キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の違いについて
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金とは?
今回はキャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の違いについて紹介します。キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の言葉は似ていますが、意味や目的がまったく異なります。キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の制度をうまく活用できれば、企業として大きく成長します。
事業主はもちろん、キャリアアップを目指したい方も一度、キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の制度についてみていきませんか。もしかするとキャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の制度によって、自分が飛躍するかもしれません。
どちらとも事業主のための雇用支援に関する助成金
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金は、事業主のための雇用関係の助成金です。キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金を管轄している厚生労働省では、雇用・労働に関するさまざまな政策があります。
助成金といっても目的や方法は異なる
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金は厚生労働省の政策の一環として行っている雇用支援に関する制度です。しかし、一口に雇用支援の助成金といっても目的や方法は異なります。また厚生労働省ではキャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金以外にも、雇用調整助成金、トライアル雇用奨励金、労働移動支援助成金(再就職支援奨励金)など目的・用途に合った助成金の制度が存在します。では、今回のキーワードであるキャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金はどういった目的があるのでしょうか。
キャリアアップ助成金とは?
はじめにキャリアアップ助成金の制度の概要や目的についてみていきましょう。名前だけ見ると、キャリアアップをするための助成金だと思ってしまいますね。あながち間違ってはいませんが、それだけでは意味がわかったことになりません。もしかするとキャリアアップ助成金制度が導入できるかもしれませんよ。
非正規雇用者に対するキャリアアップ促進のための助成金
キャリアアップ助成金は、近年の若年層を中心に増えている短時間労働者、派遣労働者などのいわゆる非正規雇用の労働者に対するキャリアアップ促進や待遇の改善、環境改善を目的とした制度です。非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者に比べて、賃金が低く、さらに雇用が不安定です。この状況の打開策として、雇用の安定や環境を改善する労働契約法の法改正が行われました。
狙いは従業員の能力向上とモチベーション向上です。
目的ごと6コースに分かれている
キャリアアップ助成金を受けるためには目的ごと6コースに分かれています。
●1.正規雇用転換コース
→非正規雇用の労働者を正規雇用などに転換する場合に助成金が支払われる
●2.人材育成コース
→非正規雇用の労働者に対して職業訓練を行った場合に助成金が支払われる
●3.処遇改善コース
→賃金テーブルが改善された場合に助成金が支払われる
●4.健康管理コース
→労働安全衛生法上義務づけられている健康診断以外の健康診断の制度を設けた場合に助成金が支払われる
●5. 多様な正社員コース
→勤務地限定正社員または職務限定正社員の制度を新たな規定・適用等を設けた場合に助成金が支払われる。
また、短時間正社員を新たに雇用した場合も助成金が支払われる。
●6.短時間労働者の週所定労働時間延長コース
→所定労働時間が週 25 時間未満だった短時間労働者の希望に応じて、週30 時間以上に延長した場合に助成金が支払われる。
対象は中小企業の事業主
キャリアアップ助成金の制度の対象は中小企業の事業主です。
中小企業の規模は以下の通りです。
●小売業(飲食店含む)
・資本金の額・出資の総額:5,000万円以下
・常時雇用する労働者の数:50人以下
●卸売業
・資本金の額・出資の総額:1億円以下
・常時雇用する労働者の数:100人以下
●サービス業
・資本金の額・出資の総額:5,000万円以下
・常時雇用する労働者の数:100人以下
●その他の業種
・資本金の額・出資の総額:3億円以下
・常時雇用する労働者の数:300人以下
キャリア形成促進助成金とは?
キャリアアップ助成金については、参考になりましたか。非正規雇用の労働者の待遇を良くしたいと思っても、なかなかできない事業主にとって、ありがたい制度でしたね。待遇の改善によって労働者のモチベーションがあがり、どちらにも得があります。では、つづいてキャリア形成促進助成金をみていきましょう。
労働者のキャリア形成を促進するための助成金
キャリア形成促進助成金とは、労総者のキャリア形成を効果的に促進するための制度です。これは「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づき、厚生労働省が認定した若者の採用・育成に積極的な企業が対象です。
具体的には職業訓練にかかる費用の補助
キャリア形成促進助成金とは、正規雇用者の労働者に対して、職業訓練などを行った費用の助成です。1人1時間800円の賃金助成が支払われます。つまり、職業訓練の30時間コースに参加した場合、ひとり当たり2万4,000円の助成金が事業主に支払われます。
訓練コースは8分野
●1.成長分野等人材育成コース
→健康・環境などの成長分野等での人材の育成するための訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●2.グローバル人材育成コース
→海外関連業務に従事(海外の大学などを含む)する人材育成のための訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●3.育休中・復職後等能力アップコース
→育児休業中・復職後・再就職後の能力アップを目的とした訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●4.中長期的キャリア形成コース
→中長期的なキャリア形成を目的とした厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●5.若年人材育成コース
→採用後5年以内で、35歳未満の若年労働者が訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●6.熟練技能育成・承継コース
→熟練技能者の指導力強化、技能承継を目的とした認定職業訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●7.認定実習併用職業訓練コース
→厚生労働大臣の認定のOJT(オンジョブトレーニング)の訓練を受けた場合に助成金が支払われる
●8.自発的職業能力開発コース
→労働者の自発的な職業能力開発を支援するための訓練を受けた場合に助成金が支払われる
対象は社員育成に力を入れている中小企業
計画的に社員を育成しようとしている中小企業がキャリア形成促進助成金制度の対象となります。
●小売業(飲食店含む)
・資本金の額・出資の総額:5,000万円以下
・常時雇用する労働者の数:50人以下
●卸売業
・資本金の額・出資の総額:1億円以下
・常時雇用する労働者の数:100人以下
●サービス業
・資本金の額・出資の総額:5,000万円以下
・常時雇用する労働者の数:100人以下
●その他の業種
・資本金の額・出資の総額:3億円以下
・常時雇用する労働者の数:300人以下
キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金は若年層の底上げをするための手段と方法
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の違いについて、みていきましたが参考になりましたか。
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金とともに、中小企業で働いている従業員が対象でしたね。これから未来を担う若年層の底上げをするための手段と方法といえます。
キャリアアップ助成金とキャリア形成促進助成金の制度に該当するなら一度検討してはいかがでしょうか。
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