契約社員とは?派遣・正社員との違いとメリットデメリット
契約社員・派遣社員・正社員は雇用契約が違う
契約社員・派遣社員・正社員、加えてアルバイト・パートなどは、雇用形態の種類です。そしてこれらは、どのような雇用契約を結んでいるかによって変わってきます。契約社員・派遣社員・正社員の違いは、この雇用契約の違いなのです。
契約社員は期間を決めて企業と雇用契約を結ぶ
契約社員とは、有期雇用の社員です。つまり契約社員には雇用期間が決まっていて、その期間が過ぎると労働契約が終了します。この契約の際には期間だけでなく、給与や勤務日数、勤務時間などの条件が定められます。また、契約期間が終了する際、契約を更新するか終了するかは、企業と労働者の意思によって決められます。この契約を終了することを、「雇止め」と言います。
派遣社員は契約社員と違い、雇い主が人材派遣会社になる
人材派遣会社に登録し、そこから各企業に派遣されて働くのが派遣社員という雇用形態です。派遣社員も、雇用期間を定めて契約を行う点、期間満了時に契約を終えるか再契約するかを判断する点は契約社員と同じです。
契約社員との大きな違いは、派遣先企業ではなく人材派遣会社と雇用契約を結んでいるという点です。人材派遣会社から派遣期間や給与などの条件とともに仕事の紹介を受け、それに了承してから働き始めます。給与や福利厚生なども人材派遣会社から提供されます。派遣先企業は仕事の指揮命令をするという立場になります。
正社員は期間を定めない点が契約社員と違う
正社員は、もちろん企業と直接雇用契約を結びます。この点は契約社員と同じですが、雇用期間に定めがない点が違います。正社員は長期で働くことが前提となっており、働き続けられるように法律で守られている立場となります。解雇されたり、自分から辞めたりしなければ、働き続けることができるのです。
5年働いた契約社員は無期契約に転換できる制度が施行された
近年、改正労働契約法が施行され、「有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みで、無期労働契約に転換できる」ようになりました。これは企業側は拒否できません。つまり、契約社員が契約更新を重ねて5年以上働いた場合に、希望すれば雇用期間を定めない契約に転換でき、雇い止めの不安を解消できるのです。
しかし、これは正社員になれるという意味ではありません。雇用期間が無期になるというだけであり、給与などの待遇が良くなるわけではないので注意が必要です。昇給などを希望する場合は、契約を更新する際に企業と交渉しなければなりません。契約社員と正社員では、やはり待遇に違いがありますから、この違いは重要です。以下では、待遇の違いについても触れていきます。
正社員として働くために転職するのはアリ
このように一言で社員といってもいろいろな種類がありますが、やはり人気なのは正社員でしょう。しかし、契約社員や派遣社員に比べ、正社員での就職先を見つけるのは難しいのが現状です。そのため、転職することが正社員への近道になることが多いです。
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契約社員・派遣社員は非正規、正社員は正規という違いもある
契約社員・派遣社員・正社員の違いとして、正規雇用、非正規雇用という分け方も考えられます。正規雇用とは正社員のことと一般的に考えられます。そして非正規雇用には契約社員、派遣社員、臨時社員、アルバイト・パートなどが含まれます。
正規と非正規では待遇やキャリア形成の面で違いがある
正規雇用と非正規雇用では、待遇の面で様々な違いがあるのが一般的です。具体的には、非正規雇用は給与が低く、退職金、ボーナスがないといったケースが多いです。また、正社員は年齢や職能が上がるにつれて給与が上がるのが一般的ですが、非正規雇用には定期昇給が用意されていない場合が多いです。こういった点は契約の際にしっかり確認するとよいでしょう。
また、契約社員や派遣社員といった非正規は長期雇用を前提としていないため、キャリア形成がしにくいという点もあります。能力を高める機会が少なく、また任される業務そのものも、仕事を続けることで知識や技能が蓄積され次のキャリアに活かせる、といったものではないケースもあるようです。
社会保険に関しては正規・非正規で違いはない
ちなみに、社会保険に関しては正規・非正規で違いはありません。契約社員・派遣社員といった場合でも、労働時間などの条件を満たせば社会保険は企業や派遣会社から提供されます。アルバイトなどが社会保険に入っていないケースが多いのは、その条件を満たすだけの時間は働かない場合が多いからです。
契約社員・派遣社員・正社員それぞれのメリット・デメリットとは?
それでは、契約社員・派遣社員・正社員それぞれの、働き方のメリット・デメリットを見ていきます。上記にご紹介したように、正規雇用・非正規雇用の待遇の違いがありますが、契約社員と派遣社員についてはどのような違いがあるでしょうか。それぞれの雇用契約や待遇の違いからくるメリット・デメリットを確認していきましょう。
契約社員のメリットは期間が決まっているため辞めやすい点など
始めにご紹介した通り、契約社員は雇用期間が決められています。ですから、社内の人間関係が好きになれなかったり、仕事が自分に合わなかったりと、会社を変えたいと考える場合には、期間満了という良いタイミングがあるため辞めやすいです。
また、正社員と比べて時間的拘束が少ない契約である場合、自分の時間を作りやすい働き方であるといえます。募集自体も、正社員では募集がないけれど、契約社員では募集があるというケースがあり、自分がやりたい仕事につきやすい働き方でもあるといえます。
契約更新の際、契約内容について自分で使用者と話し合いができるのもメリットといえるでしょう。
契約社員のデメリットは収入・雇用の不安定さ
契約社員として働くデメリットは、上記「非正規雇用」でご紹介した通り、正社員と比べて待遇が劣ったり、キャリア形成につながりづらいケースがあるという点でしょう。
また、雇用期間が定められているのは辞めやすいというメリットでもありますが、企業側としても契約を終了する機会があるわけですから、雇用自体が不安定であるという点もデメリットだと言えます。
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契約社員にない派遣社員のメリットは派遣会社の力を借りられる点
上記にご紹介した、契約社員としての働き方のメリット・デメリットは、ほとんどそのまま派遣社員にも当てはまります。
しかし、派遣社員は人材派遣会社と契約しており、派遣社員の給与は人材派遣会社と派遣先企業で交渉して決められます。ですから、自分の希望を人材派遣会社側に伝えることによって、給与交渉を代行して行ってもらえます。自分で直接企業と交渉するのが苦手という人には大きなメリットです。
また、社員としての扱いについても、派遣先企業にとってみれば人材派遣会社とも契約しているわけですから、契約内容と違う業務や、過度な残業の指示はされにくいのです。
さらに派遣社員の場合、契約期間満了後に次の仕事の斡旋があるというのも、契約社員にはないメリットといえます。もし契約を更新されず雇い止めとなった際、契約社員は自分で仕事を探す必要がありますが、派遣社員は次の仕事を紹介されるケースが多いのです。
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派遣社員のデメリットは通勤費が出ないケースがあることなど
契約社員と比べた派遣社員のデメリットはとして、まず交通費が出ないケースがある点が挙げられます。契約社員の場合は交通費が出るケースが多いですが、派遣社員の場合はそうではないようです。その分時給が高いこともありますが、交通費は各人によって違いますから、人によっては痛手になるかもしれません。
また、ご紹介した通り派遣社員は派遣先企業から直接雇用されているわけではありません。そのため、社内の雰囲気や世代によっては、派遣社員であるというだけで、他の社員とは少し違う見られ方をしてしまうケースもあるようです。
正社員のメリットは安定した雇用と収入の高さ
最後に、正社員として働くメリット・デメリットを見ていきましょう。正社員はやはり、雇用が安定しており、各種手当、ボーナスや退職金が出るなど収入も高くなるのがメリットです。長期に働く前提ですから、スキルを培っていけますし、給与が段階的に上がるため、長期的に考えると一番収入が高くなるが正社員であるといえるでしょう。
また、もし退職することになった場合、それが解雇などの場合は会社都合退職となり、失業保険をすぐに受け取れるのもメリットの一つです。契約社員の期間満了に伴う失業の場合は、会社都合ではありませんから、失業給付を受けるために3か月の待期期間が必要になるのです。
正社員のデメリットは仕事量やストレス
正社員のデメリットは、仕事量やストレスが、契約社員や派遣社員と比べて大きくなりがちという点です。とくに、働き始めてみると自分に合わない仕事った場合や、社内の雰囲気が自分の肌に合わない場合に、精神的につらいかもしれません。
そういったときに、雇用期間が決まっている契約社員や派遣社員と違って、辞めるタイミングが見つけづらいのもデメリットの一つです。もちろん、思い切って転職に踏み切るべき場合もありますから、しっかりと判断する必要があります。
契約社員・派遣社員・正社員は雇用形態の違いによるメリット・デメリットがある
契約社員という働き方について、派遣社員・正社員と比べてご紹介しました。契約社員は、企業と直接契約する点が派遣社員と違い、雇用期間が定められている点が正社員と違います。その雇用契約の違いから、自分の時間を確保しやすく辞めやすいといったメリットや、昇給、キャリアアップが難しいケースがあるというデメリットがあるのが、契約社員という働き方です。
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