入社直後に妊娠してしまったら…女性が就労前に知っておくべき事
入社直後の妊娠はナシ?
ある程度働き慣れて、仕事の勝手が分かってきてからの妊娠ならまだしも、まだ入社直後の研修すらまともに終えていない状態での妊娠は、周りにも良い印象を与えないでしょう。少子化が進む日本、子供を授かるのはおめでたいことではあるのですが、最近は面接でも恋人の有無を問われるケースもあるようです。セクハラと言われかねない質問ですが、入社直後に妊娠されては困るという会社側の懸念もあると理解しましょう。
入社直後の妊娠は周りの目が気になる…
妊娠直後の妊娠は、上司から会社のお荷物と捉えられても仕方がないのかもしれません。共に働く人にも嫌な顔をされますし、妊娠した当の本人だって、産休明けから新入社員と同じような仕事をするのも肩身が狭いのではないのでしょうか。加えて、前述のように面接で質問があり、すぐに結婚の予定はないという返事をして内定を得た人が早いうちに妊娠してしまうと、信用問題にも関わります。クビにされるまではいかなくても、信用はガタ落ちです。
入社直後の妊娠はアリ?
信用問題は別として、入社直後の妊娠であっても法令上では産休を取得できますし、会社がそれを拒否することもできません。思いがけず入社直後に妊娠してしまったからと言って、会社をクビになってしまうのは不当です。労働基準法に基づき、妊娠した女性社員には、
■軽易業務転換の義務
■労働時間等の制限
■保健指導や健康診査を受けるための時間の確保
といった母性保護が与えられます。また、産後は育児・介護休業法に基づく育児休業を得られます。これも女性社員から申し出があれば会社は拒否できません。
入社直後の妊娠・出産だと育児休業が申請できないケースも
実は育児休業の申請に関しては大きな落とし穴があります。それは、もし妊娠した女性社員が育児休業を申請する際、その申請日が入社日から1年未満であり、かつ、労使協定がある場合、企業は育児休業の申請を拒否できるのです。既に妊娠している状態で、それに気づかず企業に入社した場合や入社直後に妊娠した場合、このような事態に陥るケースがあります。
女性の幸せとは
少子高齢化が進む世の中、そして女性の社会進出…そのはざまで、妊娠・出産・子育てと仕事の両立は女性特有の問題です。仕事だけをしていれば「子供を産め」と言われ、専業主婦をしようと思うと「働け」と言われてしまう、さらに子育てにはお金がかかるため、夫婦共働きが望ましいかと思えば、女性にだけ家事を押し付け、それが原因で夫婦喧嘩が絶えないという家庭もあります。このような風潮は、より女性を悩ませ、ますます少子高齢化を進めてしまっている事実に、多くの人が気づき始めています。
様々な状況に陥っても柔軟に働ける社会へ変化すべき
妊娠は、本来であれば喜ばしいことです。未来を担う子供たちが増えるのは、社会にとっても企業にとっても、親にとっても嬉しいはずなのに、白い目で見られる世の中のほうがおかしいとも言えるかもしれません。たとえ入社直後、入社一年未満であっても、産休や育児休業を取りやすい社会にしていくのが、社会の務めなのかもしれませんね。
入社直後に妊娠したら、法令を知ったうえで企業と話し合ってみるのが一番
少子高齢化と女性の社会進出のはざまで、いったい何人の女性が悩まされているのでしょうか。子供を産む、社会に出て働く、両方を成し遂げるのは決して簡単ではありません。子供は若いうちに産みたいという人も多いでしょうが、その妊娠が入社直後の会社の研修中だったらどうでしょう?法令の側面、企業側の意見を鑑みて、現代社会が抱える問題を考えましょう。
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