退職日が月末か一日前で変わる保険料負担額の違い
退職日が月末の場合は社会保険料折半というメリットがある
会社員の場合は健康保険と厚生年金保険に加入し、入社日に資格を取得し、退職日の翌日に資格が喪失されます。
その社会保険料は、「資格取得日を含む月から、資格喪失日を含む月の前月までについて、月単位で」支払うことになり、会社と社員が折半します。
退職日の月は保険料が半額の負担で済む
仮に4月1日に入社したのであれば、その日に資格を取得し、6月30日(月末)に退職したのであれば、その翌日の7月1日に資格を喪失します。
この場合、資格取得日を含む月の4月から、資格喪失日を含む月の前月6月まで、4月、5月、6月の3カ月分の社会保険料が折半されます。つまり、最後の6月分の社会保険料の支払も「社員は半額の負担で済む」のです。これが退職日が月末の場合のメリットです。
退職日が月末一日前の場合は様々なデメリットが生じる
一方退職日が月末の一日前だと、社員は様々な面でデメリットが生じてきます。どういうことでしょうか?仮に保険料を未納にすると、病院にかかった場合、いったん「治療費は全額自己負担」にならざるを得ません。
また年金は国民年金保険に加入しなければならず、これも保険料は「全額自己負担」です。未納した場合、その期間によっては「受給資格を失う恐れ」もあります。
退職日の月に支払う保険料は全額自己負担になる
たとえば月末一日前の6月29日に退職したとすると、その翌日の6月30日に資格を喪失します。
この場合、資格喪失日を含む月の前月5月まで、4月、5月の2か月分しか社会保険料は会社と折半されません。最後の6月分は国民健康保険か任意継続で社会保険に加入することになり、支払う保険料は「全額自己負担」となってしまいます。
退職日を月末一日前にすると一見得したように思う
既に述べたように、退職日を月末一日前にすれば、健康保険料と厚生年金保険料を1か月分支払わなくて済みます。
毎月給料から天引きされていた分が減るので、「一見得した気分」になります。会社としても、その分人件費を多少なりとも削減できるので、メリットといえます。
退職日が月末一日前のほうが実際デメリットの方が大きい
しかし社員としては、健康保険料と厚生年金である社会保険料の折半で済んでいたのが、国民健康保険料などと国民年金保険料の「全額負担になるというデメリット」が出て来ます。
また支払う保険料は給料からの天引きではなく、自分で納付する事になるため、保険料の未納に陥る恐れもあります。そうなると、その分「給付面その他で不利」になってしまいます。
退職日は月末にした方が一日前の退社と比べても保険料の支払額で損しない
会社員だと社会保険料は給料から天引きされるため、「今月もこんなに引かれて損した」と思う人が多いのではないでしょうか。そこで「月末一日前に退職したら、最後の1か月分社会保険料が浮く」と言われれば、そうしようという気になりがちです。
しかし、ここまでで紹介してきたように退職日は月末にした方が結論としてよいでしょう。
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