年金手帳と年金証書の違いと必要になる場面
公的年金に加入すると年金手帳が交付される
原則として、日本国内に在住する20歳以上60歳未満の人は公的年金に加入が必要になっています。公的年金に加入すると年金手帳が交付されます。20歳になったら誰でも加入手続きをしなければなりませんので、20歳以上の人は全員年金手帳を持っていることになります。ただし、学生の人は「学生納付特例」というものがあり、一定の収入以下の人が申請して認められれば在学中は保険料免除となりますので、持っていない人もいるかもしれません。
国民年金は25年以上保険料を払うことで受給できる
国民年金を受給するには25年以上保険料を払う必要があります。免除と未納は違いますので、免除期間も納付期間としてカウントされますが、実際に保険料を納めたわけではありませんから、満額の老齢基礎年金は受給できません。満額の年金をもらうためには40年間保険料を払う必要があるためです。少しでも満額に近づけたい人は60歳を過ぎても任意加入して、保険料を払う必要があります。
年金手帳には基礎年金番号が記載されている
公的年金に加入すると一人に一冊、年金手帳が交付されます。年金手帳には年金に関する情報が記載されています。一番必要とされる記載内容は、自分の基礎年金番号です。この番号は一生変わることがなく、様々な申請の際に番号が必要になる場合がありますので、大事に保管しておく必要があります。事務の便宜上、会社が年金手帳を保管しておくところもあるようですが、本来なら自分で持っておく必要があります。
年金証書とは保険料を納めた証
年金証書とは、年金を受ける権利を証明する文書です。公的年金は、保険料を払い終わったら自動的に支給されるわけではありません。受給のための申請をし、厚生労働大臣が受ける権利を確認すると、年金証書と裁定通知書が送られてきます。裁定通知書には老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給開始年月や受給できる年金額などが書かれています。年金証書は年金基金や企業年金、個人年金でも発行されます。
年金手帳は就職や転職した際に会社に提出が必要となる
以前は転職したり国民年金の第3号になったりと加入先が変わると、その旨を手帳に手書きで記載していましたが、現在では日本年金機構でデータが管理されていますので、年金手帳で必要なのは基礎年金番号が書いてあるというところだけでしょう。学生の時に国民年金に加入していた人は、会社に入って厚生年金に加入する手続きをする場合に基礎年金番号を確認するため、年金手帳を提出する必要があります。また、転職をした場合も転職先に年金手帳を提出しなければなりません。
年金証書は遺族年金を申請する際や身分証明書として利用する
年金証書は年金をもらえることが確定してから届くので、あまり使う場面がないと思われるかもしれませんが、配偶者が亡くなって遺族年金を申請する際には、亡くなった人の年金証書が必要になります。しかも、万一年金証書が見つからない場合、亡くなった人の年金証書は再交付してもらえません。また、年金証書は本人確認の際の身分証明書にもなり、お金を借りることもできるのです。写真はついていませんが健康保険証と同じくらいの重要な文書です。
年金手帳は就職や転職の際に会社に提出するもので年金証書は遺族年金の申請をする場合に必要になる書類
年金手帳は公的年金に加入した時に交付されるものであり、年金証書は保険料を払い終えて、年金を受給できることが確定してから交付されるものです。年金保険料を払っている間は年金証書は持っていないことになります。年金手帳は就職や転職した際に会社に提出を求められます。また、年金証書は遺族年金の申請に必要です。どちらも紛失したり破れたり汚れたりしたら無料で再交付してもらえますが、重要な文書ということを念頭に、大切に保管しておく必要があるでしょう。
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