外国人留学生が年金に加入して年金手帳を取得すべき理由

2017年7月6日2020年3月31日年金

外国人も国民年金へ加入すると年金手帳が取得できる

たとえ外国人の留学生であっても日本に居住する20～60歳までの方は、国民年金に加入する必要があります。手続きはお住まいの市町村役場でおこなっているので、外国人の方は加入するようにしてください。また結婚などの扶養控除が発生する場合も、年金手帳の提示が必要です。

短期間しか加入していない場合は一時金が取得できる

ただし、強制加入とはいえ国民年金機構の側から外国人の方へ加入するようにといった催促や請求などはありません。あくまでも加入する義務がある、というスタンスです。年金に加入して途中で帰国するといったような、短期間だけの加入の場合は、支払っていた期間に応じて一時金として清算して納入した額が返還されます。

脱退一時金の金額は保険加入期間と年収により異なる

年金手帳を取得し、年金を支払い続ける人が、帰国する際に受け取れる脱退一時金ですが、これは、保険の加入期間や年収によって異なります。例えば、厚生年金保険に加入して年収300万円であり、3年間勤めていたのであれば、帰国後は約70万円受け取れるのです。そのため、保険料が無駄になるから保険に加入しないのではなく、しっかりと入って年金手帳を取得してください。

外国人留学生が日本の企業に就職する場合は年金手帳の提示を求められる可能性がある

日本の大学に留学しており、そのまま日本の企業に就職する外国人は、就職の際に年金手帳の提出を求められる可能性があります。学生の間は国民年金ですが、企業に就職すると多くが厚生年金に切り替わりますので、その手続きのためにも必要となるのです。ですから外国人留学生がそのまま日本に就職して住むのであれば、年金に加入して年金手帳を取得しておきましょう。

就職の際は年金手帳以外にも必要書類がある

外国人留学生が日本に就活する場合は、年金手帳以外にも必要なものがあります。以下の通りです。

・在留資格変更許可申請書

・パスポート

・在留カード、または外国人登録証明証

以上の書類を提出する必要があります。在留資格変更許可申請書には｢研究｣・｢技術｣・｢人文知識･国際業務｣・｢技能｣・「特定活動（イ・ロ）」）、M（｢投資・経営｣）、I（｢教授｣・｢教育｣）、U（その他）等の様式があるので、自分が当てはまる様式の書式で申請しましょう。

短期滞在で「社会保障協定」に加入している国同士なら掛け捨てにならない

日本との間で「社会保障協定」を結んでいる国であれば、年金の掛け捨てにはなりません。また協定があるので、年金手帳は1冊で済み、日本と母国との二重負担がなくなることにもなります。現在協定を結んでいる国々は以下の通りです。

ドイツ、イギリス、ハンガリー、韓国、スペイン、アメリカ、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、ベルギー、チェコ、アイルランド、ブラジル、スイス、イタリア、インド、ルクセンブルク

以上については現在署名済みの段階で、発効準備中です。

「社会保障協定」は今後増えていく可能性がある

日本では、現在その他多くの「社会保障協定」（年金手帳）を締結していない国々との締結を目指している最中です。スウェーデン、中国、フィリピン、トルコ等と現在は交渉中です。またスロバキア、オーストリア、フィンランドとも予備協議中に入っています。できるだけ日本に暮らす外国人の方の「掛捨て」や「二重負担」がなくなるように粘り強く交渉されているのです。

年金手帳は外国人留学生が就職するときに必要なものであるため保険に加入し取得しておこう

外国人の方にはいろいろとハードルの高い日本における就職や、年金加入、永住における年金手帳について、まとめてみました。マイナンバー制度が確立し、国民年金への加入（年金手帳の保持）が外国人留学生の間で今後徹底されていくと思います。また、大学を卒業して就職する場合は年金手帳が必要になってくるので、保険には加入して取得するようにしましょう。