退職手当金等受給者別支払調書の書き方と注意点

2017年1月16日2020年3月31日退職手当

退職手当金等受給者別支払調書は該当者が死亡した際に提出する書類

退職手当金等受給者別支払調書とは、従業員が死亡した際に提出する書類のことです。死亡したあとに支給した場合は所得税は課税されず、退職所得の源泉徴収ではなく、退職手当金等受給者別支払調書を税務署に提出することとなっています。

遺族などで退職手当金を受け取ったと判定された人が提出する

従業員が死亡した事で退職金を遺族など複数の人が受け取る事になった場合には、退職手当金を受け取ったと判定された人だけが退職手当金等受給者別支払調書を提出する必要があるので注意しましょう。

判定基準に該当した場合に退職手当金等受給者別支払調書を作成する

退職手当金等受給者別支払調書は、判定基準に該当した場合に作成が必要になります。その基準が以下の通りです。

この基準に合うかどうか、注意して確認しましょう。

1.退職給与規程およびそれに準ずるものの定めによって退職手当金の支給を受ける人が具体的に決まっている場合には、退職給与規程によって支給を受ける事となる人を「退職手当金を受け取った」と判断します。

2.退職給与規程によって退職手当金を受け取る人が決まっていないケースでは、相続税の申告書提出までの期間に退職手当金を相続によって受け取った人を「退職手当金を受け取った」と判断します。

この判断基準で退職手当金を受け取ったと判断された人は、退職手当金等受給者別支払調書を提出する必要があるので覚えておきましょう。

退職手当金等受給者別支払調書の書き方で注意すべき点

従業員が死亡した事によって、退職金を受け取る人が従業員の家族など、複数人存在するケースがあります。この場合は記入に注意が必要です。

退職手当金等受給者別支払調書の受給者欄には、それぞれの受け取り人の名前を書く必要が出てきます。間違っても、退職手当金等受給者別支払調書の受給者欄に「代表　～」と、受け取り人の代表者のみの氏名記入で済ませようとしてはいけないので、注意しましょう。

受取人の名前はそれぞれ書く必要があり受給者ごとに提出する

退職手当金等受給者別支払調書の提出を、省略する範囲の金額基準であるかどうかについてですが、こちらは退職金を受け取る受給者別に判定が行われる事となります。

退職手当金等受給者別支払調書は受給者ごとに提出する、という決まりがあるので、必ず受給者ごとに提出するよう注意しましょう。

退職金が「みなし相続」と認定された場合の注意すべき点とは

従業員が死亡した事によって、退職手当金が遺族である相続者に「みなし相続」として認定された場合には、退職手当金等受給者別支払調書を提出しなくてはいけないので注意しましょう。

これは、相続税法の中に「みなし相続人は退職手当金等受給者別支払調書を提出しなくてはいけない」という条項がある為です。

所得税が課税されない場合は退職所得の源泉徴収票を提出する必要がある

基本的に退職手当金等受給者別支払調書は、従業員が死亡した場合に支払われる、退職手当金に関係する支払調書です。死亡した従業員に支払われる退職手当金の内、退職者の死亡後に相続税の課税価格計算における基礎に算入される部分については所得税が課税されない事になります。

所得税法の基本通達によって定められている条項により、退職所得の源泉徴収票を提出する必要が出てくるので注意しましょう。

退職手当金等受給者別支払調書は退職金の相続状況や名前の書き方に注意しよう

死亡による退職、そして退職手当金の受け取りはお葬式や各種の手続きなどで、退職手当金等受給者別支払調書を提出する事を忘れがちです。

しかし、死亡による退職の場合にその退職手当金を受け取った人は、退職手当金等受給者別支払調書を提出する事が義務付けられていますので、忘れずに提出するよう注意をしましょう。