管理職が退職する際の会社側の対応
会社として管理職を退職させる必要に迫られるときがある
企業として考えた場合、管理職を退職させるというのは、とても大きな問題となります。経営を考え、新たなステージを作ろうと考えた場合、どうしても管理職に退職を考えてもらわなければいけない場面が出てくるでしょう。簡単なことではありませんし、その決断に至るまでにも、さまざまな過程があったはずです。しかし、一新することを決めたのであれば、やはり考えてもらわなければいけないことでてきます。
退職を強要すると損害賠償となるので気を付ける
まず、大きな問題となるのが、退職強要です。会社が従業員に退職を考えてもらうことを退職勧奨といいますが、これは違法ではありません。正当な事由があれば経営上致し方のないことです。ただし、管理職に対して、人権侵害的な手段や手法を使えば、退職強要となるのです。この場合、損害賠償請求責任を負わなければいけない事態となる可能性を忘れてはいけないでしょう。
退職については会社側が強制したり無理に引き止めたりはできない
管理職が退職したいと願い出た場合には、引き留める交渉をすることはできても、拒否することはできません。どんなに重要な管理職であったとしても、日本国憲法第22条にある職業選択の自由が保障されている以上、拒否したりすることはできないのです。雇用関係は労働関係であり、退職する場合には原則として14日前であれば問題はありません。民法第627条第1項にある通りですが、これを就業規則では1か月前と定めていると反論することもあるでしょう。しかし、この抵触する部分については無効であるという判例がある以上、期間を決めた要項でなければ、14日前で異論をはさむことはできないのです。こういった事態になっても対処できるように、日常からリスクマネジメントを進めていかなければいけないでしょう。
管理職を退職させるときは本人の了承を必ずとる
管理職の退職ということは、本人が了承しない限り達成することのできない問題です。そのためには、会社の意図を明確に伝えていかなければいけないでしょう。さらに、管理職としての気持ちを理解し、再就職支援もしていくことも視野に入れ説明しなければいけません。だからといって、これで円満退職となるわけではありません。
退職して貰わなければならないという理由をしっかりと説明する
管理職を退職させなければいけない事態というのは、会社にとって転換期であるだけではなく、余裕もないということが重要です。残りたいと思っている人は、なんでもするからと食い下がったりするでしょう。プライドの高い人であれば、さまざまな方向から、会社を攻撃したりもするのです。そのために、会社側としては、しっかりした理論武装も必要ですし、根気強く状況を伝えていくこともしなければいけません。管理職として、さまざまな葛藤を持つことになるのですから、それを理解しなければ、円満に事は運ばないのです。
管理職を退職させるリスクをしっかりと把握しておく
管理職という会社の重責を担う人間を退職させるということは、会社にも大きなダメージが及ぶことがあります。特に会社が必要としている管理職が退職を願い出てきたときに出どうするのか、リスクマネジメントとして、考慮しておかなければいけない問題です。人材育成を進めていくことができたのか、それともこれから対応していかなければいけないのか、会社としての対応力が試されます。
会社側から管理職を退職させる際にはきちんと事情を説明して了承してもらう
管理職を退職させたり、退職を願い出られたりした場合、会社には大きな変化が出てきます。円満に退職してもらうためには、相手のことも考えなければいけませんし、理論武装もして対処する必要も出てきます。会社として、管理職が退職してしまっても大きな変化が出ないように、リスクマネジメントを進めておくことも大切です。
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