ご手配の時に使う敬語で注意すべき謙譲語について
敬語学習の現状:敬語は学校教育で手薄となっている
敬語を正しく使っているという自信はありますか?学校教育で意外と手薄になっているのが敬語です。学校では、先生に敬語を使わなくても、厳しく叱られることはありません。また、ご手配をする機会があっても敬語を使う機会は少なかったのではないでしょうか?敬語の勉強はしたけれど、現代の日本語で使われている尊敬語と謙譲語の正しい区別は、いまひとつ自信が無いという人は少なくないようです。
就職活動の時は自己学習
就職活動の時に慌てて本を買って敬語の勉強をしたという人も多いのではないでしょうか?ただし、面接の際に使うのは、せいぜい丁寧語。「です、ます」体の普通の話ができれば問題はなかったはずです。いかに自分をうまくピーアールするか?問題はその点に集中し、難しい敬語の問題まで気が回らなかったという人もいるでしょうが、面接という状況が、複雑な敬語を駆使する必要性がないものだったということもあります。テキパキと明るい表情で話すことの方が重視されていたかもしれません。ご手配という状況は、就活ではなかなか無いですものね。
面接時と入社後で使う敬語は異なる
面接の時には、自分と面接官の立場は固定されています。観客である面接官に丁寧に接すれば良いわけですから、使う敬語はもっぱら丁寧語です。相手との距離感が問題にならない敬語が丁寧語です。ここで失敗する人は、まずいないでしょう。話の内容は問題になっても、敬語が使えるか使えないかでふるいにかけられるということは無かったはずです。
入社後のご手配では尊敬語と謙譲語を使い分けよう
しかし、入社したとたん、状況は一変します。社外のお客様と接する機会はもちろんのこと、社内での打ち合わせのご手配でも、自分と相手の距離を正確に理解して敬語に反映させる必要があります。「何時までにご返事いただけますか?」「明日までにご返事を頂戴できますか?」と言うべきところを「明日までにご返事いたしていただけるでしょうか?」とでも言おうものなら、大変です。少し厳しい上司なら、「ご返事いたすとは、君はそんなに偉いのかね?外回りは任せられない!」と叱責されてしまうでしょう。
「いたす」は、謙譲語。自分の動作につけるべき言葉であって、上司の動作につけてはいけない言葉だからです。ご手配では尊敬語と謙譲語が正確に使い分けられなくてはいけません。
ご手配での敬語のコツは謙譲語を相手に使わないこと
社会人でも目立つ敬語の誤用は、謙譲語を相手の動作を表す動詞に使ってしまうというものです。社交的な会話でそうした誤用があると、「教養の無い人だな」という印象を与えてしまいます。
ご手配時に敬語の誤用があると信用問題に発展しかねない
ビジネスシーンでそのような敬語の誤用があると、信用問題に発展しかねません。社員個人の問題にとどまりません。そうした社員を雇っている会社の「品質」自体が問われることになります。そのため、社内での打ち合わせのご手配に際して敬語の誤用、特に尊敬語を使うべきシーンで謙譲語を使ってしまうというようなことがあると、厳しくチェックされます。ご手配の内容が万全でも、ご手配をする時に謙譲語と尊敬語の誤用があっただけで、問題になります。自分の動作に尊敬語を使う人は、まずいないでしょう。相手の動作に謙譲語を使わないことが、ご手配の際にはきわめて重要です。
打ち合わせのご手配で敬語を使う時は相手の動作に謙譲語を使わない
打ち合わせのご手配では、敬語の理解力が問われます。丁寧語だけで済んでいた面接とは異なり、尊敬語と謙譲語が不可欠になります。中でも重要なのが、謙譲語です。自分の動作に尊敬語を使って気づかないような人は、まずいないでしょう。しかし、敬語の誤用が多いのは、相手の動作に謙譲語を使ってしまうというものです。ご手配の際には、相手の動作に謙譲語を使わないことを肝に銘じましょう。
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