リーダーシップ理論における5つの起源の変遷について
リーダーシップ理論の起源には5つの変遷がある
リーダーになるための資質にはどのようなものがあるだろうか。ふと気になった方もいるのではないでしょうか。ここでは5つのリーダーシップ理論の起源を、簡単な変遷とともに特徴を見ていきましょう。
リーダーシップ理論の起源①:リーダーシップ特性論
まず、リーダーシップ理論の一番初めの起源についてです。古代ギリシャの時代【~1940年代】から長く主流となっていたのが、リーダーシップ特性論です。「生まれながらに持っている特性」をリーダーシップとし、他より優れた何らかの資質を持っている偉人だけがリーダーになりうる、とされていた。とはいえ、判断の基準が曖昧とされており、理論的に限界を迎えたようです。
リーダーシップ理論の起源②:リーダーシップ行動論
二番目に変遷した起源は、リーダーシップ行動論【1940年代~1960年頃】という、リーダーシップ特性論の反対意見として現れたリーダーシップ理論です。1940年代に提唱され、「行動によってリーダーを作り上げる」ことを目的とされていました。どのような行動をすることでリーダーを量産できるか、という課題を当時は持っていたのです。しかし、このリーダーシップ行動論も、すべての状況に当てはめることができなかったため、時間の経過とともに問題点が指摘されていきました。
リーダーシップ理論の起源③:リーダーシップ条件適応理論
三番目に変遷した起源は、リーダーシップ条件適応理論【1960年代】という、前述のリーダーシップ理論とは異なり、すべての状況にあてはまる唯一無二の理論は存在しない、という考え方です。ある状況下では発揮されたリーダーシップが、ほかの状況においてはより適したリーダーシップの前ではくすんでしまう、ということです。つまり、誰であっても適応できる状況下にあれば、リーダーシップを発揮できる、ということです。
「ある特定の何か」を条件としない特殊な理論
リーダーシップ理論の変遷状況の変化により、求められるリーダーシップも異なってくるという点から、1960年代に生まれてきたのが、リーダーシップ条件適応理論です。リーダーシップ特性論やリーダーシップ行動論とは異なり、『ある特定の何か』を条件としてうちだしてはいないリーダーシップ理論です。時代の変遷とともに、ちょっと特殊な理論です。
リーダーシップ理論の起源④:カリスマ的リーダーシップ理論
四番目に変遷した起源は、カリスマ的リーダーシップ理論です。決められたルールの中で取ればよかった既存の考え方では足りなくなったことで生まれたリーダーシップ理論です。将来のビジョンを描く能力が必要とされており、メンバーに「カリスマがある」と認知される、もしくはメンバーから「高い信頼」を得ることで皆を導く力を発揮する、そういったカリスマを持った人間性から提唱した理論です。
リーダーシップ理論の起源⑤:変革的リーダーシップ理論
五番目に変遷した起源は、変革的リーダーシップ理論です。カリスマ的リーダーシップ理論と重複しがちですが、こちらはより『掲げるビジョン』が重要としているリーダーシップ理論です。変革を実現するにはどのようなリーダーシップが必要なのか、を追求した理論ですね。永続的に企業を進化させようと思ったら、当然変革を求める強いリーダーシップが必要となってきます。
時代の変化に伴うリーダーシップ理論の変遷
1970年代~1980年代は経済の長期低迷化、急激な経営環境の変革に伴い生まれたのが、上記ふたつのリーダーシップ理論です。既存の価値観だけでは企業の成長が望めなくなったため、変遷していったリーダーシップ理論です。
リーダーシップ理論の5つの起源は時代と共に変遷している
リーダーシップ理論を変遷とともに5つ、見てきましたがいかがでしたでしょうか。時代によって求められてきたリーダーシップは異なるようです。生まれつきの能力であったり、行動によって育成すべきだったり、強いビジョンを持っていることが条件であったり。今その環境においてリーダーシップを発揮しようと思ったら、独自のリーダーシップ理論が必要なのかもしれません。
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