始末書では失敗しない!正しい始末書の書き方
始末書とは何のためにあるのか
始末書は、会社にとっては反省してほしいからというよりも、もっと大切な意味合いをもった文章になってきます。自分のためだけでなく、会社のために書く文章なので、しっかりと始末書の重要さを理解しましょう。まず、始末書を会社が求めるのは、もし今後解雇をせざるを得なくなった場合にその証拠として使うのが大きな理由です。かなりネガティブな理由とはいえ、会社側はリスク管理を行わなければならないため仕方ない面もあります。
強制的に書くのは認められていない
ただし、始末書の記入は必ず書く必要があるわけではありません。例えば就業規則などに書かれていないのに強制的に始末書を書かせるのは認められていません。日本国憲法第19条にある「思想・良心の自由に反する」に該当する恐れがあるからです。ただし、不祥事を起こした当人が始末書を書かないと伝えても、どのような不祥事を起こしたかを本人による自筆で提出させることはできます。それだけでも上記の証拠として十分成り立つでしょう。
なお、始末書は会社に重大な損害を生じた場合に、上司の指示を受けたうえで記入するようにしてください。自発的に勝手に記入するのは認められていません。ちょっとしたミスに対しては上司によるけん責や注意指導など、会社側も柔軟に対応するでしょう。
始末書を書くときの流れと注意点
では、始末書は具体的にどのような内容を書くべきでしょうか。まず基本的な流れは以下の通りです。
始末書に書く内容
- 不始末の内容
- 起こした原因
- 不始末に対する謝罪や反省
- 同じ状況を繰り返さないと誓約する
- 寛大な措置のお願い
上記の5項目は最低でも書くようにしましょう。なお、さらに重大な内容に関しては別途報告書や顛末書が必要な場合があります。
誠実に短くはっきりと書くよう心掛ける
始末書の書き方で大切なことは短くはっきりと書くことになります。だらだらと申し訳ございません、もうしませんを連呼してもしょうがないのです。自らのミスを認め、次に繋げるためにも前向きな気持ちで書くと良いでしょう。
内容も誠実に、起こったことをありのまま伝えましょう。ネガティブな内容なので記入したくない気持ちもありますが、逆に会社側からの信用を損ねる結果につながりかねません。また、顛末書や報告書のように「~だ」や「~である」といった第三者的な文脈にしないでください。あくまでも当事者本人の反省として記入するのがポイントです。
基本的な始末書の例文
では、具体的にどのような始末書を書くべきなのか、ここでは例文を紹介しますので是非ご確認ください。
例文
○○店店長
□□部担当 ○○○○
始末書
私はこのたび、お買い得商品であった○○の売価設定を誤って設定したために売価違いを起こしてしまいました。
これは、通常行っている売価確認の業務が他の業務を優先して十分に行えなかったためであり、売価確認業務に対する認識が甘かった部分は否めず、弁解の余地はありません。
現在、売上確認により10名のお客様が間違った売価で購入したことがわかったため、該当のお客様へ返金対応などを行っております。
会社やお客様に対して多大なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
今後、同様の事態を繰り返さないためにも売価確認担当の細分化や売価確認時間の設定など対応をとることを誓いますので、このたびは寛大な処置を賜りますようお願い申し上げます。
始末書には原因や謝罪文を当事者目線で書こう
始末書にもたくさんの注意点がありますが、基本的な例文を参考に正しく書きましょう。会社側が始末書を求めるのは今後の解雇などの対象になったときの証拠として使われるのが大きな理由となります。一方記入する側としてはその評価を少しでも良くしてもらうようにしなければならないため、起こしてしまった不始末を記入し、素直に反省する必要があるでしょう。始末書を書くことがないよう、普段から気をつけることが大事ですね。
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