではなく、チームをまとめるだけでもなく、その両方ができてこそ理想の姿だという考え方になります。

リーダーの「温かみ」と「強さ」に着目する考え方も

目標達成能力と集団維持能力ではなく、リーダーの温かみと強さに着目する考え方もあります。温かみで信頼関係を築き、その上でチームを動かす強い影響力を発揮するのが、リーダーのあるべき姿であり、この両者を併せ持たなければ、メンバーのチームに対する協力が不十分になると考えます。

どの理論も「リーダー」に注目してリーダーシップを考えている

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良いとされているリーダーシップ、古いと考えられているリーダーシップなど、様々な理論をご紹介しました。しかし、これらには全て「リーダー」に着目してあるべきリーダーシップを考えているという共通点があります。その特質、行動など着眼点は異なりますが、どれもリーダーを見ているという点は同じです。

他のリーダーシップとは一線を画すのが「SL理論」

このような多様なリーダーシップの中で、他と一線を画した存在が本記事でおすすめする「SL理論」です。SL理論は他のリーダーシップと違い、その視線がリーダーに向けられていません。では、SL理論とはどのような理論なのでしょうか。

部下の成熟度によってあるべきリーダーシップは変わると考える「SL理論」

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SL理論では他の理論と違い、あるべきリーダーシップの姿勢を一つには限定しません。メンバーの成熟度によって、あるべきリーダーシップの形は変化する、そしてその変化をコントロールするべき、というのがSL理論の考える理想のリーダーシップです。

SL理論とは「Situational Leadership(リーダーシップ条件適応理論)」

ここで使われているSLとはSituational Leadershipのイニシャルを取った略であり、日本語にすると「リーダーシップ条件適応理論」となります。このSL理論が提唱されたのは1977年で、P.ハーシーとK.H.ブランチャードによって考えられた理論です。

「SL理論」でリーダーシップに悩んでいる人も大きなヒントをつかめる

SL理論とはリーダーシップ条件適応理論の略であるとご紹介しました。このSL理論は個人の先天性に頼らないため、誰にでも理解・習得が可能といえるでしょう。ただし、それは容易に実践するのが可能という意味ではなく、適格な視点さえ持てれば、ということになります。そのため、現在自分自身のリーダーシップについて悩みを持っている人は、この「SL理論とは何か」という問いの答えが分かれば、リーダーシップについて大きなヒントを掴めるでしょう。

さらに、今はまだ新人・若手と呼ばれている人も、同じように「SL理論とは何か」を知ることで、将来のためのリーダーシップを磨き始められます。そういった側面を鑑みると、SL理論とは一人一人にとって「フレンドリー」な学説ともいえますね。

「リーダーシップ」の新しい分類方法を示したSL理論を確認!

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SL理論では、リーダーのスタイルは部下の成熟度によって適宜変えるべきだとされています。そして、部下の成熟度を4つのタイプに分類して定義づけされています。

・教示型リーダーシップ(S1型)

事細かな指示・監督業務で、意思決定は常にリーダーが行う。

・指導型リーダーシップ(S2型)

自分の考えを説明しながら、部下の疑問を解決する。

・支持型リーダーシップ(S3型)

部下が適切な問題解決をできるように、意見を聞き認める。

・委任型リーダーシップ(S4型)

部下との合意のうえで仕事を進め、成果に関しては部下にゆだねる。

SL理論とは、簡単にいえば上記のようなタイプ分けのことです。つまりSL理論とは、唯一最適なリーダーシップは存在せず、状況要因=部下の成熟度によって使い分けるべきという考え方です。今回は便宜上、数字の大きさが部下の成熟度を表していると覚えておきましょう。

状況によってリーダーシップの使い分けを意識する

真のリーダーシップを発揮するために理解しなければならないのは、リーダーが持つ先天性に任せるのではなく、部下の成熟度によって使い分けるという考え方です。S1~S4までそれぞれのスタイルを理解・習得し、状況によって使い分けられるようにしましょう。

どのようにSL理論を使い分ける?

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SL理論によってタイプ分けされた4つのリーダーシップは、実際にどのように使い分ければいいのでしょうか?部下が実務に当たった年数ごとでタイプ分けしていきます。

1年目の新人には教示型(S1型)

教示型のリーダーシップを発揮するには、ひたすら仕事を教え込む姿勢が求められます。入社1年目の新人は、基本的に成熟度が低い、つまり未熟です。未熟な部下に対してはとにかく教示するというのが、SL理論における考え方です。

2年目~5年目には指導型(S2型)

新人とは打って変わって、「若手」と呼ばれるような部下に対しては、一方的に押し付けるだけの導き方は不適切です。基本的な指導は欠かさないうえで、時折部下の意見を聞いてあげるのがポイントです。リーダー・上司は、部下に自発的に考える姿勢を身につけさせ、さらなるスキルアップのサポートをします。

6年目以降の中堅には支持型(S3型)

それでは、一通り仕事に慣れてきて、自らの判断で業務を完結させられるだけの経験・知識を習得した「中堅」には、どのようなリーダーシップが有効なのでしょうか。ここで紹介する中堅に明確な定義はなく、イメージとしては6年以上実務にあたっている者、と考えてください。

そのような部下には指導はほとんどせず、管理でのみサポートをします。進捗管理は一緒にするけれども、実務にはほとんど口出しをしない、というイメージですね。

ベテランには委任型(S4型)

最後に、ベテランの域に達した部下に対するリーダーシップの発揮方法を確認しましょう。委任型では、文字通りすべてを部下に託します。進捗管理も基本的には部下に任せるので、部下を信用していないとできない接し方ですね。ただし、こちらの委任は「放任」とは全く意味が異なります。万が一トラブルがあった際には、リーダー責任を取る必要があるので誤解しないようにしましょう。

職業別に見るリーダーシップの種類

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著名人を例に、どのようなタイプのリーダーがS1~S4に該当するか見てみましょう。

・教示型(S1):新人役者に対する蜷川幸雄さん

・指導型(S2):AKBグループの高橋みなみさん

・支持型(S3):Qちゃんに対する小出義雄さん

・委任型(S4):劇団SHA・LA・LAの出川哲朗さん

上記のようなタイプ分けができます。蜷川さんは、稽古場で灰皿が飛ぶという逸話が生まれるほど、その指導が厳しいことで有名です。高橋みなみさんはAKBグループの総監督を務め、自身のステージ経験と若手への的確な指導でグループの成長を牽引しました。

支持型に該当する小出義雄さんは、2000年のシドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子さん(通称Qちゃん)を、独自の「ほめて育てる」という育成方法でトップ選手へと成長させました。このことから、相手の意見を取り入れている印象が強いですよね。そして、出川哲朗さんは劇団SHA・LA・LAの座長でありながら、一般的には「リーダー」というイメージがあまりないでしょう。それは、部下(団員)が成熟し、信用しているからこその結果でしょう。

同じ「リーダー」という役割でも、これだけの違いがあるのです。

あくまでも自分の特性ではなく「相手」の属性に合わせる

各著名人を例に挙げましたが、「SL理論とは何か」を理解するうえで一つ気をつけなければならない点があります。それは、それぞれのリーダーのタイプが元々S1~S4に分かれていたのではなく、あくまでも環境(部下の成熟度)に応じて各タイプになったという点です。

一人一人に個性があるのは当然のことですが、SL理論に基づくリーダーシップは自分の個性とは切り離して考えられる、いわばツールです。改めておさえておきましょう。

例を紹介!部下がクレームを発生させたときの対応

同じ状況におけるそれぞれの動きかたを見てみましょう。今回は例として、部下がクレームを発生させてしまった場合、それぞれのタイプはどのように動くかを確認します。

S1(教示型)は部下の分も謝罪する

S1型リーダーシップではひたすら部下への教育が求められますから、部下の分もまとめて謝罪する結果になるでしょう。それを見た部下も当然謝罪するはずですが、まさに「背中を見せて育てる」というスタイルですね。

S2(指導型)は部下の謝罪に同行する

S1型とは異なり、S2型では部下自身にも考え、動いてもらう必要があります。そのため、謝罪に同行してリーダーが謝りながらも、部下自身の対応も見守ることになるでしょう。

S3(指示型)は謝罪前に主旨を尋ねる

こちらは、部下自身が「謝罪する」という行為そのものを認めます。とはいえ、どのような謝罪をするかは事前に知っておく必要があります。謝罪前にどのような内容・態度で取引先へ向かうのか、概要を尋ねるのがS3型の模範的行動でしょう。

S4(委任型)は謝罪後に報告してもらう

ベテランに委任するS4型は、謝罪に対して干渉をほとんどしないでしょう。とはいえ、リーダーにも責任は伴いますから、どのような謝罪をしたのかを把握するための報告はあるはず。

SL理論は部下の成熟度に合わせて行動を変化させる新たなリーダーシップ

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リーダーシップを発揮するために必要な知識、「SL理論」についてご紹介しました。SL理論は、あるべきリーダーシップを一つに定めず、部下の成熟度によって変化すべきとしている点が、他の理論と違います。繰り返しになりますが、このリーダーシップは先天的な要素で決まる資質ではないため、意識して習得が可能です。SL理論とは、いわば「すべての人にリーダーシップを発揮するきっかけを与える」学説ともいえますね。

現在自分のリーダーシップについて悩んでいる人も、将来的にリーダーを目指そうとしている人も、是非今回得た知識を実践に移してください。今後真のリーダーシップを発揮するには、SL理論の実践は欠かせないでしょう。

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2016年11月29日ビジネス