決意してすぐに辞表を提出はNG!退職する前に準備しておきたいこと
準備すべき事
1.退職願の理由
退職するときに必ず会社に提出する「退職願」には「一身上の都合」と書いても構いませんが、退職理由によって会社都合か自己都合かが決まるため、本当の理由も聞かれます。
例えば会社都合になるような理由を告げ、その証拠を残すと国民健康保険軽減のほか、雇用保険の受給条件が有利になります。診断書をもらえる内容の体調不良による自己都合も、3ヶ月の給付制限なし・国民健康保険軽減が受けられます。
このように、退職理由で今後の収入が大きく左右される事を覚えておきましょう。
2.有給休暇の消化
退職すると無くなってしまう有給休暇は、残っているなら全部使い切って辞めましょう。
大手では有給の買取が行われるケースもあるようですが、基本的に残っている有給は消えるので、その分はただ働きと同じですから企業に有利なだけです。
引き継ぎと有給休暇取得を考慮し、退職願を出すタイミングを調整するとよいでしょう。
業務によりますが、退職日の3ヶ月から2ヶ月前までに退職願を出すと、有給消化がしやすいです。
3.業務の引き継ぎ
退職者の業務は会社に残った人に引き継がれます。
新しく雇い入れた人に引き継ぎさせる場合、業務以外にも会社のルールに慣れさせることも必要になるため、引き継ぎ事項が増えます。
自身の残務整理と引き継ぎを同時に行うため、今まで以上に忙しくなるでしょう。
また、引き継ぎ時は「資料」を残す事を心がけてください。
資料データの入ったDVDを作成して後任と管理職に渡しておくと、データを紛失された時の対応がスムーズに行われるので、おすすめです。
もらえるお金
1.退職金
退職金は、「退職金制度を有し、受給資格がある」時に支払われます。
例えば退職金制度があっても3年以上勤めないと支払われない、自己都合退職には支払われないなどのケースを考え、自社の退職金制度を確認しておきましょう。
また、退職金共済に加入している場合は、退職後に必要な書類をそろえて自身が請求しなくては受け取れませんので、ご注意ください。
2.雇用保険(失業保険)
雇用保険料を支払っている人がもらえるものです。
受給するためには、会社都合退職で6ヶ月以上の加入、自己都合では1年以上の加入が条件です。2年以内であれば合算が可能なため、例えば派遣で8ヶ月と6ヶ月の離職票があれば受給できます。
また、自身でハローワークに受給申請しないともらえませんし、離職日から1年以内しか受給できないので、離職票を会社から受け取ったら速やかに申請してください。
社会保障関係を知っておくこと
1.厚生年金から国民年金への切り替え
退職後、離職票か雇用保険受給資格者証を入手したら、お住まい市区町村役場に行って年金の切り替えを行ってください。
このとき、免除などの相談ができますから、利用するとよいでしょう。
国民年金は前払いすると安くなる制度があるので、少しでも節約したい人は前払いの利用をおすすめします。
2.健康保険は「任意継続」と「国民健康保険」のどちらが得か
退職すると今まで入っていた健康保険を2年間の任意継続することができますが、会社での支払い負担分も自身で負うことになるので、健康保険料は2倍ほどになります。
任意継続を選ぶときは退職日から20日以内に書類を送付してください。
国民健康保険は住んでいるところ、収入、扶養家族の人数などの条件によって大きく変わるため、お住まいの国民健康保険窓口にお問い合わせください。
国民健康保険の注意点として「離職票コード」によって請求額が変わることを知っておきましょう。
離職コードとは離職理由に対して付けられる番号で、上記の「準備すべき事-退職理由」でもありますが、やむを得ない事情で退職した人は支払いの軽減を最大2年間にわたって受けることができます。
任意継続と国民健康保険への切り替え、どちらが有利になるかはご自身で判断してください。
3.住民税は結構お高い
通常は給与から引かれている住民税ですが、無職になると負担が大きく感じます。
前年度の収入で決まってしまうため、退職した翌年度に就職していないと、精神的なダメージを受ける程の額に見えます。
どれだけの額を払うのか、他の保険料なども含めてシミュレートしておき、無職期間の支払いに備えることが重要です。
退職するだけに見えても、これだけの事を自身がやらなければいけません。そして誰も教えてくれませんから、自身で調べて判断する必要があります。
さらに、転職に向けての活動も続くのです。
これを読んで、退職する意志が揺らぐならまだ時期ではありませんから、考えを改めましょう。
決意が固まる人は、次に向けて歩んでください。
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