「ニード」と「ニーズ」という言葉の社会福祉での使い方

2016年11月29日社会福祉

社会福祉においてニードは自立を妨げている問題ともとれる

Daisy 819636 640

社会福祉をどう捉えるかについては種々意見があるにしても、それは社会的に援護が必要と考えられる人びと(=要援護者、またはニードをもつ人びとneedy)の自立を図るために、この自立を妨げている問題(ニード)の充足を図るという機能をもつものであると考えられます。対象のニーズに答える事はもちろん、対象が抱えている問題にも答えていくのです。

ニードとニーズに明確な定義はない

ニードとニーズという言葉は、社会福祉の分野では非常によく用いられます。しかし、ニード概念についての共通する明確な定義があるわけではありません。社会福祉では対象者のニードにあった政策、処遇をしなくてはいけないのに、良く理解しないままでは期待される対応ができるとは思えません。ニード概念が社会福祉でどのように考えられているのかしっかりと把握しましょう。

ニードの種類も多岐にわたる

ニードとニーズの違いのみならず、ニードの種類も多岐にわたります。たとえば、「ニード概念」ではなく、「ニード評価」「ニード把握」「ニード測定」などにおいては、集団的ニードと個々のニードにはかなりの違いがあるといえます。また、社会福祉的なニードの把握ということについては、政策レベルと実践レベルとで違いがあるため、実践に沿った理解が必要になるでしょう。

集団的ニードと個々のニードにおける社会福祉の考え方

社会福祉政策における集団的ニードの把握は、個々のニードの共通部分を集合的に把握し、集団がより多くの利益を得られるように対応しています。しかし社会福祉実践レベルでは、個別性を尊重して個々のそれぞれのニードに適切な対応をしていくという考えに基づいています。もちろん、ニードとニーズも大きく異なりますが、ニード概念自体の社会福祉での基本的な考え方には大きな差ありません。

社会福祉ではニード・ニーズ概念の共通意識が困難とされている

ニードとニーズ、そしてその概念についての議論は社会福祉が隣接する領域も含めてさまざまな考え方がされており、いろいろな議論行われています。社会福祉のニードについて言及した文献は1970年代あたりに多くみられますが、かといって現在その概念がはっきりと分かっているかと言われると、そうはいきません。ニード概念について、なぜ共通の考え方をもつことが困難なのでしょうか。

ニード・ニーズの共通認識を持つことのむずかしさ

社会福祉学でいう『ニーズ』はその訳語として『必要』『欠乏』『欲求』などがあります。それにもかかわらず、多くは生のまま使われているところに問題があります。その理由は、社会福祉のいわゆる対象者の複雑な主体的・客体的ニーズを適当な言葉に訳しにくい困難さにあるわけです。一方ニードをどのように解釈するかは、文脈のなかで決まるもののため、こちらもまた定義する事が難しいのです。

社会福祉ではニードやニーズを会的に援護が必要と考えられる人を意味するが共通した定義や概念はない

ニードとニーズの社会福祉における定義が非常にあいまいであることが分かりました。ニードとニーズの議論が起こる原因の一つに、その単語が固定的なものでなくて、動的なものであり、前後の文章や文脈の中で変化するという性質であるためでしょう。いずれにしても、より良い支援を行うためには、社会福祉の対象となる人のニード・ニーズも重視する必要があります。

こちらもあわせて読みたい!

人気の転職サイト特集

  1. doda合格診断:あの人気企業に転職できるかも?あなたの合格可能性を3ステップで簡単診断

    転職人気企業ランキング上位300社の中から、あなたが転職できる可能性のある企業を診断し、メールでお知らせします。実際に求人に応募する前に、まずは合格可能性をチェックしてみませんか。

  2. DYM就職:第二新卒・既卒・フリーター・ニートの就職に強い

    エージェントが就職できるまで二人三脚!今からでも正社員としての就活が間に合います。

  3. ハタラクティブ:内定率は80%以上!20代(第二新卒・既卒)や未経験業界への転職に強い

    内定率は業界トップクラスの80%!カウンセリング実績6万人以上から得られたノウハウをもとに、20代・第二新卒ならではの悩みや不安を解決してくれます。

2016年11月29日転職

Posted by BiZPARK