覚書の基本的な書き方と雛形の注意点【フォーマットあり】
覚書とは事実を証明するために作成する書類
覚書は、当事者同士の簡潔な同意を証明するための書類です。一般的にビジネスの場などで活用され、契約書と混同されることも多くあります。しかし、下記で詳しく記載しているとおり、覚書は契約書ほど効力は強くありません。混同してしまわないようにしっかり注意するようにしましょう。
まずは覚書についての基礎知識を身に付けておこう
まずは、覚書の書き方や注意点、雛形(フォーマット)・テンプレートのサンプルをダウンロードする前に、覚書についての正しい基礎知識を身につけておきましょう。覚書の書き方を知らずに雛形やサンプルを利用するとしても、もし内容に不備があったときの対応に苦慮するかも知れませんよ。基本的な覚書の内容を理解しているに越した事はありませんから、覚書を正しく書くためにも、しっかりと把握しておきましょう。
覚書は契約書の補助的な役割を担った「法的に有効な書類」
では、覚書とは何か?どういった法的効力をもっているのか?覚書についての認識について説明していきます。覚書とは、書式・形式としては契約書に近いもので、お互いが合意した同一内容の書面に、お互いが署名(又は記名)捺印し各自1通を所持します。そして覚書は、契約書では書かれていない詳細な内容、契約書内容の一部変更など、正式な契約書に記載されない当事者間で合意事項が記載させれる書類となります。つまり、覚書は契約書の補助的書類ではあるものの、一般的な法的な書類と同等として考えても良く、法的な効力も持つ書類なのです。覚書の主な用途は、以下の通りです。
●細則の制定
●既存の契約書の解釈上の疑問点を明確化
●契約の重要でない部分(例えば賃借料の金額など)の一部を変更
覚書の書き方と雛形(フォーマット)・テンプレートのサンプル例を紹介
覚書に関する基礎知識は身に付いたところで、正しい書き方の重要性はご理解いただけたでしょう。覚書がどういったものなのか、認識が固まったところで、次は覚書の書き方と正しい雛形(フォーマット)・テンプレートの、サンプル例をご紹介します。普段、テンプレートや定型書式などで覚書を作成している人も、この機会に確認の意味で覚書の書き方と、雛形(フォーマット)・テンプレートのサンプルを確認しましょう。
書き方で守るべき書式は「5項目」!漏れがないように注意
覚書の書式は、基本的に契約書と同様のものとなり、記載すべき文言等で必ず盛り込むべき項目は5つです。そては、以下の通りです。
1)当事者双方の署名捺印
2)日付
3)合意内容
4)文頭に、甲ОΟОΟΟと乙ОΟОΟΟは以下の事項に関して(合意、確認、承認)した。
5)文末に、以上を(合意、確認、承認)した証として、本書面を2通作成し、甲乙署名捺印の上、各々1通を所持する。
雛形(フォーマット)①契約合意に関する覚書のサンプル
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覚書
甲○○○と乙○○○は以下の事項に関して(合意、確認、承認)した 。
■合意内容の詳細を記入
以上を(合意、確認、承認)した証として、本書面を2通作成し、甲乙署名捺印の上、各々1通を所持する 。
平成○年○月○日 (必ず日付を記載する)
甲 住 所
会社名
役職
氏名______印
(自署又は記名/捺印)
乙 住 所
会社名
役職
氏名______印
(自署又は記名/捺印)
以上
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雛形(フォーマット)②契約書の条件変更をする際の覚書のサンプル
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平成○年○月○日締結の○○○契約書に付随する覚書
○○○(以下、甲と呼ぶ。)と○○○(以下乙と呼ぶ。)は、平成○年○月○日締結の○○○契約書の第○条について、双方同意の上、下記の件についてのみ例外を認めることとし、覚書を作成する。
記
(合意した事項を記載する。)
以上
平成○年○月○日
甲 住所、氏名______印
乙 住所、氏名______印
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フォーマット(雛形)を使い覚書を作成する際の注意点とは?
では次に、フォーマット(雛形)を使い、覚書を作成する際の注意点について見ておきましょう。正しい書式や必要な基本項目をしっかりと盛り込んでいる雛形(フォーマット)をサンプルに、覚書を作成したとしても、これからご紹介する大事な点を間違えてしまうと、もしかしたら取り返しのつかないミスにも繋がりかねません。なぜなら、最初に述べたように覚書は法的な効力を持っているからです。
テンプレート通りに記入せず内容の確認を! 間違って取り交わしても有効に
最初にも述べましたが、覚書はあくまでも確認の意味で取り交わす書類とはいえ、契約書と同等の扱いとなります。ですので、万が一当事者間で争いが生じた場合には、証拠として覚書の内容に従って判断がなされるケースがあるのです。当然ながら、契約書があったとしても、何も考えずにテンプレートの書式通りに埋めてしまった覚書の中に、自社にとって不利な条件があった場合は、相手が覚書を念頭に話を進めてくる可能性がある、という意味です。
契約書に似ている文書として、「覚書」のほかにも「確認書」「協定書」「念書」等がありますが、これらは表題を使い分けているだけです。覚書という文書で気を付けるべき点は、タイトルではなく内容です。お互いに、良く理解したうえで取り交わすのが大切なのです。
サンプル・覚書の雛形をダウンロードしたい方はコチラ
それでは最後にお待ちかね、覚書の雛形・サンプルをダウンロードできるサイトをご紹介します。上記である程度書き方と注意点がわかったかもしれませんが、契約書と同等に重要な書類ですから、慣れるまでは雛形やサンプルを利用しつつ、内容を精査する点に注力するのが良いでしょう。今では多くのビジネス文書がインターネット経由でダウンロード可能ですので、定型書式として利用しない手はありません。
雛形の無料ダウンロードサイト
覚書だけでなく、多岐にわたる幅広いビジネス文書の雛形、サンプルがダウンロードできるサイトです。もう既に活用しているビジネスパーソンも多いのでは?覚書だけでも複数のパターンがあり、自分が使いやすい雛形がきっと見つかるはずです。
覚書の書き方・雛形・テンプレートなどをまとめた覚書専門サイト
覚書の雛形や書式サンプルはもちろん、書き方のポイントや記載項目も詳しく説明されており、参考になるおすすめのサイトです。覚書を作成しながら、より理解したい人はこちらを利用すればわかりやすいでしょう。
覚書は法的に有効な書類!書き方と注意点を理解した上で雛形を参考に作成を
今回は、覚書の書き方と雛形を使用する際の注意点、そしてフォーマット・テンプレートDLサイト集をご紹介しました。繰り返しになりますが、覚書は契約書の補助的役割ですが、それでも法的な効力は発揮するのでビジネスにおける様々な場面で有効な文書です。記載内容に絶対に間違いがあってはならない書類なのです。
雛形(フォーマット)やテンプレートのサンプルをダウンロードして、それを元に覚書を作成するにしても、覚書の書き方や重みをきちんと理解した上で、じっくりと内容を精査して作成するのをオススメします。
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