手紙の正しい書き方と今すぐ使える便利な季語

2016年11月29日手紙

手紙の構成を覚えよう

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まずは、手紙がどんな要素から成り立っているのか覚えましょう。手紙は、前文・主文・末文・後付け・副文の5つの要素から成り立つのが正しい書き方。ひとつずつ解説します。

手紙の正しい書き方要素①前文

前文とは、手紙を書くときの冒頭の挨拶の部分を指します。さらに、前文は3つの要素から成り立っています。

・頭語・・・前文のなかでも一番最初にくる挨拶で、末文の結語とセットで使用します。一般的には「拝啓」「前略」などがよく知られていますよね。親しい人なら、「こんにちは」などの挨拶でもOK。

・時候の挨拶・・・季節や天候に応じて、心情や季節感を表すような言葉。季語を用います。頭語から1字あけて書き始めましょう。

・安否、感謝、お詫びの挨拶・・一般的には相手の健康を気遣い、そのあと自分の現状を伝えますが、お礼状であれば感謝の言葉、お祝いであればお祝いの言葉がここに当てはまります。さらに、ご無沙汰していることに対するお詫びなどを加えることも。

手紙の正しい書き方要素②主文

主文とは、その名のとおり、手紙のなかでもっとも重要な本題となるべき部分。唐突にならないよう、本文に入るつなぎとして、起語を用います。起語とは、「さて」「このたびは」「先日は」「早速ですが」など。

主文は改行の位置にも注意しながら、目的を明確に簡潔に書くようにしましょう。改行の際、相手方を指す名詞が行末にきていないか、また自分を指す名詞が上部にきていないかもチェックしてください。これは、相手に敬意を払っていることを表すマナーです。

手紙の正しい書き方要素③末文

末文は手紙の締めくくりになる部分。「結びの挨拶」と「結語」から構成されます。

結びの挨拶は、「要件のとりまとめ」、「健康や繁栄を祈る言葉」「返信のお願い」などを、簡潔に書きます。結語は、先述したとおり、頭語とセットで使用します。「敬具」などが一般的です。

手紙の正しい書き方要素④後付け

後付けは、日付・署名・宛名・脇付から成り立ちます。

・日付…末文をのあとに改行して書きます。年号を含む日付を記載します。縦書きなら漢数字、横書きなら算用数字を用いるのがマナー。祝い事や季節の手紙の場合は日付を入れずに、「平成○年△月吉日」「201○年元旦」「平成○年盛夏」などと書くこともあります。

・署名…差出人の名前をフルネームで書きます。改行して、文末の結語の語末にそろえる位置にします。また、代筆した場合は「代」「代筆」、妻が代筆した際は「内」と、署名のあとに少し小さい文字で書きます。

・宛名…改行して、行頭から少し大きめの文字で書きます。名前はもちろんフルネームで。宛名には敬称をつけ、ビジネスシーンで送る手紙の場合は、会社名や役職もきちんと書きましょう。連名にする場合は、それぞれの名前に敬称をつけてください。

【敬称の例】

様、殿、先生、御中など

手紙の正しい書き方要素⑤副文

副文とは、主文で書き忘れた要件を加える場合、とくに念を押したい要件を目立たせる場合などに書きます。「追伸」などがよく使われます。そのほかには、「再伸」「追って」「拝啓」「なお」などの言葉があります。

ただし気を付けたいのが、副文は弔事、結婚、お見舞いなどの手紙や、目上の人に宛てる場合は使用してはいけません。「重ねて申し上げる」という意味が含まれるため、上記の場合は重ねるイメージが失礼にあたってしまうからです。副文は、親しい人への手紙のみの書き方と覚えておきましょう。ビジネス文書の案内状などで、本文と分けて日時や場所の詳細を書く場合は、「別記」として記載してください。

手紙で使いやすい季語【1月~12月】

手紙の書き方を把握したとこで、つづいて手紙で使いやすい便利な季語をご紹介します。季語は、前文の「時候の挨拶」にあたる部分に使用します。1月~12月までそれぞれお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

手紙で便利な季語【1月】

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・新春の候

・厳寒の候

・厳冬の候

・大寒の候

・寒冷の候

・寒気厳しき折でございますが、

・本格的な冬の到来を迎え、

手紙で便利な季語【2月】

・晩冬の候

・残寒の候

・上春の候

・立春の候

・余寒の候

・残寒の候

・余寒なお厳しい昨今ですが、

・春とは名ばかりの寒さ厳しい日がつづいておりますが、

手紙で便利な季語【3月】

・軽暖の候

・早春の候

・春暖の候

・春分の候

・このところ急に春めいてまいりましたが、

・寒さもようやくゆるみ始めたこのごろ、

・春光うららかな季節となりました。

・やわらかな春の日差しが感じられる季節になりましたが、

手紙で便利な季語【4月】

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・麗春の候

・惜春の候

・春嵐の候

・春風が心地よい季節になりましたが、

・花便りが各地から届くこのごろ、

・桜花も散り葉桜の候となりました。

・いつのまにか桜も盛りを過ぎて、

手紙で便利な季語【5月】

・若葉の候

・緑風の候、

・新緑の候

・初夏の候

・立春の候

・爽やかな季節となりましたが、

・気持ちのいい五月晴れがつづきますが、

・澄みわたる五月晴れのさわやかな日がつづいていますが、

手紙で便利な季語【6月】

・初夏の候

・入夏の候

・桜桃の候

・小夏の候

・梅雨の候

・梅雨空のうっとうしい季節となりましたが、

・庭のあじさいが雨に美しく濡れています。

・ここ数日、梅雨寒の日がつづいていますが、

手紙で便利な季語【7月】

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・盛夏の候

・大厚の候

・酷暑の候

・猛暑の候

・暑中お見舞い申し上げます。

・暑さ厳しき折ではございますが

・長かった梅雨もようやく明けようとしていますが、

・日ごとに暑さが増してきましたが、

手紙で便利な季語【8月】

・新緑の候

・晩夏の候

・残暑の候

・立秋の候

・残暑お見舞い申し上げます。

・残暑きびしき折、

・立秋とは名ばかりの暑い日がつづいておりますが、

・夏も終わりを告げようとしていますが、

手紙で便利な季語【9月】

・初秋の候

・早秋の候

・清涼の候

・爽涼の候

・朝夕はずいぶん涼しくなりました。

・長かった酷暑もようやく落ち着きましたが、

・清々しい秋晴れがつづくこのごろ、

・日増しに秋の深まりを感じるころとなりました。

手紙で便利な季語【10月】

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・清秋の候

・秋冷の候

・秋涼の候

・秋の夜長、

・味覚の秋、芸術の秋となり、

・風がさわやかな秋晴れの日がつづいていますが、

・秋空にいわし雲が浮かぶ季節になりましたが、

・そろそろ紅葉が楽しめる季節となりました。

手紙で便利な季語【11月】

・暮秋の候

・深秋の候

・向寒の候

・寒気の候

・夜の寒さが一段とこたえる時節になりましたが、

・日に日に秋が深まり、露寒の季節となりましたが、

・日増しに寒さもつのり、

・木枯らしが吹きはじめ、冬の訪れを実感する季節になりましたが、

手紙で便利な季語【12月】

・師走の候

・歳末の候

・初冬の候

・初雪の候

・師走に入り慌ただしくなってきましたが、

・寒さがひとしお身にしみるころとなりましたが、

・今年もいよいよ残りわずかとなってまいりましたが、

・本格的な冬の到来を迎え、

・師走に入り、ご多忙な日々をお過ごしのことと拝察いたします。

手紙の正しい書き方を把握し適切な季語を使おう

手紙を書いた経験がある人は多いと思いますが、手紙の正しい書き方を把握している人は、案外少ないのではないでしょうか? 実は、手紙の書き方はこんなにも細かく決められていたんですね。

また、季語もたくさんご紹介しましたが、これ以外にも季語は数多く存在します。オリジナルの季語を考えてみるのも楽しいですよね。正しい書き方を踏まえたうえで、心のこもった世界にひとつだけの手紙を書いてみてください。きっと相手に気持ちが通じるはずです。

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2016年11月29日ビジネス

Posted by BiZPARK