「受け取る」「もらう」の正しい敬語表現【謙譲語・尊敬語】
敬語の種類「尊敬語・謙譲語・丁寧語」を把握する
敬語は、尊敬語と謙譲語と丁寧語に大きく分類することができます。そして、「もらう」「受け取る」の敬語表現も、謙譲語か丁寧語かによって変わります。どの場面でどの種類の敬語を使うのが適切なのかを知るために、まずは敬語の基本をおさえておきましょう。
敬語の種類①尊敬語
敬語は行動の主体が誰かによって、使い方が変わります。
尊敬語の主人公は相手です。「相手の行動や相手の物を敬った表現」を敬語表現を尊敬語と言います。
基本的に「お~になる」「お~られる」「お~くださる」という使い方をします。
敬語の種類②謙譲語
謙譲語は行動の主人公は自分です。「自分を相手よりも下位にして、へりくだった表現」をする時に使います。基本的に「お~いただく」「お~させていただく」という表し方をします。
敬語の種類③丁寧語
丁寧語は話し手に対して、丁寧で綺麗な表現をする敬語の事です。行動の主体はどちらでもありません。基本的に「です」「ます」口調と言われているものは、丁寧語になります。
ビジネスで大事な「受け取る」「もらう」の尊敬語
尊敬語は相手に対して敬意を払う言葉です。「もらう」「受け取る」を尊敬語に直すとどのような表現になるのでしょうか。もらう・受け取る、を使う場面は日常的にあります。正しい敬語表現ができるように確認しておきましょう。
「お受け取りになる」「お納めになる」が正しい敬語
受け取ると貰うの尊敬語は「お受け取りになる」「お納めになる」です。もらう・受け取るを敬語にして、自分より目上の上司やお客様が受け取る際には、「お受け取りになる」や「お納めになる」と表現しましょう。
何かを受け取ってくださいと伝える時、具体的にどう使うのか、例で確認しておきます。
例)「受け取ってください」
「○○をお受け取り下さってありがとうございます。」
「どうぞ。お受け取りください。」
「ささやかですが、お納めください。」
別の敬語表現も覚えておこう!
受け取るともらうには別の敬語表現もあります。例えば「ご査収ください」は、よく調べた上で受け取ってください、という意味で使われます。FAX送信後の締めの言葉でよく見かけますね。
また、つまらないものですが受け取ってください、というのを「ご笑納ください」と言うときがあります。こちらは、お歳暮やお土産を贈るときに使われます。
「受け取る」「もらう」の謙譲語
受け取るともらうといった「受け取りました」という言葉を謙譲語に直すとどうなるのでしょうか。同じ敬語でも、敬語の種類によって表現法は異なる点に注意です。
「頂く」「頂戴する」が正しい敬語
受け取るともらうの謙譲語は「頂く」「頂戴する」が正解です。
もっと丁寧になると「賜る」や「拝受する」という言い方をするときもありますので、「受け取りました」の謙譲語の例を参考にしっかり覚えておきましょう。
例) 「受け取りました」
「素敵なプレゼントを頂きました」
「プレゼントを頂戴する」
「受け取る」「貰う」の謙譲語はほかにもある
敬語は形を変えて同じ意味を持つものが多くあります。そして、受け取るともらうといった「受け取りました」の言葉も言い換えることができ、「賜る(たまわる)」を使います。
それでは、例で確認しておきましょう。
例) より丁寧な「受けとりました」
「上司から、ためになるご本をたまわった」
受け取る・もらうの敬語は、謙譲語が「頂く・頂戴する」、尊敬語が「お受け取りになる・お納めになる」
今回は「受け取る」と「もらう」の、正しい敬語表現について見てきました。ビジネスでも「受け取ってください」や「受け取りました」など「受け取りに」に関する敬語はよく使うので、正しく覚えておきましょう。
正しい敬語を使うために一番大事な点は、受け取る、もらう、を敬語に直す場合に行動の主体は誰なのかを考えることです。敬語は使い方を間違えると、失礼な表現になってしまう時もあります。受け取るのは誰なのか、もらうのは誰なのか、をまず考えて、尊敬語や謙譲語としっかり使い分けるのが重要です。
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