定年再雇用で厚生年金の上乗せ支給額を狙う人への注意点
定年再雇用時の厚生年金は特別支給となる
定年再雇用制度を利用して企業へ再雇用された場合、その雇用体系によって厚生年金の支給が大きく異なってきます。厚生年金の支給に関しては61歳から受給可能な特別支給の老齢厚生年金と、65歳から支給の始まる通常の老齢厚生年金が存在しています。定年再雇用を利用する場合、おそらく60歳で定年の人が多いはずですので、特別支給の老齢厚生年金の支給を受けながら定年再雇用制度で働くと言う人も少なくないと言えます。
65歳未満の場合は給与と年金の合計が28万円以上だと厚生年金の支給が激減
しかしこの場合、もし定年再雇用で雇用保険に加入して働いた場合、65歳未満の場合は給与と年金の合計金額が28万円を超えた時点で、厚生年金の支給額を大幅にカットされる事になります。その為定年再雇用で働く場合には、働く時間と給与をしっかりと考えておかなければ、働けば働くほど厚生年金がカットされていく事になってしまいます。
厚生年金の減額があるので定年再雇用制度で職場復帰する事はよく考える必要がある
定年再雇用制度で職場復帰したのに、本来受け取れるはずの厚生年金がカットされてしまうようでは、何のために定年再雇用を選んだのかが分からなくなってしまいます。定年再雇用を利用して働く事が目的で年金のカットは問題ないと言う人であれば、特に厚生年金のカットは問題ないかもしれません。しかし、ほとんどの人がカットされるのは嫌だと考えるはずですから、定年再雇用で働く場合の働き方をしっかりと考える必要があります。
週20時間以上働かない場合は雇用保険へ加入する必要はない
基本的に雇用保険に加入しなければいけなくなるのは、週20時間以上の勤務体系の場合ですから、その場合には厚生年金の支給額に影響が出てしまう恐れがあります。しかし週20時間を超えない場合、雇用保険への加入が必要無くなるため、働いて得た給与が厚生年金の支給額へ影響を与える事は有りません。その為もし厚生年金を満額受給したい場合には、週20時間以下の勤務を行えばよい事になります。
定年再雇用制度で再就職して厚生年金へ加入しても上乗せ分は微々たるもの
定年再雇用制度を利用して再就職した場合、その時点から厚生年金への加入が可能になります。この場合、本来の厚生年金の支給額に更に上乗せされて、厚生年金の受給が可能になると考えている人も多いはずです。しかし、実際の所、定年再雇用後に厚生年金に加入した場合の上乗せ分は非常に微々たるものとなります。何故なら、基本となる厚生年金の金額は定年退職した時点で満期となっているため、その部分には変化が無く、定年再雇用後に加入した厚生年金に関しては、報酬比例部分が増えるだけになります。65歳以降に受け取れる年金の報酬比例部分が微増するだけにとどまる事になります。
定年再雇用で収入を増やしても年金カットの金額の方が多い事もあるので注意
基本的には60歳以降に加入した厚生年金は、月収に0.6%を掛けた数字が基本となりますので、定年再雇用での月収が15万円だった場合、60歳~65歳までの5年間の収入は900万円、その0.6%にあたる54000円が年額として増額される金額となるわけです。その為、この場合は月額わずか4500円という事になるため、定年再雇用で厚生年金を更に増やそうと考えている人は過度な期待はしてはいけないと言えます。月収が増えればそれだけ報酬比例部分は増えますが、それ以上に年金カットの金額のほうが多くなる恐れもあるので、注意が必要です。
厚生年金へ加入しても上乗せ支給額は少ないので定年再雇用制度の利用はよく考える
定年再雇用後の厚生年金の支給には、働いた時の給与が大きく関わってきます。その為、賢い働き方を考えないと、再雇用で厚生年金受給者になっても、自分で自分の首を絞める結果にもなりかねません。頑張れば頑張った分だけ年金が減るという逆効果にもなる恐れがありますので、どうすれば最大限に年金の支給を受けながら働けるかを考えて、定年再雇用を利用する必要があるでしょう。
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