さとり世代の特徴7つ&仕事における取扱い説明書
さとり世代とは?
主に1990年代生まれの若者
2013年に「さとり世代」という言葉が流行語大賞にノミネートされました。この言葉は、あたかも現実を悟っているかのような現代の若者の性質を表現しているのです。 また、さとり世代の年代にはさまざまな説があります。さとり世代は、1987年~1996年生まれの人のことを指したり、ゆとり世代の次の世代とも言われていますが、主に1990年代生まれの人達のことを意味するようです。
ゆとりとさとりの違い
しばしば同義語のように思われがちな、ゆとり世代とさとり世代。明確に大きな違いはなく、「ゆとり」と言われるのを嫌がった若者が「さとり」という言葉に置き換えたとも言われています。また、ゆとり世代よりもさとり世代の方が、物事を感覚や経験でなく論理的に考える傾向にあるので、合理主義者が多いと言えるでしょう。
堅実で高望みしない若者
さとり世代は、バブルを経験した親に育てられ、物心つくころには世の中は不景気のど真ん中にありました。早くから不景気を経験している彼らは過剰消費に興味がなく、石橋は叩いて渡るものだと思っています。高望みはせず、いかなる時も現実重視です。また就職氷河期や団塊ジュニア世代のことも知っているので、現実とは厳しいもので堅実な生き方こそが安定へと繋がると思っているのかもしれません。
なぜ悟ったのか?
バブル崩壊後の不況
なぜ、さとり世代は悟ってしまったのでしょうか。まず考えられるのがバブル崩壊後の不況を知っていること。高度経済成長期やバブル期を知っている人は、景気が良い時代を経験しています。しかし、さとり世代は生まれた時はバブル崩壊後、不況につつまれた世の中で育ってきました。そのため今まで不景気しか経験したことがなく、「人生は安定が一番」と悟ったのかもしれません。
インターネットの普及
現代ではインターネットの普及により、お金を使わなくても満足感を得られるのです。スマフォを開けばSNSで誰かと繋がれ、CDを買わなくても音楽は聞ける。雑誌を買わなくても「コーディネート」と打ち込めば流行ファッションを知ることができる。このように、さとり世代の欲求はインターネットで満たされるようになったのです。そして欲求がインターネット上で満たされると、徐々に熱を持たなくなり冷めたように悟るようになりました。
モノに不自由したことがない
さとり世代はモノに不自由を覚えるような経験をしたことがありません。世の中がいくら不況だと言われても、プチプライスでモノを手に入れることができます。そして高級品の価値が分からず、実用性を重視するようになりました。 バブル世代のように「高ければいい」「高級品こそ価値がある」という意識を持つことがでず、無駄なものに感じてしまうようになったのです。一見無駄に見えても実は価値があると言われたところで、合理的に考えて判断する習慣が身に付いているので、無駄だと感じてしまうのかもしれません。
さとり世代の特徴7つ
①:欲がない
「さとり世代の人たちは欲がない」と聞いたことがあると思います。車・酒・ギャンブル・高級品にも全く興味がないなんてことも。高望みすることにメリットを感じないのです。そして、昔のように消費欲が旺盛でファッションブランドのコレクションに反応したり、周りに自分を大きく見せるための消費をしたりしません。
②:インドア
休日に外へ出てアクティブな活動をするより、家にいてゆっくりと過ごすことが好き。わざわざ外へ出なくても、家にインターネットさえあれば暇はつぶせるし誰かとコミュニケーションを取ることができます。
③:コスパ重視
さとり世代の多くは倹約家とも言われていますが、決して消費が嫌いなワケではありません。買い物をするときに重要視しているのがコストパフォーマンスです。かけた費用に対してどれだけ得られる価値が大きいかが買い物のときの決め手になります。
例:「安い値段で買ったのにこんなに使える!」→消費へと繋がる
④:結果が大事
「結果よりも過程が大事」なんてことを言いますが、さとり世代は途中経過よりも結果に重きを置いています。 例えば、板前を目指している人がいるとしましょう。一人前になるには師匠から技術を教わる必要があります。もちろん、すぐに包丁を握らしてもらえるわけではなく、掃除や料理の盛り付けなどばかり。やっと包丁を持てたとしても、野菜の皮むきだけなんてことも。 ここでゆとり世代より上の人達は「師匠についていくのも仕事の一つ!」「板前として一人前になるには、包丁さばき以外にも重要なことがある!」なんて思うのではないでしょうか?。しかし、さとり世代からしたら過程よりも結果が大事。修行する時間を有効活用して、スキルさえ身に付ければいいと思うので、結果が伴わない努力なんて無駄に感じてしまう傾向にあるのかもしれません。
⑤:人間関係に淡泊
さとり世代は争い事を好まず、良好な人間関係を求めています。かと言って深い人間関係を求めているわけではなく、必要以上に干渉し合いません。そのため「あ!この人めんどくさい人だ」なんて思うと、関わらない方が無難と考えます。また「どんなことを考えているのかな?」「あの人のことを知りたいな…」なんて興味はあまり持ちません。 さとり世代にとって穏便が一番。必要以上に関わってめんどくさいことになる方が嫌なのです。
⑥:なんでもネット
分からないことがあればすぐスマフォを開けば、たいてい問題は解決します。人気のショップに並ばなくても、ネットでクリックするだけで欲しいものは手に入ります。 分からないことはGoogleが教えてくれるからです。中には「何でもすぐネットで調べるな!」「考えるクセをつけろ!」なんて人もいるかもしれません。しかしさとり世代にとって、ネットで調べる=当たり前のことなのです。
⑦:恋愛に消極的
さとり世代の代名詞とも言えるのが草食系男子です。「女性にモテたい!」「あの子を口説きたい!」なんてことはあまり思いません。あまり積極的に行動することもなく、友達以上恋人未満で満足なのです。
さとり世代のトリセツ
①:考え方を押し付けない
さとり世代には「自分が若手の頃はこうだった!」なんて、考え方を無理に押し付けないようにしましょう。さとり世代は自分のペースを乱されることを嫌います。考え方を押し付けたところで、さとり世代には逆効果なのです。もし、自分の考えをさとり世代の部下に理解してほしいのであれば、感情的にならず、論理的な説明の仕方を心掛けてください。そうするだけできちんとさとり世代に考え方が伝わります。
②:質問しやすい環境を提示
さとり世代は質問するのが苦手です。質問したくても『話聞いてなかったのか!って怒られるかも』なんて不安が脳裏によぎってしまうのです。しかも、叱られることに対する耐性が低いので、頭ごなしに怒ることはNG。上司として、さとり世代が質問しやすいような環境を作ってあげましょう。
③:仕事は一気に教える
上述したように、さとり世代は質問するのが苦手です。そのため一つひとつ仕事を教えるのではなく、最初から最後まで一気に仕事を教える方が得策になります。 また過程よりも結果を求めるさとり世代は、最終的にどうなるのかを知りたがります。そのため一連の流れを一気に教える方が理解しやすく、効率良く仕事をこなせるのです。
④:プライベートを重視
さとり世代は仕事とプライベートを分けて考えています。 サービス残業を嫌い、上司に仕事終わりの飲み会に誘われても無駄だと思ってしまいます。プライベートを犠牲にしてまでも出世したいと思わないのです。就業時間が終わったら仕事は終わりなのです。
⑤:マニュアルを用意
仕事に対する意欲が見られにくいさとり世代。さとり世代は必要以上の仕事を行いません。いくら上司が「なんでやってないの?」なんて言っても、さとり世代からすれば「言われたことはきちんとやりました。それ以上のことは言われていません」となるのです。それはなぜかは簡単です。必要以上の仕事をして失敗したとき、怒られるからです。 そのためあらかじめマニュアルを用意しておくと、きちんとやり遂げるのでオススメです。
【番外編】次はつくし世代⁉
つくし=尽くし世代
さとり世代の次はつくし世代と言われています。つくし世代とはその名の通り、他人に尽くしたいという傾向にあり、仲間との絆を大事にするようです。無駄な争いを好まず、平穏な人間関係を望んでいます。自分が傷つかないためにも周りに気を使い、尽くす特徴があります。
みんなでハッピーがモットー
さとり世代は比較的人間関係に希薄なところがありました。対してつくし世代は「みんなで一緒に仲良くハッピーに!」をモットーとしています。お互いが尽くし合うので、無駄ないざこざが起きることはありません。特にサプライズが好きで、友達や恋人の誕生日にはみんなで驚かせて連帯感を強める傾向にあります。ちなみにイマドキのつくし世代の3割は、3カ月に一回以上のサプライズを行っているようです。
キーワードは「それな」
「みんなで一緒に仲良くハッピーに!」がモットーなつくし世代。しかし、いくら集団で仲良くするのが好きでも、誰かから一方的に命令されることを極端に嫌います。 その背景には、つくし世代が使う「それな」と言う言葉が関係しているようです。「それな=同意」の意味があります。 例:Aくん「あの子かわいい」Bくん「それな」 このように、相手の主張に同意する相槌のようなものです。「うん」よりも「それな」の方が相手の話を肯定しているように聞こえるのかもしれません。
さとり世代の特徴を理解して上手く付き合っていこう
さとり世代の特徴7つと、仕事における取扱い説明書を紹介しました。さとり世代は合理主義な一面を持ち合わせていますが、効率重視な面もあります。もしもさとり世代の部下の扱いに困っているのであれば、今回紹介した取扱い説明書を参考にしてみてください。
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