退職金の前払い制度のメリットとデメリット
退職金前払い制度を導入している企業が増えている
退職金とは、長年企業に勤務した人が退職する時に支給されるお金です。近年では、退職時に退職金を支払わない代わりに、毎月の給与に上乗せして前払いを行う、退職金前払い制度を導入している企業が増えています。
退職金前払い制度にはメリットもデメリットもある
この退職金前払い制度は、労働者にとっては一見毎月の給与が増えるため、とてもメリットが大きいように感じます。
しかし、実は大きなデメリットもある制度のため、前払い制度を採用している企業で働く場合には、メリットとデメリットを把握したうえで、それを承諾して働かなければいけないということになります。
退職金前払い制度のメリットは「毎月の給与が多い」
退職金前払い制度の労働者側のメリットは、言うまでもなく「毎月の給与が増える」に尽きるでしょう。退職金前払い制度を導入している企業の場合、通常の給与とは別枠で退職金前払い分を加算している場合が多いため、基本給がいくらで前払い分がいくらということも簡単に分かる仕組みとなっています。
前払いされるため退職金を早期利用することができる
支給された退職金前払い分だけを貯蓄に回すといった使い方や、資産運用も可能となるため、退職金の早期利用が出来ます。企業側も退職金給付債務が発生しない、労働者の退職金の準備をする必要が無いといったメリットがあるため、どちらにもメリットがある制度のように感じるでしょう。
退職金前払い制度のデメリットは「退職時に何も支給がない」
退職金前払い制度のメリットは分かったと思いますが、退職金前払い制度のデメリットを深く考えてみると、非常に大きなデメリットが存在していることに気付くでしょう。
まず、毎月前払いされた退職金を運用できると言うメリットは、言い換えれば退職時には1円の退職金の支給もないという意味ですから、前払いされた退職金の使い方を間違えてしまうと、退職時には何も残りません。
退職金がないため労働者が辞めやすく人材育成が進まない
企業側も前払いで退職金を支払っているため、労働者の会社に対する忠誠心や愛着が薄れることに繋がります。長く働いても退職金の支給は無いわけですから、労働者の入れ替わりが激しく、優秀な人材を育てにくいなどのデメリットが発生します。
退職金前払い制度のメリットは給料が多いこと・デメリットは退職時に何も支給がないこと
退職金前払い制度は、メリットもデメリットもある制度です。退職金前払い制度だけしかない会社に勤務する場合には、自分で個人確定拠出年金への加入も行っておくほうが、安心して仕事に打ち込めるでしょう。
退職金前払い制度を導入する企業は、今後も増えると考えられています。退職金前払い制度のメリットとデメリットを把握しておきましょう。
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