所得税と源泉徴収税の違い【税金の基本】
違い①:所得税の所得とは「個人の1年間の全ての給与」+α
所得税とはその字の通り、所得に対してかかる税金のことです。対象は「個人の1年間の全ての所得」であり、この所得とは、給与のみを指すわけではありません。給与以外にも、利子や配当、不動産所得などといった10種類に分けられ、それぞれ所得の計算方法が定められています。
様々な控除を差し引いた所得が所得税の課税対象
ただ、この所得に、そのまま課税がなされるわけではありません。所得税には、個々の事情に応じて税負担を調整するために、控除というものがあります。個々の事情とは、扶養する家族・親族の人数や、医療費、保険料についてなど、様々に定められています。例として、配偶者控除や扶養控除、基礎控除といったものなどが、聞き覚えのある人も多いでしょう。これらの控除を差し引いた所得が、所得税の課税の対象となるのです。
違い②:源泉徴収税は会社が「記載金額分の税を納めた」と示すもの
次に、源泉徴収税についてです。給与所得のある人は、一般的に年末や1月などに、源泉徴収票というものを勤務先から受け取るでしょう。この源泉徴収票とは、給与の支払者である会社が、「これに記載してある金額の源泉徴収税を納めた」と示すものです。先に述べたように、給与所得も所得税の対象です。そのため、給与支払者である会社は、事前に給与から所得税を差し引き、納めているのです。これが源泉徴収税なのです。
給与の支払者が代わりに税を納めている
そして、そこに所得税と源泉徴収税の違いがあります。給与所得という、個人の所得にかかる税を、その給与の支払者が、代わりに国に納めているのだと理解して下さい。なお、源泉徴収税の税額や算出方法は、国税庁が「源泉徴収税額表」として毎年公表しているので、確認をすることができます。
所得税と源泉徴収税の違いからわかること
所得税と源泉徴収税の違いは、以上のようなものです。ところで、この違いをみて、ある疑問が浮かぶかと思います。それは、「1年の所得が確定する前にもう所得税を払っているの?」ということです。最初にご紹介した通り、所得税は、1年の所得から、控除を差し引いたあとのものに課せられる税です。なので、会社があらかじめ納めるこの方法の場合、実際に納めるべき金額と、違いが出てくるでしょう。
納税額と実際で生じる違いは「年末調整」で処理する
給与所得の場合、この違いは「年末調整」によって処理されます。事前に給与から引いて納めることによって生じる違い、過不足をそのように調整するのです。なお、所得によっては、年末調整だけではなく、確定申告の必要な人もいるでしょう。その際には、源泉徴収票が必要となります。
所得税と源泉徴収税の違いは税を会社が代わりに納めるかどうか
納めている税の基本を理解しましょう。給与明細を見る際に、手取りの給与の額だけを見ていないでしょうか?そんな人は、あらためてじっくり見直してみましょう。給与明細には、様々な情報が記載されています。給与から何が天引きされているのか、それは何のためのものなのかを確認するよい機会です。
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