監査役と監査役会の違いについて
監査の目的は業務が合理的で適法かチェックすること
株式会社のシステムを支える監査会社には監査役会がある場合と監査役がいる場合があり会社によって違います。監査役と監査役会の違いを理解する前にそもそも監査とは何かを知る必要があります。監査の目的は簡単に言うと業務が合理的で適法であるかどうかと、会計が正しく行われているかをチェックする物です。さらに会計については公認会計士も監査を行います。これらを業務監査と会計監査と呼んでいます。
株主が会社の損害を被ることになるのを防ぐための仕組み
もし経営者などによって会社の運営に問題があるせいで株式会社の出資者である株主が損害を被ることになるのを防ぐための仕組みです。もし業務監査が無ければ会社が法律違反などを犯してしまい、ある日突然行政からの指導などによって経営が難しくなってしまうかも知れません。また会計監査が無ければ、たとえば経営陣が投資を募るためだけに会社がうまくいっているように見せかけるようなことができてしまいます。これを防ぐために監査はあるのです。
上場企業や会社の承認なしで譲渡可能な会社は監査役会設置する
会社法では基本的に通常の会社であれば監査役会を置く必要はありません。しかし、公開会社、つまり株式を上場するなどして公開し、一部でも会社の承認なしに譲渡できる会社では監査役会を設置しなければなりません。他の言い方をすれば監査役会が必要なのか監査役が必要なのかの違いは大会社なのかそうでないかの違いと言っても良いでしょう。ただし、公開会社であっても委員会設置会社は監査役会を設置しなくても良いことになっています。
監査役会は会社が定款で定めれば設置することができる
委員会設置会社は取締役会の中に監査委員会などを置く株式会社のことですので、すでに監査役が含まれているからです。監査役会は公開会社でなくても会社が定款で定めれば設置することもできます。しかし監査役会を設置するのは監査役を置くよりもいろいろな面で手間やコストがかかります。通常は監査役会が必要とされない規模の会社では監査役の方を置きます。
監査役会は最低3人の監査役必要かつ半数は社外の人間
監査役会と監査役の役割は共に同じです。ではその違いはどこにあるのでしょうか。公開会社でなければ監査役は一人以上おけば良いですが、監査役会は最低3人の監査役が必要で、半数は社外の人間で無くてはなりません。また、常勤の監査役も必要です。公開会社の場合は特に監査自体の業務量も多く、さらに不備があったときの影響が大きいため監査役ではなくより人数が多く外部の目も入った監査役会を置くのです。大会社がもしなんらかの不正を行っていた場合、その影響は計り知れません。
日本の経済をためにも大企業には監査役会を設置すべき
場合によっては日本全体の経済に悪影響を与えます。最近国内でも大会社の不正な会計が問題になったことは記憶に新しい所です。これを少しでも防ぐために社会的責任のより大きい大会社については監査役会を設置して監査を行うのです。一方通常の会社の場合は大会社とは違いそこまでの影響が無いことと、現実的に監査役会を設置するだけの余裕も無いので監査役を置くことになっています。
監査役と監査役会の違いは企業規模により役職の設置義務と人数が異なる
監査役と監査役会の違いは会社の規模や社会的責任の大きさとなります。実際に行う監査の内容については監査役と監査役会の違いはあまりありません。そもそも株主会社の監査は会社の不正などを防ぎ株主を保護するために行われます。大会社の場合は監査役では無く監査役会を設置するように会社法では定められています。通常の会社とは違い、監査の業務自体が多く、不正があったときの影響の大きな大会社などでは監査役会を設置してより厳密な監査を行えるようにするためです。違いをしっかりおさえましょう。
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