【それって適正処分?】降格人事における違法性と訴訟に発展しかねない異動
違法性のある降格人事と訴訟
適材適所に置くための降格であっても、懲戒処分における降格であっても、職権乱用によって不当な理由での降格は違法とされています。これが許されてしまうと、会社の秩序が乱れてしまい、結果的に会社と社員の両者に大きな損害を与えてしまいます。最悪、社員側としては訴訟を起こさざるを得ない状況となってしまいます。
会社側も降格前に違法かどうか確認を
社員の降格を直属の上司が提案してきた際には、その理由とされる社員の行動を見て事実確認をしなければなりません。現場の上司に人事異動者の推薦を任せてしまうと、ひいきや差別によって不当な人事異動をさせられる社員が出てくる可能性があります。会社としては、そういった違法性の観点から、降格前に事実確認を行う必要があります。
減給処分を伴う降格の違法性と訴訟
減給処分が伴う降格では、法律によって定められた限度額の範囲内で減給する必要があります。1日の平均賃金の半額以上の減額であったり、月給の1割以上の減額は違法とされています。この範囲を越えている減給処分に関しては、社員は異議申し立てを行い、訴訟にまで発展するケースもあります。
役職をまたぐ降格の違法性と訴訟
役職を与えられているのであれば、基本給に役職手当が加えられて高額な給料となっている事があります。降格によって、会社規程で定められた役職手当を与えられることによる、実質の減給となるケースがあります。しかし、この場合は減給の限度額を越えていても、会社規程に基づく役職手当の変動になるので問題ありません。つまり、違法性もなく訴訟の対象にもならないのです。
降格人事には広い裁量が求められる
適材適所に置く意味を含んだ降格ではなく、懲戒処分の意味合いを含んだ降格の場合は、会社側に広い裁量が求められます。より多くの条件を提示して、その条件を満たした人物のみを降格の対象とする事が求められます。一つの条件を満たしたことによって降格をさせてしまうと、結果的に多く社員が降格の対象となる可能性があります。
簡単には降格させられない
降格されてしまうと、基本的に減給処分も付いてきます。また、一度正式にそういった評価をされてしまうと、将来的に出世の道が閉ざされてしまいます。そのため、社員に納得してもらえる内容で降格の辞令を下す必要があります。多くの条件を提示して、その全てを満たしているために降格の辞令を下すことを伝えましょう。
違法性のある降格をしてしまうと訴訟問題に!会社全体に影響を及ぼす
違法性がある降格人事を行ってしまうと、会社全体の問題に発展する可能性があります。最悪、社員側から訴訟をするといったケースも。実際に降格人事をされてしまった人物がいた場合に、他の人物を不当な理由で降格させてしまうと、会社に不満を持つ人物が結束してしまう可能性があります。結果的に会社に不利益なことをもたらされる事に繋がるので、降格させる場合には細心の注意を払う必要があります。
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