育休中に退職を考える際に知っておくべき育児休業給付金の注意点
育休中にもらえる育児休業給付金とは?
厚生労働省が定める育休中にもらえる育児休業給付金とは、どんな給付金なのでしょうか。既に申請をしたり、もらっている人もいるかもしれませんが、今一度条件などを確認しておきましょう。特に退職を考えている人は、要注意です。
育休時に雇用保険から給料の30%を支給する制度
まずは、育児休業給付金について説明します。育児休業給付金とは、「働く女性が育児休業をとったとき、雇用保険から給料の30%を支給する」という制度です。最長で10ヶ月間の育児休業給付金を受け取ることできます。
ただし、育児休業給付金を受け取るためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
・「雇用保険の被保険者であること」
・「過去2年間に、賃金支払い基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あること」
・「休職中に給料が支払われないこと」
この3つの条件を満たしていれば、育児休業給付金は支給されますが、逆にこの条件から1つでも外れた場合は、支給がストップする事を覚えておきましょう。
妊娠や出産後すぐに退職してしまうと支給されない
つまり、育児休業給付金を受け取るためには、会社員でいる必要があるのです。なので、育児休業給付金をもらって退職する方法の一つ目は、「妊娠後、すぐに退職してしまわないこと」です。
出産・育児のために退職する方は多いですが、妊娠や出産後すぐに退職してしまうと、雇用保険の被保険者ではなくなってしまいます。その場合、育児休業給付金を受け取る事ができません。
「子供ができたら働くつもりはない」という方も、すぐに退職してしまわず、まずは育児休業を取得するようにしましょう。
育休中にもらえる育児休業給付金の支給対象は「働く女性」
育児休業中、「復帰するつもりだったけれど、育児しながら働くのは無理だわ」と考えが変わる方もいるでしょう。このとき、すぐに会社に退職の意志を伝えるのは、育児休業給付金の面からいうと、よくありません。
というのも、育児休業給付金はあくまで「働く女性」が対象なので、「育児休業後、復帰すること」が支給の前提条件なのです。
なので、会社に退職の意志を伝えてしまうと、その時点で「働く女性」ではなくなってしまい、育児休業給付金が支給されなくなってしまいます。
育児休業中は退職の意志を伝えない方が良い
以上のことを考慮すると、育児休業給付金を満額もらう為には、「育児休業給付金が支給される間は、退職の意志を会社に伝えない」ことが大切です。
「退職するなら早く伝えなきゃ、職場に迷惑がかかってしまう」という心配もあるかもしれませんが、育児休業給付金で損しないためには、退職の意志を伝えるタイミングには気を付けましょう。
育児休業給付金は退職日を含む1ヶ月分が受け取れなくなる
育児休業給付金をもらって退職するとき、退職日にも注意が必要です。育児休業給付金は退職日を含む支給単位期間については支給されないからです。
支給単位期間とは、育児休業開始日から1ヶ月ごとに区切った期間です。例えば、6月1日から育児休業を開始し、3月31日に退職の意志を会社に伝えると、3月分の育児休業給付金がまるまる受け取れなくなってしまうのです。
育児休業給付金の支給期間と退職のタイミングは重ならないよう注意
育児休業の扱いは会社によって異なります。退職の意志を伝えた時点で育児休業の対象外にする会社もあれば、退職届を出した時点や退職日に育児休業の対象外にする会社もあります。
退職の意志を伝えるときには、会社の規定などを読み、どの時点まで育児休業給付金をもらえるのかを確認しておきましょう。そして、育児休業給付金の支給期間と育児休業の対象外になる時期が重ならないように、退職のタイミングを決めましょう。
育休中は退職のタイミングを育児休業給付金の支給期間とずらすことに注意!
育休中に退職を考える際に知っておくべき育児休業給付金の注意点を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
出産・育児の予定がある方は、まず受け取ることができる給付金と支給条件を確認します。退職のタイミングによっては、育児休業給付金を受け取れなくなるからです。
国は「働く女性の出産・育児」に対する支援を強化しています。なので、「おめでた退職」をすると育児休業給付金以外の面でも損することがあるので、焦って退職しないようにしましょう。
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