「これに懲りず」がビジネスシーンに不適切である理由3つ

2016年11月29日敬語

使わない方が良い理由① 「これに懲りず」は敬語ではないから

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「懲りる」という言葉の意味は嫌な出来事にあって、再度同じ経験をする気力がなくなること

そもそも「懲りる」という言葉は、「嫌な出来事にあって、再度同じ経験をする気力がなくなってしまう」事を指しています。誰の目にも分かるように、「これに懲りず」という言葉は、敬語ではありません。

「これに懲りず」尊敬語とすると気づく違和感

「これに懲りず」を今度は尊敬語にして考えてみましょう。

「これに懲りず、またまたお越しいただければ幸いです。」という文章の中で、明確な主語は存在していませんが、誰に対して言っているのかは明白です。

この文章の主語は、「顧客」なので、「懲りる」に尊敬語を用いると「これに懲りられず」「これにお懲りにならず」となるはずです。しかし違和感がものすごいことになってしまいますね。

使わない方が良い理由② 「懲りる」という言葉には失敗というニュアンスがあるから

さまざまな辞書で調べてみると、実に数種類いの紹介文が記載されています。

しかしながら、どの辞書にも共通しているのが「何かに失敗して二度とやるまい」ということで、要するに「失敗して」というニュアンスが含まれています。

「これに懲りず」を相手方に用いる場合には、「あなたは失敗しましたね」ということを伝えるということになります。相手に失敗したことを指摘するのは失礼極まりないことなので、敬語として使用する場は限られるでしょう。

さらに、「懲りる」は自分や目下の人に使われる言葉

「あなたは失敗しましたね」と相手に指摘する状況はめったにありません。そして相手に対して、敬語などを用いて尊敬を示さねばならない状況が、それに該当しないのは明らかです。

例えば、

「これで懲りたはずだ。もう悪いことはするなよ。」

「ギャンブルで借金をつくるなんて信じられない。懲りるってことを覚えなさいよ。」

このように、自分や目下の人間に用いるのが当然なのです。「これに懲りずに精進していきます。」なんて言葉は謙虚で美しいですよね。

ビジネスシーン使わない方が良い理由③企業や店が詫びるときも「懲りず」は適さないから

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企業や店が顧客に詫びる場合、失敗をしたことで反省をするのは店のほうですよね。もし顧客が店側からひどい仕打ちをされてしまった場合は、「不運」です。

決して顧客の「過失」ではありません。店側の人間が不快な思いをした顧客に対し、「これで懲りず」という言葉を使ってしまうと、「懲りるのはそっちのほうだ!」と顧客の怒りを大きくさせてしまう可能性だってあるのです。

正しい言葉の正しい敬語を使うことが重要です。

表現方法を変えてお詫びの言葉をいうほうが無難

「これで懲りず」を言いたい時には「これで懲りず」を敬語を用いた上で活用するためには、大前提として「顧客の怒りを買わないようにする」ことが必須です。

失敗して反省する言葉を、何があっても「顧客」を主語にして用いないようにしましょう。

「この度は本当に申し訳ございませんでした。二度とこのようなことがないように努めて参ります。今後もご来店いただけましたら幸いでございます。」という敬語を用いたほうが誠意が伝わるでしょう。

ビジネスシーン使わない方が良い理由は「これに懲りず」は敬語ではな適切ではないからです

「これで懲りず」の敬語と、正しい言葉の使い方について御紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

もし目上の存在に謝罪するときに「これで懲りず」という言葉を使いたいのであれば、「私どもは心から反省しております」ということを誠実に伝えることが必須です。「これで懲りられず」などの違和感のある敬語を用いるよりは、「これで懲りず~」よりも「二度とこのようなことがないように~」という詫び方を用いるのがマナーでしょう。

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2016年11月29日ビジネス

Posted by BiZPARK