部下のモチベーションを上げる方法と慕われる上司になるコツ
上司は部下のモチベーションまで気をつかうべき?
そもそもモチベーションとは、「動機付け」を意味します。動機付けとは、きっかけや好奇心等から何かをはじめ、目標に向かって行動することです。モチベーションには、自分から行動を始める内発的なものと、命令等を受けて行動を始める外発的なものがあります。内発的なモチベーションの方が長く保たれ、外発的なモチベーションは短くなってしまう傾向にあります。
上司から指示を受けて仕事に取り組む場合、部下が持つのは外発的なモチベーションとなりますね。内発的よりも長続きしませんが、どのような影響を及ぼすと思いますか?
上司は部下のモチベーションまで気をつかうべきなのでしょうか?
モチベーションが低いと仕事の効率が悪くなる
外発的モチベーションは内発的モチベーションよりも長続きしない上に、「仕事にやりがいを感じない」「プレッシャーを感じる」など、さまざまな事情によって部下のモチベーションはさらに低下してしまいます。部下のモチベーションが下がると、仕事の効率が悪くなるだけでなく、チーム全体や職場の雰囲気が悪くなります。
部下の仕事の効率を上げて、チーム全体の雰囲気を乱さないためにも、上司として部下のモチベーションまで日頃からチェックしておくべきなのです。
部下のモチベーションを上げる方法とは
部下のモチベーションを上げる方法を具体的に説明しましょう。部下のモチベーションを上げるのは難しいことではありませんが、日頃からの積み重ねが肝心です。上司として、普段から意識して行動すると、部下のモチベーションを向上させることができます。
方法①:コミュニケーションをとる
部下とは日常的に仕事をしていくわけですが、限られた時間の中で部下とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくべきです。その上で上司として部下のお手本となり、仕事をサポートすれば自然と良好な関係になります。
ただし、コミュニケーションの取り方次第では、逆に部下から嫌われる上司になります。上司から一方的な会話を展開したり、親しくなろうとプライベートに関する質問ばかりをしていると、部下から「うっとうしい」「話したくない」「勘弁してほしい」と思われる可能性が高いですね。当たり障りのない、ちょっとした雑談がいいでしょう。
上司と部下の関係が良好だと、部下のモチベーション向上につながるので、上司としてしっかり気を配りましょう。
方法②:正しく評価する
部下が仕事でミスをしたら注意して終わり、仕事を終わらせた部下を労わない・褒めないなど、部下に関心がないような態度ばかりと取っていると部下のモチベーションが下がるのは当然ですね。
部下に関心があるとアピールするためにも、上司は部下を正しく評価する必要があります。安易に褒め過ぎるのは逆に部下のためにはなりませんが、仕事が上手くできたら一言労いの言葉をかけて褒める、仕事に対する努力を認めるなど、部下を評価するよう心がけましょう。
方法③:自分自身のモチベーションも高く保つ
部下のモチベーションを上げたいなら、上司自身のモチベーションも高く保つ必要があります。上司のモチベーションが
低ければ、部下のモチベーションが上がったとしても温度差ができてしまい、結果的に上司につられて部下のモチベーションは低くなります。
上司としての見本を示すためにも、自分自身のモチベーションもしっかり管理すべきですね。
部下との関係や職場の雰囲気を良くするためには
部下との関係が良好なものではない場合、仕事だけでなく職場の雰囲気も悪影響を及ぼします。仕事や職場に支障をきたさない、迷惑をかけないためにも部下とは良好な関係を保つべきであり、さらにそれを部下に教えるのも上司の仕事です。
「何でも言ってくれ」はNG
仕事を任せる部下に対して「何でも言ってくれ」という上司をよく見かけますよね。実は、この言い方はあまりよくありません。仕事で「何でも言ってくれ」と部下に言った場合、逆に何も言えないパターンと、遠慮なく何でも言うパターンのどちからかに分かれます。どちらも極端で困ってしまうでしょう。
仕事をする上では、目標や目標値を設定し、達成を目指して働きますね。ですから「何でも言ってくれ」と言って仕事を任せるのではなく、「現状と目標の差は何か」「どうしたら差を埋められるのか」を軸にやり取りをしましょう。
部下としては問題が具体的で考えやすく、上司に意見を求めやすい。上司としては部下の意見や質問に答えやすい。という側面もあります。問題を共有し、やり取りとしていけば自然と良い上司と部下の関係になるでしょう。
話の内容はポジティブなものだけにする
部下と会話をする際、話の内容はポジティブなものだけにするよう心がけましょう。関係が良くなるだけでなく、職場の環境も良くなります。部下からポジティブな話を聞いた時は、少し大げさにリアクションするといいですね。
自分からネガティブな話を振らないようにするだけでなく、部下から話を振られたときも軽く聞き流しましょう。このときに「そういう話はよくない」と注意するのはNG。余計にネガティブになります。
部下の心を掴む上司になるには
部下から嫌われる上司もいれば、部下から慕われる上司もいます。部下から慕われるには、どうすればよいのでしょうか?部下の心を掴む上司になるためのポイントを紹介します。
仕事を任せるときに「なぜ必要なのか」を説明しフォローする
仕事を部下に任せるときは、まずなぜその仕事が必要なのか、その仕事が部下の成長にどう繋がるのかを説明しましょう。それから仕事の進め方を教えます。部下に一人で仕事をさせてみて、頃合いを見計らって疑問や分からない部分はないかを聞いてください。進み具合をチェックするのも忘れずに。常に部下に張り付くのではなく、部下一人に仕事をさせてみるのがポイントです。
適度にフォローを入れれば、部下も上司に質問しやすくなります。上司が細かい目配りをすることで、部下も安心して
仕事に専念でき、信頼関係が作られます。
上司から話しかける
上司の立場にいる人の中には「必ず部下から上司に話しかけるもの」と思っている人も多いでしょう。その考えが間違いとは言い切れませんが、これだと部下からはすれば近寄りがたく、話しかけにくい上司と思われます。
部下から寄ってくるのを待つのではなく、上司の方から挨拶をしたり、出勤時や退勤時に一言声をかけるようにしてみましょう。ちょっとした挨拶だけで、関係はとても良くなります。
雑談を大切にする
雑談は仕事には不要と考えられていました。しかし最近では、ある程度の雑談をした方が仕事で良い結果が出せるということが判明しています。そういった意味でも、部下の心を掴むためにも、ちょっとした雑談を大切にしましょう。
心理学においては、自分のプライバシーを相手に開示すると、相手は好意を持ってくれ、好意をもつことで相手も心を開いてくれる効果があると考えられています。上司の方から雑談としてプライベートな話をすることで、部下も心を開いてくれるようになるでしょう。一方的なマシンガントークは逆効果です。簡単に話すよう意識してください。
部下の話は身体で聞く
部下の話をしっかり聞くことも大切です。上司からの積極的な挨拶や雑談、仕事のフォローを積み重ねると、部下の方から話しかけてくれるようになります。このとき、部下の話をしっかり聞くことで、関係はますます良いものになります。
しっかり話を聞くとは、耳を傾けて相槌を打つだけでなく、身体全体で聞く姿勢を指します。表情や態度からでも、相手が話を聞いているのかいないのかはすぐわかります。身体全体で話を聞けば、部下は話を聞いてもらえたと満足し、部下の心を掴めます。
部下を成長させる上司の特徴
世の中には、部下を成長させる上司とダメにする上司がいます。部下を成長させるのもダメにするのも上司次第、とも言えますね。部下の立場にいる人にとっては死活問題です。上司という立場にいる以上、責任を持って部下を成長させなければなりません。
部下を成長させる上司の特徴とは?
結果に厳しく主体性を重視する上司は部下を成長させる
部下を成長させる上司とは、結果に厳しく、主体性を重視する上司です。目標を持って仕事をすると、パフォーマンスは高くなると言われています。目標を設定し、達成するための手段を考え、厳しく結果を追求するうちに部下は成長していきます。
結果が出ればいいというわけでもなく、目標達成までの過程も大切です。結果が悪かった場合はそれまでの過程を振り返り、改善を図ることで次に生かせます。過程を無視して悪い結果を責めるだけでは、同じ結果の繰り返しになります。
また、上司の中には「上司の指示が絶対」という考えの人も多くいます。この考えの人の場合、部下の意見はすべて却下する傾向が強いため、部下の主体性はなくなってしまいます。部下の意見にも耳を傾け、なぜそう考えるのかをしっかり聞いてください。こうすれば、部下は主体性があり、自発的な人材に成長できるでしょう。
部下の意見が一理あるなら、仕事に良い影響となります。部下の意見が間違っているとしても、丁寧に指摘して教えれば、部下は学んだ知識をその後の仕事で活用できます。
部下のモチベーションを上げて成長させるのが上司の仕事!優しいだけはNG
部下のモチベーションを上げ、成長させるのは上司の仕事です。優しい上司は好かれますが、優しいだけでは部下は成長できません。優しいだけの上司にはならないように注意してくださいね。
部下と良好な関係を築ければ、モチベーションアップや仕事の効率化だけでなく、職場の環境改善にもつながります。部下から慕われる上司になるためにも、頑張ってみましょう。
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