覚書の締結や取り交わす時の注意点
覚書の注意点①:効力は日付がある日か署名・捺印をした時点から
覚書の締結、あるいは覚書を取り交わすとは、当事者双方が覚書に合意し、署名・捺印をする事で覚書に効力を持たせる事です。覚書の効力は、覚書の中に日付がある場合にはその時から、ない場合には署名・捺印をした時点から効力を持ちます。また、文書のタイトルが「覚書」であっても、その内容や締結方法が契約書と変わらない場合には、契約書と同じ法的効力を持ちます。
覚書を締結・取り交わす際の印鑑はシャチハタやスタンプ印は不可なので注意
覚書を取り交わす際には、署名・捺印の前に、もう一度覚書の内容を確認するようにしましょう。覚書だからといって、確認作業を怠ると、あとで後悔する事になります。署名では、甲欄と乙欄を間違えないように気を付けます。署名をしたら、捺印をします。このときの印鑑は実印でなくてもよいですが、重要な覚書の場合には、実印を使用するのが一般的です。シャチハタやスタンプ印は覚書の締結の際には印として認められないので使わないでください。
覚書の注意点②複数枚になる場合に押す契印と同じものを使う
覚書を締結して取り交わす際、当事者それぞれで覚書を保管するなど、覚書を複数部作成する場合には、割印をおしましょう。また、覚書が複数枚にわたる場合には、契印をおします。割印や契印には、当事者双方の印が必要です。つまり、一か所の割印・契印につき、二つの印を押すのです。割印はどのような印鑑でもかまいませんが、契印については、覚書に使用した印と同じものを使用しなければいけません。割印と契印は同じ印鑑でも大丈夫です。
覚書に捨印を押すと知らない間に内容を変更される恐れがあるので注意
また、覚書に捨印をする事があります。捨印とは、覚書の締結後に覚書に訂正箇所が見つかった場合に、いちいち訂正印を押す手間を省くためにあらかじめ欄外に訂正印を押しておく事です。しかし、捨印を押すときには注意が必要です。というのも、捨印を押すと、覚書締結後、知らないうちに相手に覚書の内容を変更される可能性があるからです。覚書を締結して取り交わす際には、捨印を求められたからといって気軽に捨印を押さないようにしましょう。
覚書の注意点②金銭のやり取りが発生する場合は収入印紙の貼り付けが必要
覚書を取り交わす際、収入印紙の貼付が必要です。収入印紙に関しては「契約書や領収書でないのだから必要ない」というのは間違いです。契約書と同じ効力を持つ、覚書の締結については、契約書と同じように収入印紙が必要です。収入印紙の要不要の判断をするときは、覚書を取り交わす際の合意内容により、当事者同士に金銭のやり取りが発生するかどうか、あるいは覚書の内容に金額の記載があるかどうかを一つの目安にするとよいです。
必要な覚書に収入印紙を貼りつけないと脱税行為で罰金が課されるので注意
売買契約や請負契約などで金額を記入している場合には、金額に応じた収入印紙を貼付けます。締結した覚書に収入印紙は必要かどうかが分からないときには、法務局に問い合わせましょう。収入印紙の必要な覚書に収入印紙を貼りつけていない場合、脱税行為として罰金がかせられます。罰金の額は、印紙額の2倍です。覚書を取り交わす際には、収入印紙の要不要についても、確認しておいてください。ちなみに、覚書に収入印紙を貼り忘れたからといって、その覚書が無効になる事はありません。
覚書を締結して取り交わす際は印鑑・契印・収入印紙に注意しよう
以上が、覚書の締結とは?覚書を取り交わすときの注意点についてです。覚書を締結して取り交わす際には、覚書の合意内容はもちろん、締結の手続き方法も大切です。必要な署名や捺印がないなどの、手続き漏れで覚書の効力がなくなってしまうという事がないように気を付けましょう。
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